マンションの6つの地震リスクとは?倒壊する危険性や身を守るための避難方法を徹底解説!
- マンションで地震が起きたらどうなるの?
- マンションって倒壊する?
- 大地震が起きたとき、マンションではどのように行動すればいい?
このような疑問を感じている方は多いのではないでしょうか。
いつ巨大地震が襲ってもおかしくない地震大国の日本では、マンションで地震が起きたときのリスクと備えを、しっかりと情報収集しておくことが欠かせません。
この記事では、マンションで地震が起きた際に具体的に起こりうるリスクと、いざというときに取るべき行動を詳しく解説します。
また、避難所に行かずマンションで避難生活を送る「在宅避難」や、今すぐおこないたいマンションの地震対策も、お伝えします。
最後までお読みいただくことで、マンションと地震に関しての知識を身につけ、いざというときの準備、心構えができるようになるでしょう。
安心してマンション暮らしを送っていくための方法を学んでいきましょう。
宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟
宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。
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大地震が起きたらマンションはどうなる?6つのリスクを紹介
大地震が起きた場合のマンションのリスクには、以下の6つのポイントが挙げられます。
- 倒壊する可能性は建築年によって異なる
- 3つの構造の違いによってマンションの揺れ方が異なるピロティ構造のマンションは倒壊リスクが高まる
- 地盤の強さによっても被害の大きさが異なる
- 高層マンションは大きく揺れる危険がある(長周期地震動)
- 地上へ移動できなくなる危険がある(高層難民)
マンションで起こりうるリスクをそれぞれ解説します。
【リスク1】倒壊する可能性は建築年によって異なる
まず多くの人が気になるのが「マンションって、地震で倒壊することはあるの?」という点ではないでしょうか。
マンションが倒壊する危険性は、マンションの建築年によって変わってきます。
▼ 建築年月日(認可申請日)と建築基準法で定められた耐震基準
1981年5月以前 | 旧耐震基準:震度5程度の揺れで倒壊しない |
1981年6月以降 | 新耐震基準:震度6〜7程度の揺れで倒壊しない |
1981年6月以降に建築されたマンションであれば、震度6〜7程度の大きな地震が起きても、損傷が少なくて済む可能性が高いでしょう。
具体的な構造や耐震性は、マンションの管理組合に問い合わせて確認してみましょう。
【リスク2】3つの構造の違いによってマンションの揺れ方が異なる
マンションでは、一定の耐震性を備えた構造になっていることが多いですが、構造の違いによって揺れ方が異なります。
マンションにおける地震対策の構造には、以下の3つがあります。
- 耐震構造
- 免震構造
- 制震構造
マンションを選ぶ際には、どの構造が採用されているのかを、確認しておくとよいでしょう。
以下では、マンションの3つの構造の特徴をそれぞれを解説します。
1.耐震構造|コストは低いが揺れが大きい
耐震構造とは、柱や梁、壁を強化してマンション自体を強化する構造のことです。
低コストで地震対策ができますが、一方で、他の構造と比べて揺れが大きくなるデメリットがあります。
また、大きい規模の地震があると、柱や壁が損傷する可能性があります。
2.免震構造|耐震構造よりも揺れを抑えられる
免震構造とは、地面とマンションの間に地震の揺れを吸収する装置を設置し、地震による揺れを軽減させる構造です。
他の構造と比べて地震の揺れを抑えられますが、コストがかかってしまう側面もあります。
ただし、室内の落下物や家具の損傷を減らせることができ、何より免震構造のマンションでは、地震が来たときの不安を軽減できるのがメリットでしょう。
3.制震構造|二次災害を防ぎやすい
制震構造とは、地震の揺れを軽減する装置を使って、地震を対策する構造です。
耐震構造よりも地震の揺れを抑えられるだけでなく、大きい規模の地震でも柱や壁が傷つくリスクを減らせます。
制震構造は耐震構造と併用できるため、より耐久性を強めることができるでしょう。
【リスク3】ピロティ構造のマンションは倒壊リスクが高まる
マンションの地震への強さを見る際、築年数や構造に目が行きがちですが、マンションの形によっても、倒壊のしやすさが異なります。
地震に強いマンションを選ぶ際には、構造を補強できるピラミッドのような形や正方形のマンションがおすすめです。
一方、1階部分が駐車場になっているマンション(ピロティ構造)や縦長の長方形のマンションは、地面と接している構造部分の補強できる箇所が少なくなるため、耐震性に劣る可能性があります。
【リスク4】地盤の強さによっても被害の大きさが異なる
地震に強いマンションを選ぶ際には、建物だけでなくマンションが建っている場所の地盤によっても、耐震性が異なります。
地震に強い地盤と弱い地盤の違いは、以下の表のようになっています。
地震に強い地盤 | 地震に弱い地盤 | |
地盤の硬さ | 硬い | 軟らかい |
揺れ方 | 穏やか | 激しい |
ただし、地盤が軟らかい場合でも、対策されていれば地震に強くなります。
マンションの地盤を知りたい場合には、売り主や不動産屋に聞くか、国土交通省の国土地盤情報検索サイト「KuniJiban」で調べられます。
【リスク5】高層マンションは大きく揺れる危険がある(長周期地震動)
一般的にマンションが倒壊する可能性が少ないからといっても、安心とは言い切れません。
特に高層マンションの場合、「長周期地震動」という、大きな揺れが長く続く特徴があります。
過去の大地震では、長周期地震動によって以下の事例が報告されています。
▼ 過去の長周期地震動による被害
2004年 新潟県中越地震 | 六本木ヒルズで6基のエレベーターが停止し、うち1基は客室をつるすワイヤーが切断されていた。 |
2011年 東日本大震災 | 西新宿の高層ビルなどで最大1m程度の振幅で10分間以上にわたり揺れが続いた。 |
長周期地震動による被害は、高層階になるほど大きくなる傾向にあります。マンション上層階の揺れは、地上で感じる揺れの2〜3倍以上となることも、覚悟しなければなりません。
(参考)超高層建築物の固有周期
建築物の構造と規模 | 固有周期の目安 |
高さ60m(20階建て程度) | 1〜2秒程度 |
高さ200m(50~60階建て程度) | 4〜6秒程度 |
免震建築物 | 最大8秒程度 |
出典:国土交通省
マンションの建物自体が倒壊しなくても、室内が大きく揺れることで転倒したり、家具が激しく倒れたりする被害が予想されます。
最悪、死亡につながる可能性があることも、覚えておきましょう。
【リスク6】地上へ移動できなくなる危険がある(高層難民)
近年問題になっているのが、マンションのエレベーター設備が故障し、高層階に住む住民が地上に降りられなくなる「高層難民」です。
例えば、川崎市の武蔵小杉にある47階建てのタワーマンションでは、2019年に台風による停電・断水が発生しました。
このタワーマンションではおよそ1,500人が暮らしていましたが、停電でエレベーターが使えなくなったため、階段で上り下りするしか移動手段がなくなってしまったのです。
しかし、「47階」ともなれば、階段を自分の脚で上り下りするのは非現実的です。
まして、高齢者や病気のある人にとっては不可能です。
これは台風被害の例ですが、地震が起きればエレベーターの故障だけでなく、通路や階段の天井や壁が落下したり、ドアが開かなくなったりする損害も、想定されます。
マンションの高層階に暮らす人にとっては、「地震により地上へ降りられなくなる」ことは、大きなリスクになり得るのです。
なお、リスクに対しどのような対策をおこなうべきかは、後ほど「4. マンションの地震対策とは?今すぐおこないたい4つの施策!」にて解説します。
マンションで大きな地震が発生したら取るべき行動とは?身を守るための4つのステップ!
もしマンションにいるときに大きな地震が発生したら、どう行動したらよいのでしょうか。
基本は以下の4ステップです。
- 身の安全を確保する
- 火の元を確認する
- ドアや窓を開けて逃げ道を確保する
- 身の危険があれば避難する
地震があった場合には避難した方がよいのか、どこに逃げるのがよいのか、あらためて確認しておきましょう。
【ステップ1】身の安全を確保する
地震が起きた瞬間、まず最優先にすべきは「身の安全」です。
特にマンションの高層階(10階以上)では、揺れが大きく、長くなることを想定してください。
丈夫なテーブルの下や、物が落ちてこない・倒れてこない・移動してこない空間に身を寄せます。
背の高い家具や窓ガラスから離れ、頭と目を保護しましょう。
冷蔵庫など、一見動きそうにない重い家電や家具でも、高層階のマンションでは大きく移動する危険があるため、十分な注意が必要です。
【ステップ2】火の元を確認する
揺れが収まったら、火の元の確認をおこないます。
ガスコンロやストーブなどの消火を確認しましょう。
もし出火してしまった場合は、慌てずに落ち着いて初期消火をおこない、消化器を噴射したり水をかけたりして、火を消し止めましょう。
消火の具体的な方法については、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連:マンションで火事が発生した時の対処方法とは?マンション特有のリスクや火事対策を8つ紹介
【ステップ3】ドアや窓を開けて逃げ道を確保する
次に、玄関ドア・ベランダの窓などを開けて、逃げ道を確保します。
地震直後は問題なく開閉できても、この後の余震の影響で開かなくなる可能性があるので、しばらく開けっぱなしにしておきます。
マンションの自宅内だけでなく、共用部分の非常ドアなども開けておきましょう。
なお、地震が発生したときは慌てずに行動することを心がけてください。
大きな地震の後は、床に落下した家具、ガラスの破片、損壊した壁の破片などが散乱していることもあります。
慌てて転倒すればけがのもととなるため、落ち着いて行動しましょう。
なお、避難の際には、エレベーターは使わないようにして下さい。
余震などで閉じ込められるリスクがあります。
(補足)エレベーターにいるときに地震が起きたら
マンションのエレベーター内にいるときに地震を感じたら、すぐに行き先階のボタンをすべて押して下さい。
地震によって停電する前なら、近くの階で止まってドアが開く可能性があります。
「次の階で下りるには、何階のボタンを押せばよいか」などと考えている暇はないので、「とにかくすべての階のボタンを押す」と覚えておきましょう。
もしエレベーター内に閉じ込められてしまったら、非常電話のボタンを押し続けて外部と連絡を試み、落ち着いて救助を待ちます。
【ステップ4】身の危険があれば一時集合場所や避難所に避難する
万が一、マンションで火災が発生しているなど、身の危険が迫っている場合には、地上階に下りて、地域の一時集合場所や避難所に避難します。
沿岸部で津波警報が出された場合は、高台などの安全な場所に素早く避難します。
避難の前には、電気のブレーカーを切り、ガスの元栓を閉めることを忘れないようにしましょう。
身の危険が迫っていない場合には、地上に行かずにマンション内で在宅避難する方法があります。詳しくは次章で解説します。
大地震が起きたらどうする?マンション住民は避難所へ行かず在宅避難がおすすめ!
事前の心構えはできていても、いざ大地震が起きたとき、「マンション住民は避難所に行くべき?それとも、自宅で過ごしてもよい?」と迷ってしまいますよね。
結論からお伝えすると、倒壊の危険性がないマンションの住民は、避難所に行かずに在宅避難がおすすめです。
本章では、以下の内容を解説します。
- 在宅避難を原則とする地域あり!避難所は健康被害の可能性がある
- 在宅避難にはメリットが多い!ストレスの軽減ができる
それぞれの背景を見ていきましょう。
1.在宅避難を原則とする地域も!避難所は健康被害の可能性がある
「地震のときは、避難所に避難しないといけないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、行政によってはマンション住民に在宅避難が推奨されています。
例えば、新宿区の防災マニュアルには、以下のとおり記載されています。
万一、建物被害の無いマンション住民が避難所に避難した場合、新宿区地域防災計画に定める想定を超える避難者により、避難所では、避難生活に混乱や支障が生じる恐れがあります。
また、大震災などが発生した被災地の避難所では、避難者の肉体的・精神的なストレスによる、多くの健康被害が報告されています。
こうしたことから、マンション建物の倒壊などの危険性が無い場合は、在宅避難を原則とした対策を実施していきます。
以上は新宿区の例ですが、ほかの地域でも、基本的に避難所はマンションよりも戸建て住宅の住民が優先です。
自分の地域についても必ず確認しておきましょう。
2.在宅避難にはメリットが多い!ストレスが軽減できる
在宅避難には、数多くのメリットがあります。
避難所での生活では盗難・暴行などのトラブル、プライバシーが守られないといった人によってはストレスに感じてしまうことがないとは言えません。その点、在宅避難ではその心配はありません。
避難中に、自宅マンションが空き巣の被害に遭う心配もなくなります。
さらに、移動が困難な高齢者や病人にとっても負担がありませんし、ペットの世話も自宅でいつもと同じように行えます。
次に、在宅避難のメリットとデメリットを詳しく解説します。
在宅避難のメリット
在宅避難には、以下のメリットがあります。
- 避難所での盗難・暴行などのトラブルを回避できる
- プライバシーが守られる
- 避難中に自宅マンションが空き巣に入られる心配がない
- 移動が困難な高齢者・病人の負担が少ない
- ペットと一緒に過ごせる
在宅避難と聞くと不安に思われる方もいると思いますが、避難所でのトラブルがなくなることは、メリットに挙げられます。
在宅避難のデメリット
一方で、在宅避難には以下のデメリットがあります。
- 食料・飲料などの備蓄が必要(配給物資を取りに行くことで対応は可能)
ただし、これに関しては日頃からローリングストックなどを検討し対策を打つことが可能です。
一般的にはデメリットよりもメリットの方が多いため、マンションに住んでいる方は、大地震が起きても、基本的には在宅避難の方向で考えておきましょう。
マンションの地震対策とは?今すぐおこないたい4つの施策!
地上階に比較して大きな揺れに見舞われやすいマンションでは、事前の地震対策が大切です。
今すぐにおこないたいマンションの地震対策には、以下の4つがあります。
- 家具・家電を固定する
- 避難経路を確認する
- 災害時用の備蓄を準備する
- 地震保険に加入する
以下では、マンションの4つの地震対策をそれぞれ解説します。
【地震対策1】家具・家電を固定する
1つめは、家具・家電の固定をしっかりすることです。
新潟中越地震では、負傷者の約40%が家具類の転倒・移動・落下によるものでした。
大型家具、テレビ・パソコン、食器棚・本棚などに転倒防止器具などを付けて、固定をしましょう。
【地震対策2】避難経路を確認する
次に、地震で火災が発生した場合など、避難が必要になったときの避難経路を確認しておきましょう。
避難が必要になった際、複数の避難ルートを想定しておくことが大切です。
地震によってメインとして考えていた避難通路がふさがれるリスクもあるからです。
高層階のマンションでは、ベランダなどに設置されている「避難はしご」の使い方も、マスターしておきましょう。
【地震対策3】災害時用の備蓄を準備する
マンション内に閉じ込められるリスクがあり、かつ在宅避難となる可能性が高いマンション住民にとって、災害時用の備蓄を準備しておくことは重要です。
具体的に備蓄しておくべきものをリストにしましたので、参考にしながら、我が家に必要な備蓄をそろえてください。
▼ マンション住民の備蓄リスト
非常用トイレ | 1日7回×家族の人数×7〜14日分を目安に準備 |
トイレットペーパー | 家族の人数分のロール数を目安に準備 |
ウェットティッシュ | 身体を拭く・食器を拭くなど水の節約になる |
カセットコンロ | ガス・電気が不通になった際の調理器具として利用 |
赤ちゃん用品 | おむつ・離乳食のレトルトパック・着替えなど |
介護用品 | おむつ・介護食のレトルトパック・着替えなど |
ペット用品 | ペットシーツ・ペットフードなど |
生理用品 | ナプキンやタンポンなど |
乾電池・ソーラーパネル・蓄電池 | 電気が不通になった際に利用 |
ラジオ | 停電時の情報収集に利用 |
飲料水 | 3リットル×家族の人数×7〜14日分を目安に準備 |
食料品 | 缶詰、アルファ米、粉末プロテイン、カップ麺、お菓子など |
医薬品・サプリメント | 普段服用している薬やビタミン剤など |
救急箱 | ばんそうこうや包帯など |
ゴミ袋 | 排泄物やゴミの処理用に45L×50枚以上 |
ヘルメット | 非常時に頭を保護するために利用 |
ライター・チャッカマン | 火が必要な場合に利用 |
ナイフ・缶切り | 食材を切ったり、缶詰を開けたりするために利用 |
国内で大きな災害が起こった直後は災害時用の備蓄を用意する方が多いですが、時間が経つにつれて備蓄を用意しなくなる方が増えるため、常に地震に対する危機管理ができるとよいです。
【地震対策4】地震保険に加入する
地震でマンション本体に大きな損害がなくても、室内では、家財(家具、家電など)が損害を受けるリスクが高くなります。
あるいは、マンションが倒壊はしなくても、一部損壊したり、窓ガラスや玄関ドアなどが損害を受けたりすることもあるでしょう。
リスクに備えるためには、地震保険に加入しておくと安心です。地震による建物・家財の損害が補償されます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
関連:マンションの地震保険は加入するほうが良い?補償内容やメリット・デメリット加入する必要性を解説
マンションの助成制度とは?耐震の診断や改修をおこなう制度
前章では地震対策を解説しましたが、地域によって耐震化のためのマンションの助成制度があることも覚えておいてください。
例えば、東京都では1981年5月以前の旧耐震基準のマンションの場合、耐震化をおこなう市区町村に対して、マンションの耐震診断や耐震改修などの助成制度があります。
東京都以外にも、マンションの耐震化の助成制度を設けている地域はあるため、調べておくとよいでしょう。
これからマンションを買うなら?地震に強いマンションの選び方を紹介!
マンションを買う人にとっては、「地震に強いマンションの選び方」が最も知りたい点ではないでしょうか。
地震に強いマンションを選ぶうえでチェックしてほしいポイントをご紹介します。
新しいマンションであれば、新しい耐震基準に適合しているため、耐震性はあると考えられます。
▼ 建築年月日(認可申請日)と建築基準法で定められた耐震基準
1981年5月以前 | 旧耐震基準:震度5程度の揺れで倒壊しない |
1981年6月以降 | 新耐震基準:震度6〜7程度の揺れで倒壊しない |
一方、注意が必要なのは、中古マンションです。特に1981年以前に建築されたマンションは、慎重に耐震性を判断するべきでしょう。
とはいえ、専門家でないと耐震性の正確な判断は難しいのも事実です。よって、専門家に「耐震診断」を依頼するケースもあります。
例えば、一般財団法人 日本耐震診断協会に依頼すると、専門家の耐震診断を受けられます。
また、中古マンションを耐震性で見極める際に確認すべきポイントは、以下の記事をご覧ください。
マンションの地震が起きたときに安全な階とは?3階以下がおすすめ!
マンションを選ぶ際に、「マンションは何階が地震に安全ですか?」と不動産屋に聞いた経験がある方もいるかと思います。
マンションで地震が起きたときに安全な階を選ぶなら、3階以下の部屋がおすすめです。
マンションは上の階の方が地震の揺れが大きく、階段での避難が大変になります。
しかし、3階以下の部屋であれば、地震の揺れが小さく、階段での避難もスムーズに行えます。
地震が起きたときに安全な階のマンションを選びたい場合には、3階以下の部屋を選ぶようにしましょう。
マンションでの地震に関する2つの注意点とは?シミュレーションや引越しの検討をしておこう
最後に、マンションでの地震に関する注意点として以下の2つがあるので、お伝えします。
- 日頃から地震が起きた場合のシミュレーションをしておく
- 建物の耐震性に不安があるなら引越しも検討する
以下では、マンションでの地震に関する2つの注意点をそれぞれ解説します。
【注意点1】日頃から地震が起きた場合のシミュレーションをしておく
1つめの注意点は「日頃から地震が起きた場合のシミュレーションをしておく」ことです。
この記事を読んでくださった方は、「マンションで地震が起きたとき」のことを、読む前よりもずっとリアルにイメージできるようになったのではないでしょうか。
ですが、時間が経つと危機管理意識も薄れてしまいます。ぜひ定期的に、「地震が起きたらどうするか」をシミュレーションし、いざというときにサッと行動できる状態をキープしましょう。
家族全員が同じ認識を持てるよう、定期的に家族で避難訓練をおこなうのもおすすめです。
【注意点2】建物の耐震性に不安があるなら引越しも検討する
2つめの注意点は「建物の耐震性に不安があるなら引越しも検討する」ことです。
本文中でもご紹介したとおり、室内の地震対策は今すぐにおこなえますが、マンションの建物自体の耐震性や地盤に問題がある場合には、個人でできる対策はありません。
建物の耐震性に不安があるのであれば、思い切って引越しを検討するのも、ひとつの手です。
高い出費にはなりますが、いざというときの安心には変えられないため、家族で話し合って決めるのが良いでしょう。
まとめ
大地震が起きた場合、マンションで考えられるリスクは以下の3つです。
- 倒壊する可能性は建築年とマンションの構造によって異なる
- 高層マンションは大きく揺れる危険がある(長周期地震動)
- 地上へ移動できなくなる危険がある(高層難民)
マンションにいるときに大きな地震が発生したら、落ち着いて身を守るための行動を取りましょう。
また、大地震が起きたときには、マンション住民は避難所に行かず、在宅避難がおすすめです。在宅避難をおこなうために必要な備蓄を、日頃から行っておきましょう。
家具・家電の固定や避難経路の確認など、今すぐおこないたいマンションの地震対策をやっておくことをおすすめします。
マンションを買う方は「地盤」と「耐震構造」をしっかりチェックし、地震に強いマンションを選んでみてください。
マンションは、ポイントさえ押さえて必要な対策をすれば、大地震でも大きな損害を受けることなく切り抜けられる可能性が高い住居です。
必要な対策をしっかり行って、いざというときに備えましょう。
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