マンションの外観は重要!資産価値への影響とチェックポイントを解説
「マンションの外観(見た目)」は非常に重要です。
なぜならば、外観の良し悪しが「資産価値」にも大きな影響を与えるからです。
外観のよいマンションは、中古市場でも売れやすく、それほど目減りせずに売却できる傾向があるのです。
例えば、外観にこだわりのあるブランドマンション等の場合、10年後に売却した場合の騰落率は、平均でマイナス2%~プラス2%程度であることがわかっています。
マンションの資産価値というと「立地」や「駅までのアクセス」などがクローズアップされがちですが、将来的に売却する可能性があるならば、マンションの外観もしっかりチェックしておきましょう。
外観のいいマンションを購入するメリットは以下の2点です。
- 高値で売却しやすい
- 売却時に「買い手」が見つかりやすい
本記事では「マンションを購入するときに外観もチェックするべき理由」について解説すると共に、チェックする際のポイントについても解説します。
記事を読めば「マンションの外観をどこを見ればいいのか」わかるので、スムーズに物件探しをスタートできます。
それでは早速ご覧ください。
【こんな方におすすめの記事です】
- マンションの外観は「資産価値」の観点で考慮するべきなのか?知りたい
- マンションの外観で「チェックするべきポイント」を知りたい
マンションの外観が重要な2つの理由
先述の通り、マンションの外観が重要な理由は2つあります。
- 高値で売却しやすい
- 売却時に「買い手」が見つかりやすい
1つずつ、解説していきますね。
1-1高値で売却しやすい
外観がいいマンションは「=リセールバリューで高値がつきやすくなる」という傾向があります。
「リセールバリュー」とは、一度購入したものを約10年後に再度売り出した時の価値のことをいいます。
不動産であれば「中古マンションの10年後の価値」を指します。
分かりやすい事例が「有名ブランドのマンション」です。
有名ブランドマンションは、内観や立地だけでなく「外観」にもとことんこだわりを貫いており「洗練された美しい見た目」に定評があります。
そのような特徴があるブランドマンションは、中古になっても、価格がそれほど下がらないことがわかっています。
以下の表をご覧ください。
2001年~2013年に売り出された新築のブランドマンションが、2014年時点で「どれくらい物件価格が上下しているのか(=騰落率)」の平均値がわかります。
ブランドマンションの騰落率ランキング | ||||
順位 | ブランド名 | 騰落率 | 平均面積(㎡) | 取引棟数 |
1 | アルス(東急不動産) | 1.90% | 67.9 | 35 |
2 | ザ・パークハウス(三菱地所レジデンス) | 1.30% | 72 | 226 |
3 | ブリリア(東京建物) | 1.00% | 72.5 | 64 |
4 | プラウド(野村不動産) | 0.30% | 75.4 | 182 |
5 | ブランズ(東急不動産) | 0.00% | 68.9 | 48 |
6 | リビオ(新日鉄興和不動産) | ▲0.2% | 62 | 36 |
7 | グランスイート(丸紅) | ▲0.6% | 65.3 | 49 |
8 | ナイス(ナイス) | ▲2.1% | 67.2 | 70 |
9 | パークホームズ(三井不動産レジデンシャル) | ▲2.2% | 71.4 | 187 |
9 | コスモ(コスモスイニシア) | ▲2.2% | 76.7 | 132 |
見ていただくとわかる通り、ブランドマンションであれば騰落率がマイナス2%~プラス2%であることがわかります。
通常、新築マンションはどんなに状態がよくても、誰かが住んだ瞬間から「中古物件」となり、建物の価値が「マイナス10%以上下落」するのが一般的です。
つまり、平均5倍以上の差があるというわけです。価格が下がるどころか、上がる物件までありますから、まさに「雲泥の差」といえますね。
当然、マンションの資産価値を決定づける要素は「外観」だけではありませんが、物件の購入者は「外観の状態(見た目)」も少なからず考慮します。
外観がボロボロだったり古めかしいデザインのマンションは、選ばれづらい傾向にあるのはいわずもがなです。
そのため「売却時になるべく高く売りたい!」と考える方は、外観も重視してマンションを選びましょう。
1-2.売却時に「買い手」が見つかりやすい
外観のデザインが洗練されているマンションは「売却時に買い手が見つかりやすい」という利点もあります。
あなたがマンションを購入しようと考えた場合。
かっこよくて洗練されたデザインのマンションと、イマイチな外観のマンションでは、どちらを購入するでしょうか。
もし、値段や立地が同条件であれば「かっこよくて洗練された外観のマンション」ではないでしょうか。
外観がイマイチで「いつの時代の建物なんだろう」「メンテナンスが行き届いていなくてみすぼらしい」と思うようなマンションは、総じて人気がなく、なかなか買い手がつかないものです。
その結果、マンションを売るときに、相場よりも価格を下げなければならないリスクも生じるでしょう。
どうしても外観のイメージが先行して、建物の耐久性や耐震性などに、疑問符をつけられてしまうこともあるはずです。
というわけで、将来的に「マンションを売却する可能性」が少しでもある場合。
- スムーズに買い手を見つけたい
- より高く売りたい
と思うならば、外観も重要なポイントです。
マンションの外観でチェックするべき5つのポイント
マンションの外観を「資産価値」の観点でチェックする場合「みるべきポイント」が5つあります。
ポイントは以下の通りです。
- 劣化しにくい外壁材を使用している
- 外観にヒビや汚れがない
- マンションに人気のカラーを採用している
- 魅力的な「植栽」が植えられている
- 人目につきやすい「共用部」も外観の一部
1つずつ、解説していきますね。
2-1.劣化しにくい外壁材を使用している
「外壁材はどんな素材を使っているか」についてもチェックしておきましょう。
なぜならば、外壁材の種類によって「劣化のしやすさ」に違いがあるからです。
以下は、外壁材ごとのメンテナンス周期です。
年数が長い外壁材ほど、劣化しづらくメンテナンスや交換の頻度が少なくて済むため、長期間にわたって外観をきれいに保つことができます。そのため、売却時にも高値で売れる可能性が上がります。
総合的にはタイルが耐用年数・メンテナンス周期ともに優れておりオススメです。
どんな外壁材を使用しているか、マンションの管理者やオーナーに確認してみましょう。
外壁材とメンテナンス周期 | |||
外壁材の種類 | 耐用年数 | メンテナンス周期 | 特徴 |
タイル | 30~40年 | 20年 | 土や石が原料の外壁材。変色・腐敗・可燃のリスクがないため、耐久性にたいへん優れている。また、耐水性・断熱性・防汚性なども総じて高い。数ある外壁材のなかで、もっとも品質が安定している。 |
樹脂系サイディング | 20~30年 | 10~20年 | 塩化ビニール樹脂で作られた外壁材。日本ではあまり普及しておらず1~2%程度のシェア。軽量・変色しづらい・防火性があるなど、メリットが豊富。 |
ALCボード | 50~60年 | 10~15年 | ALCとは「軽量気泡コンクリート」のこと。珪石・セメント・石灰・発泡剤を混ぜて作られる。病院や高層ビルなどに採用されており、比較的耐久性が高い。しかし、防水性がないため、メンテナンス頻度は「防水塗料」に左右される |
金属系サイディング | 30~40年 | 10~20年 | ガルバリウムなどの金属でできた外壁材のこと。窯業系に次いで普及しているくらいメジャーな存在。ガルバリウム鋼板の場合、最長で35年くらいもつ。 |
木質系サイディング | 40年 | 10年 | 木材を使った外壁材のこと。ナチュラルで優しいデザインから人気を博している。その一方、防水性・防火性ともに低いため、定期的なメンテナンスを要する。 |
モルタル | 30年 | 8~10年 | セメントと砂利と水を混ぜて練り合わせた外壁材のこと。窯業系サイディングに次いで、シェアが高い外壁材(シェアは8.3%程度)。目地がないため、高級感を出しやすい。 |
窯業系サイディング | 30~40年 | 7~8年 | もっとも普及している外壁材の一つ(78.5%のシェア)。セメントや繊維質などが原料で、釜で高熱で焼いて形成する。耐火性に優れているが、防水性がないため、メンテナンス頻度が高め。 |
2-2.外観にヒビや汚れがない
先述の通り、マンションの外観においては「見た目のよさ」に加えて「定期的なメンテナンス」もたいへん重要です。
マンションの資産価値を大きく決定づけるのは「定期メンテナンスの有無」です。外観が手入れされていれば、物件の購入者にとってはプラスの評価になります。汚かったりボロボロだったりするマンションを購入したいと思う人は、そうそういませんからね。
もしも、外壁が朽ちた感じで、ヒビ割れ(クラック)が放置されていたり、砂やホコリ、黒ずみ、カビなどで汚れている場合には「必要最低限のメンテナンスしかしていない」可能性が高いです。
こういった場合、毎月の管理費や修繕積立金が安い場合が多いですが、相場よりも安い価格にしないとマンションが売れない場合も。結局のところ「損をする可能性が高い」というわけです。
というわけで「定期メンテナンスがしっかりされてそうか?」「外観にヒビや汚れがないか?」についても、しっかりチェックしておきましょう。
外観のチェックポイント
- 外壁(タイル)のひび割れが補修されず、そのままになっていないか?・外壁の塗装がホコリや砂などで汚れていないか?
- 鉄部はサビていたり、腐食していたりしないか?
- 手で触るとチョーキング(白っぽい粉)がつかないか?
- コンクリート部分はひび割れていたり、爆裂していたりしないか?
- 総合的に「美観が維持されている」と感じられるか?
やはり、メンテナンスが行き届いていて、外観からも清潔感が感じられるマンションに住みたいと思うのが、消費者心理というものです。
ですから、マンションの外観をチェックする際には「メンテナンスが行き届いているか」についてもチェックしてくださいね。
2-3.マンションに人気のカラーを採用している
将来的にマンションを売却するかもしれない人は「マンションの色」にもこだわりましょう!
というのも、マンションの色は「第一印象」を大きく左右するものであり「選ばれやすい人気の色」が存在するからです。
自分が好きだからといって、奇抜な色のマンションを選んだり、周りの環境と調和しづらい色を選ぶと、売却時に「なかなか買い手がつかない…」といったことにもなりかねませんので、注意しましょう。
おすすめなのは、以下の3系統の色です。いずれも、周囲の環境と調和しやすい人気のカラーです。
以下の中から、お好みの色のマンションを選ぶと、失敗が少ないでしょう。
マンションで人気のカラー | |
ベージュ系 | ベージュ系は、万人受けする無難なカラーです。白と同じように、「清潔感」が特徴の色ですが、白よりも劣化や汚れが目立ちづらい傾向があるためオススメです。 |
ブラウン系 | ブラウン系は、ナチュラルで落ち着いた雰囲気があり、誰からも愛される人気のカラーです。ベージュ系と同じく、汚れが目立ちづらいため、将来的に売却の予定がある方におすすめです。 |
グレー系 | グレー系は、ベージュやブラウンと同じく定番のカラーですが、よりモダンでスタイリッシュな印象を与えるカラーです。ベージュやブラウンよりもさらに汚れが目立ちづらいため、たいへんおすすめです。 |
2-4.魅力的な「植栽」が植えられている
これはマストの要件ではありませんが、最近では「自然に寄り添ったマンション」「美しい景観のマンション」が好まれる傾向にあります。
その際、大活躍するのが「植栽」です。
植栽とは、マンションの周囲に植えられている木々や草花のことを指します。
代表的なマンションの植栽は以下の通りです。
マンションで人気の植栽
- ヤマボウシ・カツラ
- シマトネリコ
- ソヨゴ
- ハナミズキ
- エゴノキ
- サルスベリ
- ツバキ
- ナンテン
植栽は「ご自身の満足度」が高まるだけでなく、リセールバリューを高く維持できる点でもおすすめなのです。植栽は、マンションが一気に華やかになるため、人気のブランドマンションでは定番の施策になっています。
上記のような植栽が植えられているか、ぜひチェックしてみてください。
2-5.人目につきやすい「共用部」も外観の一部
売却を視野に入れてマンションを購入したい場合、内見時に「マンションの共用部の状態」も併せてチェックしておくと、失敗が少ないです。
以下の箇所について、「汚れやゴミが目立っていないか?」「タイルのひび割れや塗装の剥がれが放置されていないか?」チェックしましょう。
- エントランス
- 廊下
- 階段
- エレベーター
- 集合ポスト
- 駐車場
- 駐輪場
より詳しく知りたい方は、「マンションの共用部分について説明しているこちらの記事」もご覧ください。
まとめ
いかがでしたか。
「マンションを外観重視で選ぶべき理由」や「外観のチェックポイント」などについて、理解することができたのではないでしょうか。
改めて、ポイントを整理します。
マンションを外観で選ぶべき2つの理由
- 高値で売却しやすい
- 売却時に「買い手」が見つかりやすい
マンションの外観でチェックするべき5つのポイント
【1】劣化しにくい外壁材を使用している
外壁材とメンテナンス周期 | |||
外壁材の種類 | 耐用年数 | メンテナンス周期 | 特徴 |
タイル | 30~40年 | 20年 | 土や石が原料の外壁材。変色・腐敗・可燃のリスクがないため、耐久性にたいへん優れている。また、耐水性・断熱性・防汚性なども総じて高い。数ある外壁材のなかで、もっとも品質が安定している。 |
樹脂系サイディング | 20~30年 | 10~20年 | 塩化ビニール樹脂で作られた外壁材。日本ではあまり普及しておらず1~2%程度のシェア。軽量・変色しづらい・防火性があるなど、メリットが豊富。 |
ALCボード | 50~60年 | 10~15年 | ALCとは「軽量気泡コンクリート」のこと。珪石・セメント・石灰・発泡剤を混ぜて作られる。病院や高層ビルなどに採用されており、比較的耐久性が高い。しかし、防水性がないため、メンテナンス頻度は「防水塗料」に左右される |
金属系サイディング | 30~40年 | 10~20年 | ガルバリウムなどの金属でできた外壁材のこと。窯業系に次いで普及しているくらいメジャーな存在。ガルバリウム鋼板の場合、最長で35年くらいもつ。 |
木質系サイディング | 40年 | 10年 | 木材を使った外壁材のこと。ナチュラルで優しいデザインから人気を博している。その一方、防水性・防火性ともに低いため、定期的なメンテナンスを要する。 |
モルタル | 30年 | 8~10年 | セメントと砂利と水を混ぜて練り合わせた外壁材のこと。窯業系サイディングに次いで、シェアが高い外壁材(シェアは8.3%程度)。目地がないため、高級感を出しやすい。 |
窯業系サイディング | 30~40年 | 7~8年 | もっとも普及している外壁材の一つ(78.5%のシェア)。セメントや繊維質などが原料で、釜で高熱で焼いて形成する。耐火性に優れているが、防水性がないため、メンテナンス頻度が高め。 |
【2】外観にヒビや汚れがない
外観のチェックポイント
- 外壁(タイル)のひび割れが補修されず、そのままになっていないか?・外壁の塗装がホコリや砂などで汚れていないか?
- 鉄部はサビていたり、腐食していたりしないか?
- 手で触るとチョーキング(白っぽい粉)がつかないか?
- コンクリート部分はひび割れていたり、爆裂していたりしないか?
- 総合的に「美観が維持されている」と感じられるか?
【3】マンションに人気のカラーを採用している
マンションで人気のカラー | |
ベージュ系 | ベージュ系は、万人受けする無難なカラーです。白と同じように、「清潔感」が特徴の色ですが、白よりも劣化や汚れが目立ちづらい傾向があるためオススメです。 |
ブラウン系 | ブラウン系は、ナチュラルで落ち着いた雰囲気があり、誰からも愛される人気のカラーです。ベージュ系と同じく、汚れが目立ちづらいため、将来的に売却の予定がある方におすすめです。 |
グレー系 | グレー系は、ベージュやブラウンと同じく定番のカラーですが、よりモダンでスタイリッシュな印象を与えるカラーです。ベージュやブラウンよりもさらに汚れが目立ちづらいため、たいへんおすすめです。 |
【4】魅力的な「植栽」が植えられている
マンションで人気の植栽
- ヤマボウシ・カツラ
- シマトネリコ
- ソヨゴ
- ハナミズキ
- エゴノキ
- サルスベリ
- ツバキ
- ナンテン
【5】人目につきやすい「共用部」も外観の一部
共用部のチェック
- エントランス
- 廊下
- 階段
- エレベーター
- 集合ポスト
- 駐車場
- 駐輪場
この記事が「マンションの外観」について知りたい方の参考になりましたら幸いです。