[図解]防音力の高いマンションとはを完全ガイド|16個のチェックポイント+防音対策
防音力の高いマンションとは、「壁」「床」「窓」の3つの防音性が高いマンションです。
そのため「防音力の高いマンションに住みたい」とお考えの場合は、物件選びのときにこの3つの要素の確認をおすすめします。
ただし、この3つの項目をマンションのスペック表でチェックするだけでは、防音力を確実に見極めるためには不十分です。なぜなら、そのマンションの防音力が高いかどうかには、部屋の位置や間取りなど、他の要素も多く絡んでくるからです。物件サイトに載っている情報や、内見の時に得られる情報だけでは、数ある要素を確認しきれません。
しかし、確認が不十分でうっかり防音力の低いマンションに入居してしまうと、後から近隣の方とのトラブルを引き起こしてしまい、またすぐに引っ越しを考える…ということにもなりかねません。
そんな残念な事態を防ぐため、この記事では、マンションの防音力を確実に見極めるためのポイントを、以下の3つのステップに分けて網羅的にお伝えします。
- 【STEP1】物件情報サイトで確認
- 【STEP2】不動産屋に直接聞く
- 【STEP3】現地の内見する
最後に、印刷して使用できるチェックリストもつけてありますので、活用してみてくださいね。防音力の高いマンションを確実に見つけ出すために、この記事を最後までお読みいただき、しっかり役立てて頂けますと幸いです。
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防音力の高いマンションとは
マンションの騒音トラブルを避けたいと考えた場合、まずは、そもそも防音力の高いマンションとはどんなものなのか気になるのではないでしょうか。
防音力の高いマンションとは、「壁」「床」「窓」の3つの防音性が高いマンションです。詳しくは以下の通りです。
1-1.マンションの防音性に影響する要素(1):壁
「音を通しにくい鉄筋コンクリート製の壁」で、「隣の住戸との間の壁が厚い」マンションは、防音力が高くなります。
なぜなら、壁は隣接する住戸とダイレクトに接している部分であり、音が伝わる大きな原因となるからです。壁が音を通しにくければ、その分隣の家の物音は聞こえにくくなります。
逆に、壁が音を通しやすい素材であったり、薄かったりすると、音がよく伝わるため、そういったマンションの場合は防音力が低くなってしまいます。
1-2.マンションの防音性に影響する要素(2):床
次に気を付けたいのが「床」です。壁と同様、「音を通しにくい鉄筋コンクリート製の床」で、「床が厚い」マンションを選ぶことが重要です。
当たり前ではありますが、上下の住戸と直に接している部分であるため、足音や物を落とした時の音などが伝わりやすいことが理由として挙げられます。床も壁と同様、音を通しやすい素材であったり、厚みが薄かったりすると騒音トラブルにつながりやすくなります。
1-3.マンションの防音性に影響する要素(3):窓
最後の要素は「窓」です。窓サッシの遮音性能が高かったり、防音仕様の窓ガラスを使用していたりするマンションですと防音力が高くなります。
なぜ窓が重要なのかというと、実はマンションで聞こえる音は、以下のような外部起因のものが多いためです。
- 目の前の道路や線路の交通騒音
- 道を歩いている人の声
- 周辺のチャイム
しかし窓サッシの外側は、多くの分譲マンションでは「共有部分」に該当することが多く、その場合はたとえ自分の購入した家であっても、住人が勝手に修理や工事をすることはできません。
そのため、最初から音を通しにくい窓サッシになっているマンションを選ぶことが重要になります。
このように、防音力の高いマンションは、「壁」「床」「窓」がしっかりしているという特徴があります。騒音トラブルに巻き込まれないためには、この3つの要素を満たすマンションを見抜くことが大切です。また、上記のポイント以外にも、騒音トラブルを低減させるためにチェックするべきポイントはいくつかあります。
そのため、次の章からは、実際に防音力の高いマンションを見極めるための方法を詳しくご紹介します。
防音力の高いマンションを見極めるための3STEP
防音力の高いマンションを確実に見極めるためには、以下の3つの段階でそれぞれ必要なチェックを行うことが大切です。
- 【STEP1】物件情報サイト:防音力がわかる項目で絞り込む
- 【STEP2】不動産屋:調べないとわからないことは事前に質問する
- 【STEP3】現地の内見:建物や住人まで確実にチェックする
【STEP1】の物件情報サイトでは非常にたくさんの物件が掲載されているため、1つ1つ確認していると膨大な時間がかかってしまいます。そのため、今回ご紹介する、防音力をチェックできる便利な項目で、対象を一気に絞り込みましょう。
その後、良さそうな物件が見つかったら不動産屋に連絡をとり、書類等で知ることができる項目を確認するというのが【STEP2】です。その段階で防音力が低いことがわかれば、不要に内見に行く手間を省けます。
最後の【STEP3】は、内見に行ったときに確認する内容になります。室内だけでなく、エレベーターホールや駐輪場などの共有スペースまでチェックすることで、そのマンションの騒音がどの程度なのか推測することができます。
以上3ステップの具体的なチェックポイントについては、次の章以降で詳しくご紹介いたします。
【STEP1】物件情報サイト/防音力がわかる項目で絞り込む
物件情報サイトにはたくさんの物件が掲載されていますが、その中から防音性の高さで比較したいときは以下の項目を確認するようにしましょう。
サイトによっては検索絞り込みの項目の中に以下が設けられておりますので、チェックをして絞り込むと、1つ1つ目で見ていく手間を省けます。
チェック項目 | チェックポイント |
【1】構造 | 鉄筋コンクリート造を選ぶ |
【2】階数 | 上階の住人の足音や騒音が気になる方:最上階を選ぶ |
下階の住人に、自分たちの家族の物音で迷惑をかけたくない方:最下層(1階)を選ぶ | |
【3】部屋の位置 | 角部屋を選ぶ |
【4】住戸内で音が伝わりにくい間取りかどうか | リビングや寝室などの「居室」とトイレや浴室などの「水回り」の間に収納スペースがある間取りがおすすめ |
トイレと浴室が隣接した間取りがおすすめ | |
【5】隣接する住戸の音が伝わりにくい間取りかどうか | 隣接する住戸との接地面に収納スペースやキッチン、浴室等がある間取りがおすすめ |
隣人の住戸との接地面が少ない間取りがおすすめ |
【1】~【3】は、ほとんどの物件サイトの検索絞り込み条件の中に項目がありますので、物件選びの際にチェックを入れて絞り込みましょう。
その後、【4】【5】の項目を、目視でチェックするのがおすすめです。
それでは、なぜこれらの項目の確認が必要なのかについて、以下で個別に説明します。
STEP1-1.構造は鉄筋コンクリートを選ぶ
建物の構造は、防音力に非常に大きく関係します。構造は、「鉄筋コンクリート」を選ぶのが良いでしょう。
理由としては、以下のような構造の違いがあるためです。
STEP1-1-1.木造
木材は音を通しやすいため、他の構造と比較すると、防音性が低い傾向にあります。特に古い木造住宅では、壁そのものが薄いために、ご近所との騒音トラブルに悩まされることが多いです。
防音力を重視して物件を選びたいときは、木造の建物は避けるのが良いでしょう。
STEP1-1-2.鉄骨
鉄骨構造は、木造よりも音を通しにくいです。ただし鉄骨にも「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」の2種類があり、素材によって防音力が異なります。防音力を重視したい場合は「重量鉄骨」を選びましょう。
STEP1-1-3.鉄筋コンクリート
木造や鉄骨と比較すると、最も防音性が高いのが鉄筋コンクリートです。鉄の棒で強固な骨組みを作り、その中にコンクリートを流し固めているため、壁の密度が高く、音を通しにくいためです。
鉄筋コンクリートでも、材質や間取りによっては外の音が中に入ってきやすいこともあるため、鉄筋コンクリートなら絶対に防音力が高い、と言えるものではありません。しかし、他の構造と比較すると防音力が高い可能性は高いため、構造の項目では、鉄筋コンクリートの物件を選ぶようにしましょう。
STEP1-2.階数は最上階か1階を選ぶ
次に見るポイントは「階数」です。防音力の高さを重視する場合は、「最上階」もしくは「1階」を選びましょう。足音や床に物を落とした時の音などは、どうしても防ぐことが難しい場合もあるため、最初からそのリスクのない部屋を選ぶのがおすすめです。
ここでは以下のように、自分が他の住人の音に悩まされたくない場合と、逆に自分の家族の足音などで他の住人に迷惑をかけたくない場合の2パターンに分かれます。
STEP1-2-1上階の住人の足音や騒音が気になる方
上に住戸がない最上階を選びましょう。当たり前のことではありますが、上階に住人がいなければ上からの物音が気になることはありません。
下階の住人に、自分たちの家族の物音で迷惑をかけたくない方
下に住戸がない最下層(1階)の部屋を選びましょう。走り回りたくなる年頃の子供がいる場合でも、下の階の住人に気兼ねすることなく暮らせます。
STEP1-3.部屋の位置は角部屋を選ぶ
3つ目のポイントは、部屋の位置です。両脇に住戸がない「角部屋」を選ぶと音が漏れにくいためおすすめです。
角部屋であれば、上下左右に住戸がある場合と比べて、隣接する住戸が半分、もしくは1/4に減ります(最上階や最下層の場合)。
そうすると、自分の家族の声やTVの音、楽器や音楽の音などが漏れて迷惑をかけてしまう住戸の数もその分減りますし、逆に隣人の音に悩まされたくないという場合も、そのリスクを減らすことができます。
STEP1-4.住戸内で音が伝わりにくい間取りを選ぶ
次にチェックしておきたいのは、間取りです。実は間取りも、音の伝わりやすさに大きく影響する項目です。以下の2種類の間取りは、住戸内で音が伝わりにくいため、確認しておくと良いでしょう。
STEP1-4-1.リビングや寝室などの「居室」とトイレや浴室などの「水回り」の間に収納スペースがある
この間取りは、水回りで発生する音を収納スペースや中の荷物(布団や衣類がベスト)が吸収・緩和してくれるため、住戸内部での音が響きにくくなります。
STEP1-4-2.トイレと浴室が隣接した間取り
音の発生する場所を1か所にまとめられるため、あちこちから騒音が聞こえるという状況を避けることができます。
STEP1-5.隣接する住戸の音が伝わりにくい間取りを選ぶ
隣の住戸との間取りも重要な確認ポイントです。ただし物件サイトには隣の間取りまでは載っていない場合も多いため、そんなときは【STEP2】で不動産会社に聞いてみましょう。
隣接した住戸同士で音が伝わりにくいのは、以下のような間取りです。
STEP1-5-1.隣接する住戸との接地面に収納スペースやキッチン、浴室等がある
住戸内の物音が、収納スペースやキッチン、浴室などに吸収されるため、伝わる音の大きさを緩和することができます。
STEP1-5-2.隣人の住戸との接地面が少ない
自分の部屋が、隣の住戸ではなく、階段やエレベーターなどの共用部と接している場合は、隣人の生活音を気にする必要がなくなります。ただし、逆にエレベーターや階段部分の音が気になってしまうという可能性もあるので、内見のときにチェックしてみましょう。
【STEP2】不動産屋/調べないとわからないことは事前に質問
【STEP1】の条件を満たす物件が見つかったら、次は以下の項目を不動産屋に確認しましょう。
チェック項目 | チェックポイント |
【1】壁構造 | 隣の住戸との間の壁に、割れ目やコンセント・スイッチ等がない |
隣の住戸との間の壁のコンクリートの厚みが18cm以上である | |
隣の住戸との間の壁の表面の仕上げ方法が「クロス直貼り方法」である | |
壁の遮音等級が「D-55」以上である | |
【2】床構造 | 床材が防音フローリングである(「LL-45」以下) |
床のコンクリートの厚さが20cm以上である | |
二重床の場合は中の空気層を大きくするなど遮音性を高める工夫がされている | |
【3】窓サッシ | 窓サッシの遮音性能が「T-2」以上である |
窓ガラスが防音仕様の合わせガラスである | |
【4】管理規約 | ペット禁止である |
楽器演奏禁止である | |
リフォームする際の規約に床材の遮音等級がLL-45以下と定められている | |
【5】住民の家族構成や生活スタイル | 子育て世帯が少ない |
ペットを飼っている世帯が少ない |
内見時にその場で質問しても、資料を調べないと答えがわからないことがあるため、事前にメール等で質問しておくとスムーズです。
STEP2-1.壁構造
会話やテレビの音などの伝わりやすさに影響しやすいのが、壁の構造です。以下のポイントに注意して選びましょう。
STEP2-1-1.隣の住戸との間の壁に、割れ目やコンセント・スイッチ等がないこと
壁に隙間があると、そこから隣の住戸の音が伝わる可能性があるため、隙間がない構造のほうが防音力は高いと言えます。
STEP2-1-2.隣の住戸との間の壁のコンクリートの厚みが18cm以上であること
壁の厚さは竣工図(しゅんこうず)という、実際に施工した図面で確認可能です。18cm以上あれば比較的音を通しにくいです。ただし、水回りの壁の場合は、18cmの場合静かな時間帯ですと水を流す音が漏れる可能性はあるため、20cm以上あればより安心できます。
また、隣が住戸ではなくエレベーターなどの場合は、機械音が漏れる可能性もありますので、25cmほどあると理想的でしょう。
STEP2-1-3.隣の住戸との間の壁の表面の仕上げ方法が「クロス直貼り方法である」こと
クロス直貼り方法とは、壁のコンクリートにクロスを直接貼るという方法で、遮音性が優れるとされています。これに対して避けたいのは、「GL工法」という二重構造に仕上げる方法です。これは、GLボンドという接着剤で、壁のコンクリート面に石膏ボードを貼りつけ、そのボードにクロスを貼るという方法のことです。
こうすると、コンクリートとボードの間に空間ができてしまい、振動を通しやすい状態になり、特定の周波数の音が共鳴して音が大きく伝わる「太鼓現象」が起こることがあります。そのため、「GL工法」ではなく、「クロス直貼り方法」の壁の物件のほうが、防音力が高いと言えます。
STEP2-1-4.遮音等級が「D-55」以上であること
隣の部屋の音がどのくらい伝わるのかを測る基準に「遮音等級」というものがあります。これは日本建築学会による基準で、D-55以上(数値が大きいほど遮音性が高い)の場合は、防音性が高い壁になります。
STEP2-2.床構造
マンションで生じる音トラブルは、隣同士よりも上下階のほうが、足音や物を落とした時の音が直接的に響くため、より気になるのではないでしょうか。上下階の音の伝わり方に最も影響するのが床の遮音性です。以下のポイントをチェックしましょう。
STEP2-2-1.床材が防音フローリングであるか
防音フローリングとは、床で発生した音を伝わりにくくする性能の床材を使用しているフローリングのことです。
JAFMA・日本複合・防音床材工業会では、軽量床衝撃音(スリッパの足音や、スプーンなどの軽いものを床に落としたときのような軽くて高い音)の遮音性を測る基準として、「LL-55」以下(数値が小さいほど遮音性が高い)を防音床材としており、さらにその中でも「LL-45」以下が望ましいとしています。
そのため、「LL-45」以下の防音フローリングの物件ですと理想的です。
STEP2-2-2.床のコンクリートの厚さが20cm以上であるか
床の厚さも竣工図(しゅんこうず)で確認が可能です。20cm以上の厚みのある物件を選びましょう。
STEP2-2-3.床の構造が二重床の場合は中の空気層を大きくするなど遮音性を高める工夫がされているか
床の構造には、「直床」と「二重床」の2種類があります。遮音性については、その種類だけで一概にどちらが良い、と決めることはできません。
直床とは、コンクリートの床の上に直接フローリングを張るもので、飛び跳ねるなどして床に生じた振動がダイレクトに下に伝わりやすいと言われています。しかし、前述の条件(防音フローリング、床のコンクリートの厚みが20cm以上)が満たされていればそこまで気にならないこともあります。
一方、二重床とは、コンクリートの床とフローリングの間に空間をとり、二重構造になっているものです。その分下階との間に距離がとれるため遮音性が高いとも言われますが、余分な空間ができることで、特定の周波数では音が大きく伝わる「太鼓現象」が起こりやすくなります。
これを解決するために、中の空気層を大きくする、床のコンクリート自体の厚みを厚くする(20cm)などの工夫がされている物件もあります。そのため、二重床構造の場合はそういった工夫がなされているか確認すると良いでしょう。
STEP2-3.窓サッシ
窓は壁よりも厚みが薄いため、外の話し声や交通騒音、他の家のピアノの音などが伝わりやすくなります。そのため、窓サッシや窓ガラスの防音性能もきちんとチェックしておきましょう。
STEP2-3-1.窓サッシの遮音性能が「T-2」以上である
JIS規格で定められたサッシの遮音性能を示す基準があり、その値が「T-2」以上であれば、工業地域レベルの外部騒音も、気にならないレベルまで下げられます。閑静な住宅街の場合は「T-1」でも問題ないこともあります。
STEP2-3-2.窓ガラスが防音仕様の合わせガラスである
合わせガラスとは、2枚のガラスの間に防音フィルムを挟むことで、ガラスの振動・共鳴を抑えるというものです。
STEP2-4.管理規約
静かな環境で過ごせるかどうかは、そのマンションの住人がどの程度音を出すか、に大きな影響を受けます。実際に住んでみないとわからない部分もありますが、マンションの管理規約で一部を確認しておくことはできますので、以下をチェックしましょう。
STEP2-4-1.ペット禁止である
ペット禁止の場合は、ペットによる騒音に悩む心配はなくなります。
STEP2-4-2.楽器演奏禁止である
楽器が禁止されている場合も、他の家のピアノの音などが漏れてくるという事態を避けられるでしょう。
STEP2-4-3.リフォームする際の規約に床材の遮音等級がLL-45以下と定められている
規約で床の防音性の確保が定められている場合、住人が勝手に遮音性の低い床にリフォームすることはできないという点で一定の遮音性が確保できることになります。
STEP2-5.住民の家族構成や生活スタイル
そのマンションに居住している住民の家族構成や生活スタイルも、音トラブルの有無に関係します。音の原因となるのは、子供やペットであることが多いため、以下の2点を確認すると良いでしょう。
STEP2-5-1.子育て世帯が多いかどうか
子供が発する音が気になるという方は、子育て世帯の少ない物件を選んだほうが静かに暮らせるでしょう。
ただしご自身も子育て中の場合は、同じような世帯が多いと、自分だけうるさいと言われてトラブルになることは避けられるでしょう。
STEP2-5-2.ペットを飼っている世帯が多いかどうか
ペットの鳴き声や物音が気になる場合は、ペットを飼っている世帯が少ないほうが良いでしょう。
ただしこちらも同様に、ご自身がペットを飼いたい場合は、同じようにペットを飼っている世帯の多い物件のほうが気兼ねなく過ごせます
ご自身と同じような生活をしている住民が多いほうが、互いに理解がありトラブルに発生しにくいため、その点を確認するようにしてみましょう。
【STEP3】現地の内見/設備や周辺環境をチェック
1と2の条件をチェックした結果良さそうな物件が見つかった…そうなったら次はいよいよ内見です。書類上は良さそうな物件でも、実際に見に行くと意外と騒がしかった…ということもあります。最後にしっかり細部まで確認して、防音力の高さを見極めましょう。
内見時のチェックポイントは以下の5点です。
チェック項目 | チェックポイント |
【1】自分が普段部屋にいることが多い時間帯に内見 | 音の聴こえ具合が許容できる範囲である |
【2】窓を開けた状態と閉めた状態で音の聴こえを確認 | どちらの状態でも許容できる範囲の音である |
【3】窓の外の環境を確認 | 近くに大きな道路や線路や踏切がない静かな環境である |
【4】部屋の中心で手を叩いて確認 | 音が室内に響いている |
【5】壁をたたいた時の音を確認 | 低く詰まった音が返ってくる |
【6】ゴミ捨て場や駐車場、郵便ポストのマナー | 秩序正しく清潔に保たれている |
具体的にどういうことなのか、以降で詳しく説明して参ります。
STEP3-1.普段在宅することが多い時間帯に内見して音の聴こえ具合を確認
内見のときは、自分が普段部屋で過ごすことの多い時間帯を選びましょう。
多くの住人が仕事や学校などで家にいない時間帯である昼間に内見しても、普段から静かであるかどうかは確認することができません。飲食店が多いエリアや学校が近いエリアなどは、曜日によって周囲の環境が変わることもあります。
普段自分が多くの時間を過ごすであろう時間帯に内見するようにしましょう。
STEP3-2.窓を開けた状態と閉めた状態で音の聴こえを確認
窓サッシの遮音性は【STEP2】で確認していますが、実際に内見のときに自分の耳でも確認しましょう。
閉めた時の遮音性がいくら高くても、窓を開けっ放しだとうるさ過ぎて生活できない、というようなエリアでは、1年中窓を閉め切って暮らさなければなりませんので、窓が開いているときの状態でも許容できるレベルかどうか、事前にチェックしておくことが大切です。
STEP3-3.窓の外の環境を確認
静かな環境で過ごせるかどうかには、窓の外の環境も重要です。近くに大きな道路や線路や踏切がある場合は、どうしても騒音が発生してしまいます。また、地上との距離が近い場合には、道で話している人の声が聞こえることもあります。
全ての部屋で窓の外をチェックし、大きな音が発生する環境ではないか確認しましょう。
STEP3-4.部屋の中心で手を叩いて確認
部屋の中心で手を叩くことでも、部屋の防音性を確認できます。
手を叩いたときに音が響いた場合には、音が外へと漏れずに跳ね返っていることが考えられるため、防音性が高いと言えるでしょう。
一方で音があまり響かなかった場合には、音が外に漏れていることが考えられるため、防音性が低い可能性があります。
STEP3-5.壁をたたいた時の音を確認
隣の住戸の音や部屋同士で音が伝わりやすいかどうかを確認する方法として、壁の内部の構造をチェックすることも大切です。見た目ではわかりませんが、壁の内部の密度が低い場合は、音を通しやすいためです。
内見時に不動産屋に許可をもらい、壁を握りこぶしで軽くトントンとたたいてみましょう。低く詰まった音が返ってくれば、密度が高くしっかりとしたコンクリート壁で、遮音性が高いと考えられます。
逆に、裏側に空洞があるような軽く高い音がした場合は、密度の低い壁の可能性があるため注意が必要です。
STEP3-6.ゴミ捨て場や駐車場、郵便ポストのマナーを確認
そのマンション全体として、大きな音を出しても平気というような雰囲気があると、のちのち騒音トラブルに悩まされる可能性があります。
内見の時間は限られており、ずっと住民をチェックできるわけではありませんので、以下の3つのポイントで住民のマナーを確認するようにしましょう。
STEP3-6-1.ゴミ捨て場
ゴミが散乱していたり分別がきちんとなされていない場合は住民がルーズである可能性があります。
STEP3-6-2.駐車場や駐輪場
こちらも、車の下に空き缶や雑誌がポイ捨てしてあったり、自転車が倒れてそのままになっていたりしないか、確認しておきましょう。
STEP3-6-3.郵便ポスト
チラシが下にポイ捨てしてあったり落書きが多かったりいというようなことがないか、事前に確認しましょう。
ダウンロードして使える!防音力の高いマンションの選び方チェックリスト
防音力の高いマンションの選び方について、3つのステップに分けてご紹介しました。防音力を見極めるポイントをご理解いただけたのではないでしょうか。
項目が多かったので確認漏れがないか心配、という方のために、ダウンロードして使えるチェックリストをご用意しました。実際に物件探しをするときに利用して、確認漏れを防止してくださいね。
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マンションでできる防音対策
マンションでできる防音対策として、以下の3つが挙げられます。
- 床にカーペットやマットを敷く
- 壁や窓に厚手のカーテン・防音カーテンを使用する
- 家具の配置を工夫して置く
次に、マンションでできる防音対策について、それぞれ解説します。
防音対策-1.床にカーペットやマットを敷く
椅子の音や足音対策として、床にカーペットやマットを敷いておくと良いでしょう。
特に、子どもが走り回るような場合には、厚手のカーペットやマットを敷くことがおすすめです。足音対策になるだけでなく、子どもが転んだ場合のケガ対策にもなります。
椅子の下にカーペットやマットを敷きたくなければ、椅子足カバーを使っても良いです。
防音対策-2.壁や窓に厚手のカーテン・防音カーテンを使用する
外からの音を遮るために、壁や窓に厚手のカーテン・防音カーテンを使用しても、防音対策になります。
カーテンを変えるだけで対策できるため、手軽に外からの音を防げることが特徴です。
また、厚手のカーテンには遮音性があるだけでなく断熱効果もあるため、電気代の節約にも繋がる可能性があります。
防音対策-3.家具の配置を工夫して置く
家具の配置を工夫することも、防音対策の効果が期待できます。
例えば、隣の部屋と接している壁側にテレビや背の高い棚を配置することで、防音対策ができます。
テレビを隣の部屋と接している壁側に配置したとしても、テレビの音は正面に進むようになっているので、隣の部屋がテレビの音でうるさくなることはないでしょう。
まとめ
マンションの防音力の高いマンションとは、「壁」「床」「窓」の3つの防音性が高いマンションのことです。
そして、防音力を見極めるためには、以下の3つの段階でチェックしましょう。
- 【STEP1】物件情報サイト:防音力がわかる項目で絞り込む
- 【STEP2】不動産屋:調べないとわからないことは事前に質問する
- 【STEP3】現地の内見:建物や住人まで確実にチェックする
また、物件を見極めるだけでなく、自身でできる防音対策をしておくこともおすすめです。
本記事を参考に、防音力のあるマンションを見極めて見てください。
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