1000件リノベした一級建築士が必ず事前に伝える中古マンションリノベの注意点
中古マンションのリノベーションを検討しているけれど、実際に進めるにあたって心配ごとはありませんか?
実は中古マンションのリノベーションには各ステップで注意点があります。場合によっては後戻りできない項目もあるため、実際に中古マンションリノベーションをスタートする前に、全ての項目をチェックして準備・予習を行うことをおすすめします。
1,000件以上の物件に携わってきた一級建築士としての経験から、中古マンションリノベーションに共通する注意点や見落としがちなポイントを一覧表にまとめました。
「一覧表」をクリックすると、別タブでpdfデータとして閲覧することも可能です。
この記事を読んで備えることができれば、実際に動いていくときには不安を感じることなく各ステップをクリアしていけるでしょう。
ぜひこの記事を保存してお役立てください。
【最重要注意点】予算は中古マンション購入費とリノベーション費用の合計で”最初”に明確にすること
中古マンションを購入してリノベーションをする場合、予算はマンションの購入費用とリノベーション費用の合計で最初に出しておきましょう。
主な理由は4つです。
・使っていい予算を知らないうちにオーバーして最悪自己破産
・ローン上限で希望のリノベーションができない可能性がある
・住宅ローンを1つにお得にするため
・審査提出が遅くて他の人に物件を取られる可能性あり
これらを避けるために、2つの行動をおすすめします。
1つ目はファイナンシャルプランナーにライフプランの作成を依頼し、住まいに使っていい全体予算を把握すること。
2つ目は、リノベーション会社へコンタクトをとることです。自分のやりたいリノベーションがはっきり綿密にわかっている場合は、見積もり型のリノベーション会社で費用感を確認しましょう。
自分たちがどんなリノベーションをしたいか設計担当に相談しながら進めたい場合は、パッケージ型や定額制のリノベーション会社に費用の中でどんなリノベーションができるのかを相談しましょう。
では費用合計をすべき理由について詳しく見ていきましょう。
1-1.家に使っていい予算をいつのまにかオーバーして最悪自己破産も
リノベーション費用が思った以上になり、ローンの返済が苦しくなったり、最悪の場合は家を手放し、なおかつ自己破産ということもありえます。中古マンションを購入してリノベーションをする場合、最後までどの程度の金額が必要なのかがわかりにくくなっています。
幸せのツールとして住まいというものが存在するのに、日々の暮らしが苦しくなるのは本末転倒です。最初に、合計した費用がどの程度になるのかを算出しておきましょう。
上の表は年収ごとの返済可能な金額を表しています。これはあくまでも目安のため、厳密に返済可能額を算出するならばファイナンシャルプランナーなどにライフプランを作成してもらうことをおすすめします。
1-2.ローン上限で希望のリノベーションができない可能性
中古マンションの購入でローン枠を使いすぎてリノベーションの費用の一部分しかローンに通らない可能性があります。中古マンションを買った時点でローンの限界がきていて希望のリノベーションができないとなると最悪の場合、古い内装のままの暮らしになってしまう可能性もあります。
リノベーション費用を算出してくれる会社の選び方については6章をご覧ください。
1-3.ローンを1つにお得にするため
最初に中古マンションとリノベーションの費用合計を出しておけば、リノベーションの費用も住宅ローンに入れることが可能です。
以前は中古マンションは住宅ローン、リノベーションはリフォームローンという2つのローンを組む必要がありました。
しかし今は、銀行によっては、リフォームやリノベーションの費用まで住宅ローンに入れられるようになっています。
リフォームローンは金利が高く返済期間も短いため、金利が低い住宅ローンで組むことをおすすめします。そのためにはリノベーションの費用が出ていないとローン審査に出せないため、最初にリノベーション会社に費用を算出してもらうことをおすすめします。
1-4.ローン審査提出が遅くて物件を取られる可能性がある
購入したい中古マンションが見つかったら、素早くローン審査へ動くべきです。しかし、リノベーション費用も住宅ローンで組もうとした場合、費用の算出を早く行ってもらう必要があります。リノベーション費用の算出に時間がかかると、その間に別の人に物件を購入されてしまう可能性があります。
中古マンションの費用のみでローン審査に出す場合はすぐに審査へ動けるため問題ありませんが、その場合は、あとからリノベーションのためのローンを組む必要があります。また、この場合、リノベーションに必要な費用が全額ローンで通るとは限らず、金利が比較的高くなり返済期間も短い傾向にあるため注意が必要です。住宅ローン1つで組みたいと思っている場合は、リノベーション費用の算出を先に行っておきましょう。
以上の4つの理由から、マンションの購入費用とリノベーションの費用の合計を最初に算出しておきましょう。リノベーション費用を算出してくれる会社の選び方については6章をご覧ください。
中古マンション内見のとき
気になる中古マンションを見つけたら現地に行くことになります。リノベーションをする場合は、確認すべきポイントや知っておくべきポイントがいくつかあり、
中の壁が解体できるか
窓交換はできない
玄関交換はできない
追い炊き機能の有無
オール電化への対応
最上階の制約
管理規約のリノベーション制約
などです。
また、個人での確認が難しい場合もあるため、大前提として、リノベーションのことがわかる不動産屋と一緒に見学に行きましょう。通常の不動産屋の場合、リフォームやリノベーションの知識はないことが多く、担当者の言葉を鵜呑みにしてしまったがために、希望のリノベーションができなかったということもありえます。
2-1.部屋の中の壁が解体できるか
問題点:理想の間取りにできない可能性
解決策:間取り図の柱型を確認
マンションの部屋と部屋を区切っている壁が解体できるかどうかは、マンションの構造によって決まります。日本には主に、ラーメン構造と壁式構造という2つの構造があり、95%はラーメン構造で作られています。
ラーメン構造の場合は四隅などに四角の柱型があり、それでマンションを支えているため、部屋を区切る壁は構造とは関係ないため、解体することができます。
壁式構造は、壁の1つ1つが構造体のため、解体することができず、現状の壁を活かしたリノベーションを行います。
構造のチェックは、間取り図を見て、四隅に柱があるかどうかでチェックする方法と、現地で壁を叩き、響くような軽い音がするかどうか(響く音がすれば解体できる可能性が高い)で確認することができます。
2-2.窓は交換できないので二重サッシで対応
問題点:見栄え・外の音・結露
解決策:二重サッシで対応
窓は勝手に交換することができません。中古マンションの窓やサッシは共有部扱いのためです。そのため、古さが気になる場合は、内側に窓を取り付け二重サッシにする方法で対応します。
写真はアルミ窓の内側に白い窓を新たに取り付けています。二重サッシは防音性能が非常に高く、内側の結露も防ぐ効果があります。また、古い窓枠を目立たなくさせるため、デザイン的にもリノベーションとの相性は良いといえます。
窓の印象がイマイチというときは二重サッシを検討しましょう。なお、リノベーションの設計段階で設計担当の二重サッシをつけたいと要望を伝えましょう。
2-3.玄関ドアは交換できないので塗装かシートで対応
問題点:見栄え
解決策:内側は塗装やシートで綺麗に
玄関ドアは勝手に交換することはできません。玄関ドアも窓と同じく共有部扱いのためです。ただし、ドアも専有部側(部屋側)を塗装したり、シートをはってキレイにすることは可能です。
写真の事例もドアの内側を塗装しています。また、故障などがあれば、管理組合に問い合わせ対処方法を確認しましょう。
2-4.最上階の制約は物件を変更
問題点:天井までの高さを増やせない
解決策:別の物件を検討
最上階の場合、天井を解体して天井を高くすることができません。断熱材が詰められているためです。
リノベーションをする場合、開放感を増やすために既存の作り天井を解体し、コンクリートの天井をむき出しにするケースが非常に多いのですが、最上階の場合は外からの寒暖の影響が大きいため、天井には断熱材が入っています。
そのため、作り天井を残す必要があります。高い天井がゆずれない価値観として自分たちにあるならば、最上階を避けて物件を探しましょう。
2-5.管理規約のリノベーション制限の確認
問題点:水回りの移動不可などの可能性
解決策:別物件を検討・制限内リノベ
マンションの管理規約にリノベーションやリフォームについての制限がないか確認しましょう。マンションによっては、水回りの移動不可、フローリングの使用不可(カーペット以外禁止)、長期間の工事不可、など、様々な規約が設けられている場合があります。
不動産仲介担当に管理規約の制限について確認してもらいましょう。また、制限が厳しい場合は別の物件を検討するか、制限に則ったリノベーションを行う必要があります。
2-6.その他見逃しがちなポイント
その他の見逃しがちなポイントとして下記の2つがあります。
追い炊き機能の有無
オール電化などへの対応
それぞれ確認していきます。
2-6-1.追い炊き機能の有無
問題点:後から機能追加は困難
解決策:浴室リモコンから確認
お風呂の追い炊き機能があるかどうかを確認しましょう。お風呂のリモコンなどから確認することができます。追い炊き機能はリノベーションやお風呂のリフォームで後から追加することが難しい設備です。
給湯器へお湯を運ぶ管が通常よりも1本多い必要があります。管はお風呂からバルコニーに設置されている給湯器に繋がりますが、一度マンション外壁を通ります。
マンションの外壁には新たに穴をあけることができないため、使われていない穴がない限り、今追い炊き機能がない物件は、追い炊き用の管を通すことができないため、追い炊き機能を新たにつけるといったことは難しいといえます。
2-6-2.オール電化などへの対応
問題点:変更できないマンションも
解決策:管理会社に確認
キッチン設備をIHに変更したい場合や、逆に現状IHでガスコンロにしたい場合などは見学時に変更が可能かどうか不動産仲介担当に確認をとりましょう。物件によっては、変更が難しい場合もあります。また、オール電化しかNGな物件もあり、災害時には全てストップしてしまうリスクがあります。
ワンストップのリノベーション会社に依頼しない場合は気になる物件が見つかった時点でリノベーション会社に見積もり依頼を出しておくことをおすすめします。
見積もりが出れば住宅ローンにリノベーション費用を入れることが可能な銀行を選ぶことができます。また、物件契約が済み引渡しが行われると、住宅ローンがスタートします。賃貸との二重支払い期間を最小限にするためにも、この段階でリノベーション会社を抑えておきましょう。
中古マンション購入のとき
中古マンション購入のタイミングで注意したいのは以下の3つです。
リノベーション費用を住宅ローンに入れられる銀行を選ぶ
設計工事期間はローンの金利分支払いだけになるよう交渉を依頼
すぐに設計をスタートできるようにしておく
それぞれ解説していきます。
3-1.リノベーション費用を住宅ローンに入れられる銀行を選ぶ
問題点:総支払額を減らす・管理が簡単
解決策:仲介担当に依頼
住宅ローンにリノベーション費用を入れられる銀行を選びましょう。理由としては、リフォームローンなどより住宅ローンは一般的に金利が低く、1つのローン管理だけで手間が省けるからです。最初にお伝えした通り、リノベーションにいくら必要なのかを算出しておきましょう。
3-2.設計工事期間はローンの金利分支払いだけになるよう交渉を依頼
問題点:二重支払い期間に現金が枯渇
解決策:仲介担当に依頼
住宅ローンの支払いをリノベーション設計と工事の6ヶ月程度の間、金利分の支払いだけで済むよう銀行と交渉してもらいましょう。一部の不動産仲介会社であれば交渉可能です。金利分の支払いだけになれば、今の家賃との二重支払い期間も現金の心配が少なく済みます。
3-3.二重支払い期間削減のためすぐに設計をスタート
問題点:二重支払い期間を最小限に
解決策:仲介担当・設計担当に依頼
中古マンションの契約が済んだらすぐにリノベーション設計をスタートしましょう。そうすることで、家賃と住宅ローンの二重支払い期間を最小限にすることができます。
ワンストップリノベーションの会社の場合、社内で連携がとれているため、物件の契約後、スムーズに設計をスタートすることができます。
また、設計がすぐに始まってもいいように、好みのデザインや間取りに対しての要望をまとめておきましょう。デザインアイデアをストックするのにhouzz(ハウズ)というアプリがおすすめです。
リノベーション設計のとき
リノベーションの設計がはじまったときに注意すべきポイントは下記の5つです。
設計担当にはイメージや要望を具体的に伝える
包み隠さず設計担当に願いを伝えよう
間取りは最初に作り込むより余白を残しましょう
予算がオーバーしたら優先順位に沿って決めよう
ショールームではオプションに注意
それぞれ確認していきましょう。
4-1.設計担当にはイメージや要望を具体的に伝える
問題点:満足度・設計期間の短縮
解決策:画像保存・要望のリスト化
リノベーションのイメージや要望は具体的に伝えましょう。これにより、設計期間を最小限にし、二重支払い期間を短縮することができます。伝えるイメージとしては、美容室を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。
写真で髪型のイメージを伝えたり、髪の手入れをあまりしないで済ませたい、長く保つ髪型にしたい、など、要望が具体的なほど美容師さんも具体的な提案をしてくれます。
リノベーションも、どんなキッチンがいいか、収納の量、個室の有無、掃除のしやすさ、子供の様子が見守りやすい空間、など、様々な要望があるかと思います。
なるべく具体的にイメージするためにも、画像を保存しておいたり、要望を書き出しておいたりと、自分たちのイメージを打ち合わせ当日までにまとめておきましょう。
4-2.包み隠さず設計担当に要望を伝える
問題点:満足度・設計期間の短縮
解決策:快適に暮らすための住まいづくりを意識
設計担当には自分たちの要望を隠さず伝えましょう。
例えば、片付けや掃除が苦手であることや、休日は外に出たくない、料理はあんまりしない、見せたくないものは全部収納に入れておしゃれさを簡単に維持したい、などなど、なかなか伝えにくい要望もあるかと思いますが、最初から全て設計担当に伝えましょう。
これらの要望を隠してしまうと担当者も困惑し、自分たちもなかなか満足する間取りやデザインに仕上がらないため、打ち合わせが頓挫してしまいます。目的は、自分たちが快適に暮らすための住まいづくりです。ぜひ、要望は全て設計担当に伝えましょう。
4-3.間取りは最初に作り込むより余白を残しましょう
問題点:後々住みにくさを感じる可能性
解決策:設計担当に未来を想定して 間取り作成を依頼
間取りは最初に作り込み過ぎないよう注意しましょう。今のベストの間取りは将来のベストの間取りとは限りません。そのため、余白を残しておくことをおすすめします。
例えば、子供がまだ2〜3歳程度の場合、子供部屋は最初からつくらなくても、欲しくなった時にあとから追加で作ることもできます。子供部屋を最初から用意すると、納戸として使ってしまったり、引きこもる習慣ができてしまったりする可能性があります。
それならば、今はフリースペースとして使い、必要になったときに壁を追加工事で建てた方が効率的です。つくり込みすぎると予算もそれだけ必要になります。ある程度余白を残し、つくり込み過ぎないようにしましょう。
4-4.ショールームではアップグレードやオプションに注意
問題点:リノベーション費用の圧迫
解決策:設計担当に設備予算上限を確認
ショールームでは設備のアップグレードやオプションに注意しましょう。リノベーション費用が大幅にアップしてしまいます。リノベーションの費用の中でキッチンやお風呂といった大型設備は大きな割合をしめています。
これらの細かい仕様を決めるためにショールームに行く必要がありますが、どうしてもグレードが1つ上のものを選んだり、オプションを大量につけてしまったりといったことが起きます。現物がいくつも並んでいると、一番高いグレードのものがかっこよく見えてしまうものです。
そのため、設計担当に事前に、どの程度の金額に納めておけばいいのかを確認しておき、その金額を超えないようにショールームの担当に都度確認をしましょう。あるいは、ショールームの担当に金額を伝え予算の範囲で設備を見せてもらいましょう。
4-5.予算オーバーしたら優先順位に沿って決めよう
問題点:満足度
解決策:(例)譲れないものは100% 残し、他を思い切り削るなど
見積もり段階になって予算がオーバーしている場合は、ゆずれない順に決めていきましょう。好みにもよりますが、どの要素も50%くらいの満足度に落ち着かせるよりも、譲れないものを100%で残し、下位のものを思い切って切り捨てるほうが満足度が高い傾向にあります。
また、現金に余裕がある場合は、住宅ローンの枠とは別に追加費用としてリノベーション金額自体をあげるという方法もあります。
リノベーション工事のとき
工事が始まってからの注意すべきポイントは下記の5つです。
クレーム回避のため近隣住民に挨拶をしよう
解体後にプラン変更になることも
色・設備の位置は現地で決めよう
現地に行くときは設計担当に相談しよう
引渡し時は、設備の稼働・汚れや傷がないかチェック
それではそれぞれについて確認していきましょう。
5-1.クレーム回避のため近隣住民に挨拶をしよう
問題点:長期間工事でクレームも
解決策:工事スタート前に上下左右斜め8戸へ挨拶
工事の前に近隣挨拶を済ませておきましょう。リノベーションの工事は2.5〜3ヶ月の期間が必要となる長い工事です。そのため、近隣の方には迷惑がかかります。
多くの場合、マンションの掲示板などには工事のお知らせが貼られ周知されますが、それとは別に上下左右斜めの8戸のお部屋の方には工事が始まる前に挨拶を済ませておきましょう。
多少の音の文句もこれからお隣りさんになる人である場合は我慢してくれることもあります。引っ越しをしたらいずれにしても挨拶をすることになります。今のうちに挨拶を済ませておきましょう。
5-2.解体後にプラン変更になることも
問題点:工事期間延長・追加費用
解決策:変更可能性の想定、40~50 万円程度を確保
解体してみてマンション建設当時の図面と現場で差があり、追加の費用が必要になったり、プランの一部が変更せざるおえないといったことになる場合もリノベーションには多々あります。
お風呂の位置が動いたり、想定よりも寝室が狭くなったりすることもあります。もちろん、プランよりも広く確保できる場合もありますし、想定よりもプランのクオリティが上がることもあります。
プランの変更はリノベーションをする場合にはつきものとなります。どのリノベーション会社に相談しても、「解体して見ての確認ですね」という説明が入るかと思います。そのため、そういったこともありうるということを想定して臨むべき部分です。
想定しておくことで、設計担当との打ち合わせもスムーズになり、工事期間への影響を最小限にとどめることができます。今までの経験上では工事期間への影響は一週間程度、費用が発生する場合、50万円程度を想定しておけばほぼ対応できるかと思います。
5-3.色・設備の位置は現場で決めよう
問題点:想定外の完成物を避ける
解決策:設計担当に現地確認を依頼
壁の色や設備の設置位置は現地で確認してきめましょう。設計の打ち合わせ時に色見本を見て色を決めますが、現地で塗ってみると変更したくなる場合もあります。
また、トイレットペーパーホルダーなどの位置は左右の壁のどちらにつけるかや高さなど、実際に便座に座りながら決めるのがベストです。
現場の職人さんにおまかせで取り付けることもできますが、「こっちがよかった」と後悔しないようになるべく自分の目で見て決めましょう。そのためにも、設計担当には設備の取付時には呼んでくださいとアナウンスをお願いしておきましょう。
5-4.現場に行くときは設計担当に相談しよう
問題点:工事がストップする可能性
解決策:設計担当に事前連絡
工事現場を見に行きたいときは設計担当に必ず事前に確認をとりましょう。現地で動いている職人さんたちは、見学が入るときは、怪我防止のために、資材や工事道具を片付ける必要があります。
急な見学の場合、工事の手も止まってしまい工事期間が伸びてしまう可能性もあるため事前に設計担当に見学したい日程を伝えましょう。
5-5.引渡し時は、設備の稼働・汚れや傷がないかチェック
問題点:住んでから追加工事の可能性
解決策:上記リストの設備を確認
工事が完了すると引渡しになります。最後のチェックとして設備がしっかり動くか、汚れや傷がないかをチェックしましょう。
照明のスイッチやコンセント、水、お湯がでるか、リモコンパネルは正常に動作するかなど、使い始めてからだと土日に工事が入り拘束されてしまうため不便を感じます。引っ越す前に全ての設備を確認して、不備がない状態でお引っ越しをしましょう。
手間を省ける「ワンストップリノベーション会社」の選び方
1章でお伝えした中古マンション購入費用とリノベーション費用を合算すべき理由は下記の通りです。
・使っていい予算を知らないうちにオーバーして最悪自己破産
・ローン上限で希望のリノベーションができない可能性がある
・住宅ローンを1つにお得にするため
・審査提出が遅くて他の人に物件を取られる可能性あり
これらを手間なくクリアできるのが、不動産仲介からリノベーションの設計施工までを一社で引き受けてくれる「ワンストップリノベーション会社」です。その理由をご説明します。
6-1.ワンストップリノベーション会社がおすすめな理由
手間が省けて責任の所在がはっきりしやすいため、ワンストップのリノベーション会社をおすすめしています。
ワンストップの会社は物件探し(住宅ローンや資金相談を含む)、リノベーションの設計、施工、アフターフォローまで1つの窓口で完結するサービスを提供しています。
不動産部門とリノベーション部門の連携がされているため、日程調整や書類提出の手間も最低限になります。中古マンションの検討段階からリノベーションの見積もり、設計、工事までが1つの会社で完結するため、責任の所在なども明確です。手間を省くならばワンストップリノベーションの会社から選びましょう。
さらに手間を省くならば、広さでリノベーション費用が決まる料金プランを採用している会社がおすすめです。
なぜなら見積もりスピードが早いためローン審査に迅速対応できるからです。
最初にお伝えした通り、リノベーション費用の見積もりをとっている間に、他の人がローン審査を提出し、買いたい物件を取られてしまうこともあります。
見積もりが早ければローン審査もスムーズです。また、予算が明確なため、後からリノベーション費用が大幅に上がる可能性も低く、安心感があります。これらの理由から、広さでリノベーション費用が決まるワンストップのリノベーション会社をおすすめしています。
不動産会社で仲介を済ませ、リノベーションのみの依頼のお客様が過去にアスベストの除去のために400万円の出費となった例があります。リノベーションをすることを前提とせず細かな説明がなされなかったせいで、リノベーションに不向きの物件を購入してしまったという例です。他にも、水回りの移動がNGだったり、フローリングがNGだったりと制約のあるマンションも世の中にはあります。
仲介会社とリノベーション会社が同じであればノウハウが蓄積されているためリノベーションに向いているかどうかの判断が可能ですが、そうではない場合、責任の所在がうやむやになってしまうこともあります。責任の所在や自由にリノベーションをするためにもワンストップリノベーションの会社を選びましょう。
まとめ
実際に動き始めたときにも注意点を都度確認して、後悔のない住まい購入を目指しましょう。