【東京】中古マンション購入のおすすめエリア10選と相場
東京で中古マンションを購入するとき、まず「どのエリアに住むか?」を考える人は多いはずです。今回は人気エリアを中心に、ファミリー層におすすめできる東京の市や区、街(駅)を、目安となる中古マンション購入価格の相場とあわせてご紹介していきます。ぜひエリアについて考えるときの参考にしてください。
宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟
宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。
ファミリーにおすすめの東京エリア10選と相場
東京で中古マンションを買うとき、特にファミリーにおすすめしたい10のエリアを紹介します。
1-1.府中市
東京都のほぼ中央に位置する府中市は、人口約26万人の緑豊かなエリア。
東西を走る京王線に加えてJR武蔵野線、JR南武線が伸び、多数の路線バスも運行しています。他のベッドタウンと比べて市内に拠点を置く企業が多く、職住が近いのも特徴。公園、プール、図書館、子ども家庭支援センターなど子育てしやすい施設も整備され、住民満足度が高いことでも知られています。
ファミリーにおすすめの街は京王線の府中、東府中など。府中は新宿まで特急で21分。駅周辺には大型商業施設や百貨店、スーパー、商店街などのショッピングスポットが充実しています。駅から少し離れれば閑静な住宅地が続きます。東府中は基本的に特急・準特急が止まらないものの、新宿や渋谷へは30分前後でアクセス可能です。
○中古マンション価格相場:3150万円前後(70㎡)
1-2.江戸川区
江戸川区は都内最東端の区で千葉県に接しています。
西に荒川、東に江戸川が流れ、都内でありながらのどかな雰囲気のエリアで、物価が安いのが魅力。葛西臨海公園、江戸川区自然動物園など家族で楽しめるスポットが多く、公園面積の広さは23区内トップです。
「乳児養育手当」など子育て支援のための行政サービスが充実しているのも評価できるポイント。
ファミリーにおすすめの街は都営新宿線の瑞江、篠崎、東西線の西葛西、京成本線の江戸川、京成小岩など。中でも西葛西は大手町から約15分と好アクセスで、金融系IT企業などに通うインド人が多く住むことでも有名です。駅前には大型スーパーや激安スーパーが並び、周辺にはマンションや大規模な住宅団地が立地。広々とした緑地や公園も充実しています。
○中古マンション価格相場:3340万円前後(70㎡)
1-3.練馬区
73万人超と、都内で世田谷区に次いで2番目に人口の多い練馬区。西武池袋線、西武新宿線、東武東上線、有楽町線・副都心線、大江戸線などが通り、都心部へはもちろん、隣接する埼玉へのアクセスも良好です。
一方で公園、農地、樹林なども多く、緑被率は24%と23区中トップ。住環境のよさにも定評があり、民間調査でも子育てしやすい街としてたびたび上位に挙がるなどファミリー層に人気です。
ファミリーにおすすめの街は大江戸線の光が丘、西武池袋線の石神井公園、中村橋、有楽町線(副都心線)の氷川台、赤塚など。例えば氷川台は地下鉄の有楽町線・副都心線が利用でき、池袋駅まで約5分、新宿駅まで約10分と交通が非常に便利です。環七、環八、川越街道という主要道路に囲まれるように閑静な住宅地があり、子育て世代が多く暮らしています。
○中古マンション価格相場:3660万円前後(70㎡)
1-4.調布市
調布市は23区の世田谷区に接し、多摩地区の南東部に位置する市です。
調布駅から新宿は15分の距離とアクセスが良好である一方、武蔵野の自然や歴史ある寺社が残るエリアでもあります。さらに大学の多い学園都市、映画関連企業が集まる映画の街、「味の素スタジアム」などを擁するスポーツの街という側面も。
住環境も整備されていて、調布駅周囲には多くのマンションが立ち、その周辺には一戸建ての住宅地が広がっています。
ファミリーにおすすめの街は京王線の調布、仙川、つつじヶ丘など。とくに調布は駅前の再開発が進み、2017年には駅ビルでありながら3館の商業施設を併せ持つ「トリエ京王調布」がオープン。
ショッピングセンター、家電量販店、シネコンが入り、休日には周辺駅からも訪れる家族連れで賑わっています。駅周辺を離れれば川原や大規模な公園など緑も豊富で、のびのびと育児ができる環境が整っています。
○中古マンション価格相場:3260万円前後(70㎡)
1-5.大田区
都内南東部にあり、多摩川と東京湾に囲まれている大田区。
約60平方kmという総面積は都内一の広さです。約500を数える公園、平和島・東調布・萩中公園と3箇所ある公共プール、城南島海浜公園のオートキャンプ場など、気軽に子供と出かけられる多彩なスポットがあるのも嬉しいところ。
蒲田や大森は庶民的なエリアという印象がありますが、一方で高級住宅街として知られる田園調布も大田区の北西に位置しています。
ファミリーにおすすめの街は東急東横線の田園調布、多摩川、京急本線の梅屋敷など。一戸建ての高級住宅が建ち並ぶイメージの田園調布には低層マンションも多く、閑静で落ち着いた雰囲気。
銀杏並木や駅から同心円状に伸びる街路など、美しい街並みが印象的です。梅屋敷は品川・川崎まで約15分、羽田空港まで約15分、JR蒲田駅にも近いというロケーション。商店街は活気があり、自然公園や海浜公園で子供を遊ばせることもできます。
○中古マンション価格相場:4,090万円前後(70㎡)
1-6.杉並区
23区西部の杉並区は、古くから住宅街として発展してきたエリア。
高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪などJR中央線沿線の街はファミリーとしてだけでなく若い層にも人気です。中央線以外に西武新宿線、丸ノ内線、京王井の頭線が走り、区の南端の京王線も利用可能。それら沿線駅ごとに商店街が形成され、公園など家族で楽しめるレジャースポットも豊富で、治安のよさでも知られています。
平成30年には「待機児童ゼロ」を達成したとして話題になりました。
ファミリーにおすすめの街は京王井の頭線の永福町、丸の内線の東高円寺、西武新宿線の井荻など。永福町は渋谷まで約8分の好立地で治安のよさが魅力。東高円寺は高円寺駅、中野駅からも比較的近く、蚕糸の森公園と周辺は緑が豊富。井荻にも井草森公園があり、ファミリー向けののどかな街並みが広がっています。
○中古マンション価格相場:4,670万円前後(70㎡)
1-7.世田谷区
約90万人と都内で最も人口が多い世田谷区。
23区の南西部に位置し、南側は大田区と同じく多摩川を挟んで川崎市と隣接しています。二子玉川、三軒茶屋、下北沢などは住みたい街ランキングでよく上位に名前が挙がり、高級住宅地のイメージが定着しています。
それを証明するように住宅環境が整備され、治安もよく、幅広い世帯が暮らしているのが特徴です。なお、区内にはJR線はなく、小田急線、京王線、京王井の頭線、田園都市線、世田谷線などが縦横に走っています。
ファミリーにおすすめの街は小田急線の喜多見、世田谷代田、田園都市線の用賀などです。いずれも世田谷らしい閑静な街ですが、例えば用賀は一戸建てや低層マンションに住むファミリーが多く、砧公園や馬事公苑があり、二子玉川も歩いて行ける距離。駅周辺の商店街もお店が多く充実しています。
○中古マンション価格相場:4,750万円前後(70㎡)
1-8.江東区
23区の東部、隅田川と荒川に挟まれた東京湾沿いに位置する江東区。
下町の雰囲気が残る界隈からウォーターフロントまで、古さと新しさが入り混じったエリアです。豊洲駅などの周辺にはタワーマンションが林立。
人口は36.8万人にまで落ち込んだ1997年からV字回復し、2018年には51万人を突破。区内には総武線、京葉線、有楽町線、東西線、半蔵門線、大江戸線などが走り、都心へのアクセスも良好です。
ファミリーにおすすめの街は東西線・大江戸線の門前仲町、半蔵門線・大江戸線の清澄白河、新宿線の西大島など。特に門前仲町は隅田川を渡れば中央区という場所にあり、大手町までわずか5分という好立地。それでいて杉並区や世田谷区に比べて割安の中規模マンションが見つかる可能性があります。
○中古マンション価格相場:4,320万円前後(70㎡)
1-9.文京区
東京大学など有名大学が集まり、大学病院も多くある文京区は、23区内で最も犯罪件数の少ない治安のよいエリアです。
全区域がほぼすっぽりと山の手線内に収まっているため都内のどこに行くにもアクセスに優れ、それでいて大通りから一歩外れれば意外に静かな住宅街が広がっています。
ただし、マンションの購入価格はやや高め。都内では新宿区よりやや安く、目黒区よりやや高いといった位置づけです。
ファミリーにおすすめの街は千代田線の根津、三田線の千石、有楽町線の護国寺など。根津は昔ながらの下町の風情が残る、上野公園に近いエリア。千石には六義園や小石川植物園があり、巣鴨駅も徒歩圏内。ファミリー層や女性に人気の高い高級住宅街です。護国寺はお茶の水女子大学や筑波大学付属高等学校など学校が多く、治安のよい静かな街です。
○中古マンション価格相場:5,520万円前後(70㎡)
1-10.品川区
東には東京湾に面した湾岸エリア、北には目黒川、南には大井競馬場などがある品川区。
高層ビルが建ち並ぶ品川駅は実は港区ですが、それ以外にも商業地区である大崎、繁華街の五反田、高級住宅街を形成する御殿山、再開発によって活気を見せる天王洲などの街が有名。
山手線、京浜東北線、埼京線、京急本線、大井町線などが利用できるので都内のどこに行くにも苦労することはありません。超高層ビルのイメージが強いものの、エリアによっては下町の風情も残っています。
ファミリーにおすすめの街は山手線などの目黒、京急本線の青物横丁、立会川など。目黒は南北線、三田線、目黒線などが利用でき、渋谷までは5分。オフィス街ですが、主要道路から一本入ると住宅街も広がっています。青物横丁は品川まで4分。商店街は活気があり、下町の雰囲気が残るファミリー向けの街です。
○中古マンション価格相場:5,210万円前後(70㎡)
人気エリアでも手の届くマンションもある
上でご紹介した10選の中には文京区や品川区、世田谷区など相場の高いエリアも含まれています。しかし、同じ中古マンションでも築浅ではなく、築30年程度のマンションなら同エリア内でも価格がぐっと下がっているケースがあります。
一般的にコンクリート造のマンションの「物理的」な寿命は100年以上といわれており、このことからも価格が安くなる築30年前後のマンションはお買い得と考えられます。
>>中古マンションは何年住める?「寿命と建て替え」3つのポイント
古いマンションにそのまま住むのは夢がないと思うのであれば、リフォームやリノベーションで自分たちの好みやライフスタイルにマッチした中身に作り変えられます。
築30年以上の中古マンション+リフォームという組み合わせを想定すれば、相場の高い人気エリアの物件も購入対象とすることができるでしょう。
間取りの変化については、「リノベーションでここまで変わる!ビフォーアフター10選」をチェック。
まとめ
ここまで人気エリアについて伝えてきました。ただし、マンション購入において最も重要なのは住まいに使っていい予算をしっかりと把握しておくことです。
住宅ローンを利用するときには「借りられる額」と「返せる額」にはかなりの差があります。マンション購入は一生に一度の大きな買い物だからこそ、堅実な判断が求められます。どのような予算を組むのがベストなのか、ファイナンシャルプランナーやお世話になっている保険屋さんにライフプランの作成を依頼することをおすすめします。
大まかな年収別の価格については、【年収別】住宅ローン目安表!その予算で住めるエリアは?広さは?をチェック。
東京のどのエリアのどんなマンションを購入するか。ライフプランを前提としながら、じっくりと検討をしてみてください。
中古マンション購入の全体像は【重要度順】プロがまとめた中古マンション購入の注意点5つでご確認ください。