マンションと一戸建てはどっちがお得?費用・立地・住みやすさを徹底比較!
「そろそろマイホームを購入したいけど、マンションと戸建てどっちがいいんだろう?」
「将来的なメンテナンス費用を考えるとコストがかからないのはどっち?」
住まいを計画しはじめると悩みだすのが「マンション」か「戸建て」かという選択でしょう。マンションだと立地条件の良い場所に住めそうな感じもするし、戸建てだと広さにゆとりが持てて庭も作れるかも・・・・・・。とあれこれ考えてなかなか判断できない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マンションにするか戸建てにするか迷っている人に向けて、どちらの家を選択するべきかの判断軸をご紹介していきます。
その判断軸とは「費用」「立地」「住み心地」の3つです。
これら3つの条件に沿ってマンションと一戸建ての特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説していきます。
本記事を読めば、あなたが大切にしたい価値基準が明確になりベストな住まい選びができるはずです。
宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟
宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。
マンションと一戸建てを比較するときの3つのチェック項目
冒頭でも触れたとおり、マンションと一戸建てで悩んだ時に比較するポイントは、「費用」「立地」「住み心地」の3つです。なぜこの3つが重要なのかを紹介していきます。
1-1.費用で比較する
無理な買い方をしてしまい、その後の生活が苦しくなってしまっては意味がありません。そのため、マンションと一戸建てを検討する際には両者の費用を比較するのではなく、「自分たちの予算」と比較するべきです。
つまり、まずはしっかりと「予算」を決めることが重要になります。予算があいまいだと、範囲が膨大に膨らみ過ぎて余計に迷ってしまい、ローンや頭金など住宅資金の計画も立ちにくくなります。
住宅ローンを利用する予定であれば、月々どのくらいなら返済できるのかを目安にしながら、自分の年収に合わせて無理のない返済計画を想定することが大切です。
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1-2.立地で比較する
立地は住まいを決める上で重要なポイントです。住んでから立地条件に不満が出てきたとしても、賃貸と異なり簡単に引っ越すことができません。そのため、どのエリアに住みたいか、どんな立地条件なら暮らしやすいか、将来的なライフスタイルの変化も想定しながら比較します。
マンションでも戸建てでも、駅近やスーパーが近いなど生活環境のよい場所は人気ですが、予算に限りがある場合、都市部ではマンションが候補になってくる場合もあります。
とはいえ、自然がある静かな環境で子育てしたいと考えているなら、郊外で戸建てを購入するという選択もでてきます。
どんな条件下に住居を構えるか、家族できちんと確認しあいましょう。
1-3.住み心地で比較する
住み心地とは、自分たちの生活スタイルによって左右されるものです。
例えばマンションの場合は、複数の家族が同じ建物に住んでいるため、隣や上階の生活音が聞こえる可能性があります。ただしマンションは集合住宅であるが故に、オートロックなどセキュリティ面での設備が充実しており防犯性が高いという利点もあります。セキュリティ対策を重視したい方はポイントになるでしょう。
一方、戸建ては木造であっても隣の生活音のストレスを感じにくく、広さも確保できる可能性も高くプライバシーも守られることが多いでしょう。しかし、駐車場や庭、外構などを自分たちでメンテナンスする必要があります。
また、町内会への参加が求められるケースも多く、行事への参加など近所付き合いも考慮する必要があります。どちらがよいかは、広さや生活音、防犯面などを自分たちのライフスタイルもと照らし合わせて考えてルのが良いでしょう。
マンションと一戸建ての「費用」を比較
マンションと一戸建ての費用を比較するとき、差が出やすいのは初期費用とランニングコストです。それぞれ費用の内訳と共に詳しく確認していきましょう。
2-1.マンションと一戸建ての「初期費用」を比較
マンション、戸建てとも新築の場合に必要な初期費用を表にまとめました。
火災保険料および不動産を購入したときにかかる登録免許税は、金額に差があるもののどちらも共通してかかる費用です。
大きく異なるのが、戸建ての土地購入にかかってくる仲介手数料や建築時に必要となる地盤調査費や改良工事費、祭事などの費用です。一軒家となると場合によっては土地に対してかかる費用もでてきます。そのため、地盤改良工事は工法にもより費用が異なりますが、比較的安価な表層改良で30万円ほどが目安になります。
一方、マンションの特徴的な初期費用は、修繕積立金です。外壁や玄関などの共有部分で、大規模修繕など将来的にメンテナンスが必要になることを想定した積立金のことを指します。
初期費用で比較してみると、一戸建ての方が初期費用は割高です。
住宅購入には、物件価格の他に手続き等にかかる諸費用がかかります。諸費用は新築マンション3〜5%程度、新築一戸建て5〜10%程度を準備しましょう。
諸費用の内訳について詳しく知りたい方は、次の関連記事をご覧ください。
中古マンション購入の諸費用は物件代金の10%が目安【内訳を全公開】
2-2.マンションと一戸建ての「ランニングコスト」を比較
マンションと一戸建てのランニングコストを比較したものを表にまとめました。
30年間のランニングコストをシミュレーションした結果、車が必要ない家庭ではマンションと一戸建てで大きく差がないことがわかりました。
維持費で比較すると「戸建ては駐車場代がかからない」ように見えますが、実際は土地代として駐車スペースを購入しているため、出費のタイミングが異なるだけと捉えることもできます。
各費用について詳しく知りたい方は、次の関連記事をご覧ください。
マンションの維持費は高い?月額・年額の目安と一戸建てとの比較も解説
2-3.マンションと一戸建ての「管理費用と手間」の関係
マンションと一戸建ての管理費用を比較するとき、単純に費用のみで比較するのではなく、手間についても考慮することが必要です。
維持費の金額はほぼ同じですが、出費の仕方と管理方法には違いがあります。マンションは固定費として維持費を支払い続ける義務がある代わりに、管理の手間はかかりません。
一方、一戸建ては自分で費用をある程度コントロールできる代わりに修繕に対して精神的な負担がかかります。いつ修繕しようか、費用の見積もりは問題ないか、不安がつきまといそうな人はマンションの方が向いているでしょう。自分で管理する方が経済的だし楽だという人は一戸建てが向いています。
では、2章「費用」のポイントのおさらいです。一戸建ての方が初期費用で20〜30万円程度多くかかりますが、その他はほぼ変わらないと考えてよいでしょう。
マンションと一戸建ての「立地」を比較
マンションと一戸建ての選択をする場合、自分たちが住まいにどのような環境を求めるかによってかわります。利便性を優先したいのか、学区にこだわりたいのか、勤務先に近い場所がよいのかなど、重視するポイントはさまざまだと思います。
その中でも立地を比較する時のポイントとしては「住宅のストック数」と「利便性」です。この2つについて詳しく解説していきます。
3-1.マンションと一戸建ての「住宅ストック数」を比較
・全国的にはマンションと一戸建てのストック数に差は少ない
住宅ストック数(中古住宅の流通数)を比較すると、全国的にマンションと一戸建てであまり差はありません。ただし、東京都ではマンションが7割を占めており探しやすさに大きな違いが出ています。
都内に戸建てを買うのは流通数と費用の面で難しいかもしれません。しかし、一戸建ての割合が50%を超えている埼玉や千葉までエリアを拡大できれば、都心に近い場所でも一戸建てを探すことが出来そうです。
参考:国土交通省『既存住宅流通市場の活性化』14頁。
希望エリアに目星をつけたら、予算内でどのような物件が出てくるのか試しに物件検索サイトで調べてみましょう。もしここで良い物件が見つからなければ、エリアと物件条件に折り合いをつけていかなければなりません。
「良い物件が見つかるなら」と予算を上げたくなる気持ちは堪えて、物件種別や立地などの条件で調整することが大切です。
・都心は中古マンションが探しやすい
都心部では、比較的中古マンションの物件数が多く探しやすいといえます。首都圏での住宅販売戸数(新築・中古)を比較すると、中古マンションが全体の6倍近い量を占めていることがわかります。
マンション(新築・中古):208,978件
└ うち中古マンション:181,750件
※(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所調べ
マンションは好条件の物件であれば、賃貸並みのスピードで売れてしまうこともあります。都心でマンションを探す場合、流通数の多い中古マンションなら、短期決戦の中でも希望条件に近いものを比較的探しやすいと言えるでしょう。
とはいえ、都心部の新築マンションや一戸建てを買いたいという人は、予算を変えずにエリア等の希望条件を緩められるかどうかが家探しの勝ち筋になります。
3-2.マンションと一戸建ての「利便性」を比較
立地を考える際のもう一つの比較ポイントとして「生活利便性」と「交通利便性」が挙げられます。
通勤通学や買い物に便利な立地を重視するなら、マンションで探した方がやはり効率的です。反対に、多少アクセスが悪くても駅前の喧騒から離れて静かな暮らしを求めるなら一戸建ての方が向いています。
通常、駅近の立地にはマンションが建設されやすく、駅から離れた立地には戸建てが多くなる傾向にあるため、駅までの距離などの「交通利便性」と周辺環境や施設の有無など「生活利便性」に求める条件によっても探しやすい物件が異なってくるのです。
下のグラフは首都圏の新築一戸建てと新築マンションを比較し、駅徒歩分数別に物件数をまとめたものです。
マンション(青)は駅徒歩10分以内に多く、一戸建て(赤)は徒歩10〜15分のエリアに多いことがわかります。
参考:東京カンテイ「マンションデータ白書 2021」発表
中古市場にも同様の傾向があるでしょう。もし一戸建てを検討しているなら、競争率や価格帯を考慮して駅徒歩15分以上の立地は覚悟しておいた方が良さそうです。
ここまで見てきた「立地と利便性」のポイントをおさらいしましょう。表にまとめると次のような結果になります。
マンションと一戸建ての「住み心地」を比較
住み心地におけるマンションと一戸建ての最大の違いは「広さ」と「集合住宅かどうか」という点です。広くてプライベート感が強い一軒家と、コンパクトで設備が充実しているなど集合住宅のメリットを生かしたマンション、その違いを詳しくみていきましょう。
4-1.広さの違いによるメリット・デメリット
一戸建て最大の魅力といえば「広さ」ですよね。一方で、コンパクトなマンションならではの利点もあります。下の表に、広さの違いによるメリット・デメリットをまとめてみました。
吹き抜けを作るなど一戸建てならではの設計ができる一方で、その広さ故に家事負担が大きいというデメリットもあります。他方、マンションは戸建てに比べてコンパクトになりがちでもその分、家事効率が良いという利点があります。
家事の頻度など、求める生活スタイルは人それぞれです。家族の希望を出し合い、どちらがより快適に暮らせそうか考えてみましょう。
4-2.集合住宅かどうかによるメリット・デメリット
家の住み心地は、「集合住宅で他者と一緒に暮らす」のか「一戸建てに家族だけで暮らす」のかで大きな違いが生まれます。
プライベート感が強い注文住宅などの一戸建てと、一つの建物にそれぞれの住戸がある集合住宅のスケールメリットが生かせるマンション、それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
マンションと一戸建ての住み心地にはそれぞれ利点があります。
一戸建ては防犯や断熱性といった住宅性能でマンションに劣る点もありますが、家族やペットとのプライベートには変え難いと考える人もいるはずです。
それぞれのメリット・デメリットを頭に入れた上で本当に必要な利点を選びましょう。
4章「住み心地」のポイントをおさらいします。特徴を下の表にまとめてみました。
まとめ
マンションと一戸建てで迷ったときに比較すべき「費用」「立地」「住み心地」の3つについて、それぞれのチェックポイントをご紹介しました。
マンションと一戸建ての特徴を改めておさらいしましょう。
- 住宅戸数は全国的に見るとほぼ半々。
東京はマンションが7割なので、都心エリアで一戸建てを探すなら千葉や埼玉までエリアを広げる。 - 駅徒歩15分以内ならマンション、駅徒歩10分以上の静かな環境なら一戸建て。
- 広さを求めるなら一戸建てだが、広い分掃除などの負担も大きい。
- 生活音は一戸建ての方が気になりにくい。
- 防犯性、断熱性はマンションの方が高い。
- 高性能設備はほとんどが一戸建てにも設置可能。
- 初期費用は一戸建ての方が高くなる。
- ランニングコストはマンションと一戸建てでほぼ変わらない。
大切なのは、自分たちが住まいに対してどのような環境をもとめているのか、また、どのような暮らし方をしたいのかという点です。5年後、10年後などのライフスタイルも視野に入れながら、具体的な暮らしをシミュレーションして選択するようにしましょう。
しかし実際に物件を選ぶとなると「どの物件がいいのかわからない」「プロじゃないので判断が難しい」と不安に感じる人が多いのではないでしょうか。ゼロリノベでは、リノベーションのご提案はもちろん、安心して長く住むため、また将来の売却も視野に入れた中古物件の目利きも得意としています。
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