隠す収納で“生活感ゼロ”へ|空間別にわかる見せない収納のコツ&実例8選

毎日きちんと片づけているつもりなのに、気づけばテーブルの上に充電器や書類が集まり、キッチンには家電が並び、洗面台には細々した日用品が…。
そんな“生活感”は、実は「隠す収納」がうまく機能していないことが原因かもしれません。
隠す収納は、ただモノを見えない場所にしまうだけではなく、暮らしの動線や家族の使い方に合わせて「戻しやすい仕組み」をつくることがポイント。
リノベーションなら、造作収納や空間ごとの仕分けなど、住まいに合わせた隠す収納が実現できます。
この記事では、リビング・キッチン・洗面・玄関といった空間別に、“生活感ゼロ”を叶える隠す収納のコツと実例をご紹介します。
スッキリ整った暮らしに近づきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
隠す収納だけではなく、“見せる収納”とのバランスが大切
隠す収納の意義
隠す収納の目的は、「生活感をなくす」ことではなく、「暮らしを整える”仕組み”をつくる」ことです。次にあげるような”暮らしの質”に直結していきます。
・家事がしやすい
・散らかりにくい
・片付けが続く
・視界がスッキリして疲れにくい
髙橋見えなければ何でも良い、のではなく、家族が戻しやすい仕組みがあるかがカギとなります。
とはいえ「見せる収納」も人気がある理由
最近は、SNSやインテリアの影響もあり、”見せる収納”も人気が高いのも事実。
その理由は、
・好きな物を飾る楽しさ
・空間のアクセントになる
・取り出しやすい、といったメリットがあるから
・建具をつける費用を浮かせることができる
特に、食器・本・アート・観葉植物など”見せる価値があるモノ”は、あえて見せる方が空間のアクセントとなり、豊かなインテリア空間となります。
”見せる”と”隠す”の最適バランスとは?
結論からいうと、「日常で頻繁に使うモノ=隠す」「お気に入りで魅せたいモノ=見せる」という住み分けがベストです。
・インテリアとして魅せたいモノ(植物・アート・お気に入りの食器) → ”見せる収納”へ
・生活感が出るモノ(充電器・薬・書類・家電) → ”隠す収納”へ
こうすると、必要以上に物を隠すストレスがなく、暮らしやすさとデザイン性の両方が手に入ります。
隠す収納がうまくいく家=疲れない家
実際の暮らしでは、視界にモノが多いほど、「情報量が増えて疲れる」「”散らかっている感”が出る」という心理的負担に繋がります。
だからこそ、見せる収納は最低限に絞り、生活感の出るモノは隠す仕組みを作ることで、「片付けしやすい×視界が整う」ストレスの少ない家が実現します。
リビング~生活感が出やすい空間だからこそ、”隠す収納”が効果的
リビングが散らかりやすい理由
家族みんなが集まるリビングは、物が集まりやすい場所。
リモコンや充電器、子どものおもちゃ、書類、郵便物など…「一時的に置いたつもり」が積み重なり、気づけば生活感が溢れてしまいます。
もう一つの原因は、戻す場所が決まっていない or 戻しにくい収納 が潜んでいること。収納が遠かったり、開きづらかったりすると、どんなに片付けが得意な人でも続きません。
リビングを整える「隠す収納」のポイント
小物は”ワンアクション”で戻せる場所へ
引き出し付カウンター、チェストの浅型引き出しなど、小物の定位置をつくると散らかりにくくなります。
見せたくない配線は”造作で隠す”
テレビ周りや充電ステーションは、配線をまとめて隠す仕組みがあると一気に生活感が消えます。コンセントの位置を工夫するだけでも効果的です。
子供のおもちゃは”ざっくり入れるだけ収納”
細かく分類するより、ボックスに投げ込むだけのほうが片付けが続きます。家族みんなが参加できる仕組みが、すっきりをキープするコツです。
実例1 維持管理が楽な家






ゼロリノベのリノベーション施工事例
軽井沢の千住博美術館を手本にしたホワイトとグレーの空間。維持管理のしやすさに徹底的にこだわり、リビングの壁一面は全て扉付き収納、床は水拭きまでをお掃除ロボットに頼れるよう全面タイル貼りに。リビングから各所へ少ない動きでアクセスできるように動線も重視しました。
※費用は引き渡し当時の金額です
実例2 家族みんなが集まりたくなる空間






ゼロリノベのリノベーション施工事例
リビングを広くし、キッチンと一体化することで、家族全員が自然に集まりたくなる空間にリノベーション。子どもの姿が見え、料理や後片付けをみんなで楽しむことができるキッチン。玄関からリビング、小上がりまで一体化した動線が魅力な住まいです。
※費用は引き渡し当時の金額です



”何を隠すか”より”どこに隠すか”のほうが片付けが続くポイント。家族が自然と戻せる高さ・距離がポイントです。
キッチン~生活感が出やすい場所こそ”隠す工夫”が効果大
キッチンが散らかりやすい理由
キッチンは、家電、ゴミ箱、調味料や細かい道具、ストック品…など、”出しっぱなしになりやすいモノ”が多い空間です。
特に、背面収納やワークトップにモノが並ぶと、料理のしやすさにも直結してしまい、生活感が一気に強くなってしまいます。
キッチンを整える「隠す収納」のポイント
スライド扉で”家電ごと隠す”
使用頻度の高い家電は、扉を開ければすぐに使えて、終わったらそのまま閉じるだけのワンアクション収納が最適です。コンセント位置を内側に仕込むとそのまま家電が使えるので、さらに使いやすくなります。
”置く場所に困るゴミ箱”はカウンター下が正解
生活感の象徴でもあるゴミ箱は、カウンター下や造作ワゴンに納めると、見た目がスッキリします。動線を邪魔しないので、家事効率もアップします。
調味料や小物は”見せない棚”へ
オープン棚に置くと一気に生活感が出るため、扉付きの浅型棚や、引き出しの目線位置が便利です。”毎日使うものこそ隠せる場所に”がキッチンを整えるコツです。
パントリーで”ストック類を丸ごと隠す”
食材や日用品のストックは、見える場所に置くほど生活感が出やすいものです。限られたスペースであってもパントリーがあるだけで、背面収納の負担が減り、ワークトップの物量も一気に減るので、整ったLDKをキープしやすくなります。
実例3 造作キッチンで生活感を抑える






ゼロリノベのリノベーション施工事例
「家族構成の変化に対応できるように」と可変性のあるプランを採用されたご家族の住まい。可動式収納によって、必要な時には個室ができ、普段は広々としたリビングで生活できる仕掛けに。黒やグレーを差し色に空間を引き締めることで、シックで重厚感のある空間に仕上げました。
※費用は引き渡し当時の金額です
実例4 効率の良い動線を






ゼロリノベのリノベーション施工事例
前の住まいの疑問や不自由を解消する2軒目のリノベーション。家事ラク要素は贅沢に、サニタリーや収納はコンパクトにまとめることで、広大なリビングでのおうち時間がより一層豊かになる住まいを叶えました。施主様のおおらかな人柄を表すような懐深い間取りが、家族団らんの時間を包み込んでいます。
※費用は引き渡し当時の金額です



扉を”面”でつくると、一気に生活感が抑えられます。
特に造作キッチンは、背面収納・家電収納・配線隠しなど、住まいに合わせてまとめられるのが魅力。
詳しくは、別コラム『理想を叶えるキッチン 実例で見るデザインと暮らしやすさ』をチェックしてみてください。
洗面スペース~もっとも生活感が出やすい空間こそ、”隠す収納”の効果が大きい
洗面室が散らかりやすい理由
洗面周りは、家族の人数分の、スキンケア用品、歯ブラシ、タオル、ドライヤー類、セット用品、洗剤・日用品ストックなど、小物がとにかく多く、生活感が出やすい場所です。
さらに、オープン棚に置くと、色・形がバラバラなモノが視界に入り、雑然とした印象になりやすいのが大きな特徴です。
洗面スペースを整える「隠す収納」のポイント
ミラー裏収納で”小物はすべて隠す”
毎日使うスキンケア・歯ブラシ・メイク用品などは、ミラー裏に集約すると一気に生活感が消えます。湿気がこもりやすいので、モノを詰め込みすぎないことが大切です。
造作洗面台で”配線もまとめて隠す”
ドライヤー・ヘアアイロンの収納は、コンセント付きの造作下が最も使いやすくなります。扉内に配線を仕込むことで、ワークトップが常にすっきりした状態になります。



造作下台にコンセントを仕込むのは、住宅設計では一般的な仕様で、通気や電気工事が適切であれば基本的に安全性の心配はありません。詳しい仕様は設計士へ相談すると安心です。
タオル・ストックは”扉付き収納”に
タオル類は色が多く、出しておくと生活感が強くなりがちです。扉の中にまとめるだけで、空間に凹凸のない清潔感が生まれます。
洗面横に”サブ収納”を設けると家族でも使いやすい
洗面台本体の収納だけでは足りない場合、棚やリネン庫を追加すると、家族全員が片付けやすい動線が生まれます。
WICやパントリーのような”隣接収納”と動線をつなげる
洗面室は、脱衣・着替え・洗濯など、毎日の家事が集まる場所です。そのため、WIC(ウォークインクローゼット)やリネン庫が近くにあるだけで収納が一気に楽になる間取りになります。肌着・タオル・スキンケア用品などの収納が隣接していることで、”戻す・取り出す”が最短距離になり、散らかりにくさもアップします。パントリーが隣接していれば、洗剤等のストック類の収納を兼ねることも可能です。
実例5 家事楽を極めた動線×収納






ゼロリノベのリノベーション施工事例
気持ちのいい眺望に負けないくらいの開放感!空間に視線の抜けをつくる室内窓や、動線も考慮して斜めに配した造作キッチンは、広さを目一杯感じるための工夫としました。さらに家事楽を極めた動線×収納で作業を効率化。可変性を持たせた大きなワンルームの完成です。
※費用は引き渡し当時の金額です
実例6 通路を有効活用






ゼロリノベのリノベーション施工事例
必要以上に壁をつくらないことで光と風がめぐる広いLDKを確保しました。床はナチュラルで上品な風合いのヒッコリー材をセレクトし、部屋ごとに濃淡をつけたこだわりの壁は部分的にDIYにすることでコストカットも実現。寝室は圧迫感を軽減させるためガラス窓を造作しました。
※費用は引き渡し当時の金額です



ちょっとした”隠す仕組み”があるだけで、洗面台はグッと片付けやすくなります。
造作でこだわりたい方は、
別コラム『造作洗面台で離農の空間を!成功のための5つのポイント』もチェックしてみてくださいね。
玄関~”家の第一印象”を決める場所こそ、隠す収納でスッキリと
玄関が散らかりやすい理由
玄関は、家族全員で出入りする場所です。靴・傘・上着・子どもの遊び道具・ベビーカー・アウトドア用品など、「一次置き」しやすいモノが多いため、すぐに雑多になりがちです。
さらに、収納量が足りない・動線上にしまう場所がないと、モノが床に置かれ、空間が狭く見えてしまいます。



玄関が整っているだけで、実は”家全体の散らかり”を防ぐことができます。コートやバッグをリビングに持ち込まないだけで、通路やリビングまで自然と片付く動線が生まれるのです。
玄関を整える「隠す収納」のポイント
扉付きのシューズボックスで”見える靴の数を最小限に”
出しっぱなしの靴は生活感の象徴。よく使う靴だけを厳選し、それ以外は扉の中に収納します。
大容量のSIC(シューズインクローゼット)で”まとめて隠す
靴だけでなく、傘・ベビーカー・アウトドア用品など、家の外で使うモノをまとめて隠すことで玄関が一気に整います。
可動棚で収納量と使いやすさを調整
高さの合わない棚は散らかる原因に。可動棚なら家族の持ち物に合わせて調整でき、片付けやすさがアップします。
上着の”置き場所”を玄関近くにつくる
玄関横にアウターやバッグの定位置があると、リビングにモノを持ち込まなくなり、家全体が散らかりにくくなります。
実例7 インダストリアルな素材と収納






ゼロリノベのリノベーション施工事例
インダストリアルな素材と用途別の床下収納を活かした設計が魅力。自然とリビングに集まる工夫がされており、素材へのこだわりが光る空間です。タイルや塗り壁など、汚れや経年変化が味になるデザインを採用し、家族の成長と共に味わいが深くなる住まいを実現しました。
※費用は引き渡し当時の金額です
実例8 無垢材が調和する空間






ゼロリノベのリノベーション施工事例
コンクリート打ちっぱなしが際立つ空間にロフトを設置。ロフトは壁掛けテレビ、WIC、ワークスペース、ロフトベッドを兼ねる。家電はパントリーに収納し、すっきりしたキッチンがリビングダイニングと一体化。無垢材のウッドワンキッチンが調和するリノベーションになりました。
※費用は引き渡し当時の金額です



玄関は「床にモノを置かない」だけで印象が大きく変わります。隠す収納で帰宅後の動線を整えると、家全体が自然と片付きやすくなります。
隠す収納は、「暮らしを整える仕組み」づくり
隠す収納の目的は、ただ生活感をなくすだけではありません。
家族が無理なく片付けられる”仕組み”をつくることが、一番のポイントです。
リビング・キッチン・洗面・玄関といった散らかりやすい空間ほど、「戻しやすい場所に隠す」だけで、日々の負担や視界のストレスが驚くほど軽くなります。また、見せたいモノだけを”見せる収納”として選べば、お気に入りが引き立つ心地良い空間づくりにもつながります。
暮らしに合った収納のつくり方は、家族ごとに違うもの。
動線や使い方に合わせて、”どこに何を隠すか”を考えることで、自然と片付く、気持ちの良い住まいが実現します。



「我が家に合う収納ってどう作ればいいんだろう…?」
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。
ゼロリノベでは、暮らし方や動線に合わせた”片付けやすい仕組み”のつくり方を、丁寧にお手伝いいたします。








