住住宅ローンの勤続年数は何年必要?目安は「1年以上」|1年未満・転職直後でも通るケースと対策

住宅ローンに申し込める勤続年数の目安

「勤続年数が短いと住宅ローンは組めないのでは……?」
転職直後や勤続年数1年未満のタイミングで家の購入を検討すると、こうした不安を感じる方がとても多くいらっしゃいます。

結論から言うと、住宅ローンの勤続年数の目安は「1年以上」が一般的です。一方で、勤続年数1年未満でも、転職内容や年収の安定性などの条件次第では審査に通るケースもあります。

この記事では、以下の点についてお伝えします。

  • 住宅ローンの審査で重視される勤続年数の目安
  • 勤続年数1年未満・転職直後でも住宅ローンが通りやすいケース
  • 勤続年数が短い人が審査を通すための具体的なポイント
  • 今申し込むべきか、勤続年数1年以上になるまで待つべきかの考え方

「自分は今申し込んでいいのか、それとも数ヶ月待ったほうがいいのか」を判断する材料として、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の監修者
鰭沼 悟

宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟

宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する「ゼロリノベ」を運営する株式会社grooveagentの代表取締役。

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目次

住宅ローンの勤続年数はどれくらい必要?【目安は1年以上】

住宅ローンの勤続年数はどれくらい必要?【目安は1年以上】

住宅ローンの審査では、「長期間にわたって返済を続けていけるか」という観点から、いくつかの項目を総合的にチェックします。

代表的な審査項目には以下のようなものがあり、この中で勤続年数は「収入の安定性」を判断する重要な要素のひとつです。

  • 完済時年齢(98.7%)
  • 健康状態(97.9%)
  • 担保評価(96.1%)
  • 借入時年齢(97.2%)
  • 年収(92.9%)
  • 勤続年数(93.2%)

出典:令和4年度民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書|国土交通省より

この調査でもわかるように、完済時年齢や健康状態、年収などと並んで、勤続年数は多くの金融機関が重視している審査項目です。

金融機関を対象とした同調査のアンケートでは、「住宅ローンの申し込みに必要な勤続年数」として「1年以上」と回答した金融機関が最も多く、全体の約6割を占めています。

勤続年数回答数
3年以上130
2年以上39
1年以上589
その他215
出典:国土交通省「令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書

つまり、多くの金融機関にとって「勤続年数1年以上」が、安心して審査しやすいひとつの目安になっていると考えられます。

ただし、これはあくまでも「一般的な目安」です。勤続年数が短いからといって、それだけで必ず審査に落ちるわけではありません。勤務先や年収、転職内容、他の借入状況などをあわせて総合的に判断されるため、勤続年数が短くても条件次第では審査に通るケースも多くあります

また、「一般的な目安」とは別に、「申し込み自体が可能になる最低ライン」という考え方もあります。一部のネット銀行やメガバンクのなかには、正社員で勤続3ヶ月程度、契約社員で勤続1年以上から審査の対象としている金融機関もあります。

この場合は、以下の前提がありますが、「どうしても今すぐ申し込みたい」「すでに買いたい物件が決まっている」という方にとっては、選択肢のひとつになり得ます。

  • 勤続年数以外の条件(年収・勤務先・転職内容など)がより厳しく見られやすい
  • 選べる金融機関や商品が限られやすい

まとめると、以下のイメージで押さえておくとよいでしょう。

  • 多くの金融機関が安心して審査しやすいのは「勤続年数1年以上」
  • 一部の金融機関では「正社員3ヶ月以上・契約社員1年以上」から申し込み自体は可能なケースもある

一般的な住宅ローンの審査基準について詳しく知りたい場合は以下の記事をご確認下さい。

関連:住宅ローンの審査基準とは?通らない理由と落ちた場合の5つの対策を徹底解説!

勤続年数が短いと「収入の安定性」に不安があると見られやすい

勤続年数が短い場合にまず影響しやすいのは、「収入の安定性に欠ける」と判断されやすくなる点です。

金融機関は、住宅ローンで貸したお金を長期にわたって返済してもらえるかどうかを重視しているため、勤務先で安定的に働き続けられるかどうかを、勤続年数も含めて判断しています。

勤続年数が短いと、「すぐに辞めてしまうのではないか」「今の収入がこの先も続くのか」という不安を持たれやすく、その分、審査が慎重になる傾向があります。

また、契約社員などの非正規雇用の場合は、正社員と比べてより長い勤続年数が求められたり、他の項目(貯蓄や他の借入状況など)が厳しく見られたりすることもあります。

勤続年数が長いほど「将来の収入増加」も評価されやすい

勤続年数が長いほど、「会社からの評価が安定している」「昇給の可能性がある」と見なされやすく、将来の収入増加も含めてプラスに評価されやすくなります。

そのため、同じ年収・同じ借入条件でも、勤続年数が長い人のほうが住宅ローンの審査に通りやすい傾向があります。

一方で、勤続年数が短くても、転職によって年収が上がっている場合や、勤務先の安定性が高い場合は、そうしたプラスの要素が勤続年数の短さを補ってくれることもあります。

重要なのは、「勤続年数だけで判断されるわけではない」という点を理解したうえで、自分の状況を整理しておくことです。

勤続年数1年未満でも住宅ローンは通る?審査の考え方

「勤続年数が1年未満だと住宅ローンは組めない」というイメージを持っている方も多いかもしれません。

しかし実際には、勤続年数が1年未満でも、金融機関や商品によっては審査対象となるケースがあります。

たとえば、勤続3ヶ月〜半年程度から審査対象とする金融機関や、勤続年数に明確な条件を設けずに総合判断するネット銀行、フラット35のような商品もあります。

一方で、勤続年数が短いほど「収入は安定しているか」「今の勤務先で継続して働き続けられそうか」といった点を、より慎重にチェックされやすくなります。

勤続年数1年未満で申し込む場合は、以下のような点において審査に与える影響が大きくなることを理解しておきましょう。

  • 転職内容(同業界か/年収はどう変わったか)
  • 雇用形態(正社員か、契約社員か、個人事業主か)
  • 貯蓄や他の借入状況
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正社員で勤続年数1年未満の審査で重要視される項目とは

正社員の方の場合、勤続年数が1年未満の審査では、以下の項目が重視される傾向にあります。

  • 今回の転職内容(転職理由や転職先の業界、年収の変化など)
  • 過去の転職履歴(今までの転職回数、職種の関連性など)

大半の金融機関が申し込み条件にしている「勤続年数1年」を超えていれば、上記2つはそこまで大きく影響しませんが、1年未満の方は注意が必要です。

金融機関は審査の際に「収入の安定性」を勤続年数を含む複数の項目で判断します。つまり、「勤続年数は短いけど、キャリアアップの転職で年収も上がっているため問題ない」など、総合的かつ柔軟に判断するということです。

逆に転職におけるマイナス要素も、審査では重要な判断材料になってしまいます。

勤続年数が短い人が住宅ローンの審査を通すためにできる4つのこと

勤続年数が短い人が住宅ローンの審査を通すために、できることは主に以下の4つです。

  • 今までの勤続年数を加算できないか相談する
  • 貯蓄額や年収の安定をアピールする
  • 勤続年数以外の要件を確認しておく
  • 勤続年数を申し込みの条件としていない金融機関を探す

それぞれのポイントについて、詳しく解説します。

今までの勤続年数を加算できないか相談する

住宅ローン審査を通すために、今までの勤続年数を加算して住宅ローンの審査ができないかを金融機関に相談してもよいでしょう。

昨今では、キャリアアップや収入を増やすために転職をする人が増えています。そのため、転職した職業が前職の経験やスキルと関連性があるものであれば、今までの勤続年数を加算できる可能性があります。

ただし、必ず勤続年数を加算できるかは金融機関によって変わるため、事前の相談は必須です。

貯蓄額や年収の安定をアピールする

貯蓄額や年収の安定をアピールすることも、審査を通すためのポイントの1つです。

預金や資産が多くある場合や借入額が購入する住宅の価格に対して少ない場合には、返済する余力があると金融機関から判断されやすくなるため、審査が通りやすくなる可能性があります。

また、中小企業から大企業への転職や非正規社員から正社員に雇用形態が変わった場合も、審査が通りやすくなる可能性があります。

医師免許や弁護士資格などの有力な資格も、評価がよくなりやすいです。

勤続年数以外の要件を確認しておく

住宅ローンを利用する場合には、勤続年数以外の要件を確認しておくことも大切です。

勤続年数が長いと、住宅ローン審査に通りやすくするための1つの要因になりますが、住宅ローンの審査基準は勤続年数だけではありません。

勤続年数以外の審査の要件を確認し、総合的に見て審査に通りやすいか、通りづらいかを考えられるとよいでしょう。

勤続年数を申し込みの条件としていない金融機関を探す

金融機関によっては、住宅ローンの申し込みの条件として勤続年数を含めていない場合があります。そのため、勤続年数を申し込みの条件としていない金融機関を探すことで、勤続期間が短いことを気にせずに審査を受けられます。

しかし、勤続年数を申し込みの条件としていないからといって、住宅ローンの審査が緩いわけではありません。

勤続年数を申し込みの条件としていない金融機関を探しつつ、他の申し込みの条件についても把握するようにしましょう。

勤続年数が短くても申し込める金融機関一覧

勤続年数が短い場合でも、申し込みが可能な住宅ローンを扱っている金融機関はあります。

ここでは、メガバンクやネット銀行、フラット35など代表的な金融機関の「勤続年数の目安」と「年収の目安」を整理し、傾向を一覧でご紹介します。

金融機関雇用形態勤続年数年収目安
三井住友銀行正社員直近3ヶ月分の給与明細の提出が必要300万円以上
契約社員1年以上
派遣社員対象外
三菱UFJ銀行正社員3年以上200万円以上
契約社員3年以上
派遣社員同一勤務先で3年以上
みずほ銀行正社員直近3ヶ月分の給与明細の提出が必要300万円以上
契約社員3年以上
派遣社員対象外
りそな銀行正社員1年以上100万円以上
契約社員3年以上
派遣社員1年以上
auじぶん銀行正社員制限なし200万円以上
契約社員
派遣社員
イオン銀行正社員6ヶ月以上100万円以上
契約社員
派遣社員
住信SBIネット銀行正社員制限なし制限なし
契約社員
派遣社員
ソニー銀行正社員制限なし400万円以上
契約社員対象外
派遣社員対象外
PayPay銀行正社員3年未満の場合は追加書類が必要200万円以上
契約社員1年以上
派遣社員対象外
楽天銀行正社員制限なし400万円以上
契約社員
派遣社員
中央労働金庫正社員1年以上150万円以上
契約社員
派遣社員
フラット35正社員制限なし制限なし
契約社員
派遣社員
各金融機関の申し込み条件は2024年1月現在の情報

住宅ローンの申し込み条件は金融機関によって異なり、多くの場合、公式サイトには勤続年数に関する細かい基準が明示されていません。

ゼロリノベでは、各金融機関に直接問い合わせを行い、勤続年数や年収などの条件を確認したうえで、傾向を整理しています。

ここでご紹介するのは「おすすめの金融機関」ではなく、勤続年数が短い場合に候補となりやすい金融機関の一例です。実際の審査基準や最新の条件は、必ず各金融機関の公式サイトや窓口で確認してください。

審査をスムーズに通すための3つのポイント

審査をスムーズに通すための3つのポイント

ここからは、勤続年数に限らず、住宅ローン審査全般で押さえておきたい“ダンドリ面”のポイントを紹介します。

審査をスムーズに通すためには、審査における自分の属性を把握することも大切ですが、住宅ローン審査に向けたダンドリの把握や事前準備も非常に重要となります。

勤続年数が短いと審査が通るか不安に感じると思いますが、だからこそ胸を張って審査が受けられる状態をつくり、備えておくことが大切です。

審査をスムーズに通すためのポイントとしては、以下の3つがあります。

  • 申し込める住宅ローンの選択肢から、今買うのか数ヶ月待つのか決める
  • 事前審査の書類は早めに準備する
  • 審査に出す書類に虚偽がないか慎重に確認する

以下詳しく解説していきます。

今買うのか数ヶ月待つのか決める

以下のような方は勤続年数が1年以上になるまでの数ヶ月間、審査を遅らせるというのも賢い選択です。

  • 転職内容等に不安がある勤続年数1年未満の正社員
  • 勤続年数1年未満の契約社員

勤続年数が1年以上になれば、大半の金融機関に申し込むことができ、より条件の良い住宅ローンを選べる可能性が上がります。金融機関が重要視する「年収の安定性」がある程度証明できるため、転職内容や転職履歴を必要以上に審査されることがなくなるからです。

どうしても買いたい物件がすでにある場合は、勤続年数に制約のないフラット35や一部の金融機関を選ぶという手もあります。

しかし、フラット35は全期間固定型の金利しか選択ができないため金利が高くなり、借入できる金額が少なくなってしまう、選べる物件に制約があるといったデメリットもあるため、慎重に判断しましょう。

事前審査の書類は早めに準備する

以下の理由から、事前審査の書類は早めに準備することがおすすめです。

  • 物件の申し込みを決めたと同時に事前審査がはじまる
  • 審査に必要な書類が多く、正確に記載するには時間がかかる

勤続年数が短い場合の審査書類は、物件探しと並行して進めておきましょう。

物件の申し込みを決めたと同時に事前審査がはじまる

物件の申し込みを決めたと同時に事前審査がはじまる

欲しいと思った物件が見つかってからのスピード感は非常に早いです。

申し込みと同時に事前審査を出し、約1週間後には売買契約、本審査と待ったなしです。
人気の物件は他にも欲しいと思っている人がいる可能性もあるので、申し込みから事前審査に入るスピード感も大切になってきます。

一部の書類は本審査で提出すればよいという場合もありますが、提出タイミングは金融機関によって異なります。また、事前審査と本審査の間隔も1週間程度と非常に短いため、物件見学を進めながら、早めに提出書類の準備を進めておくとスムーズです。

住宅ローンを組む際の流れについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

関連:失敗する前に要確認!元銀行員が住宅ローンの流れを5ステップで解説

審査に必要な書類が多く正確に記載するには時間がかかる

手先
直近の給与明細(3ヶ月程度が多い)ご自身
直近の源泉徴収票勤務先
職歴書(提出を求められた場合)ご自身
住民税決定通知書または課税証明書勤務先
市区町村役場
確定申告書一式(確定申告した人のみ)ご自身
身分証明書(運転免許証・パスポートなど)ご自身
健康保険証ご自身
住民票の写し市区町村役場

一覧はあくまで必要書類の一例で、提出書類は勤続年数や雇用形態、金融機関によっても異なります。具体的な金融機関が決まってきた時点で必要書類を事前に確認しておきましょう。

勤続年数が短い場合は、通常よりも提出書類が多くなり、源泉徴収票や住民票など勤務先や市区町村役場から取り寄せる必要があるものもあります。

また、勤続年数が1年未満の場合は転職内容や過去の転職歴を確認するために、「職歴書」の提出を求められることがあります。

過去の職歴や最終年収などの情報は、正しい情報を記入するのに案外時間がかかるため、事前に整理しておくとよいでしょう。

審査に出す書類に虚偽がないか慎重に確認する

虚偽の申請は、以下のようなリスクがあり、大変危険です。

  • 審査中に虚偽が発覚した場合、住宅ローンが借りられなくなる
  • 返済開始後に虚偽が発覚した場合、金融機関から住宅ローンの一括返済を求められることがある

金融機関は申込者の「収入の安定性」を提出書類を元に厳密に調査します。たとえば勤続年数や社名を偽っても、社会保険の加入履歴等を参照することで簡単にバレてしまいます。

また、仮に審査が通り承認が得られたとしても、返済が始まった後に虚偽が発覚すると、金融機関から住宅ローンの一括返済を求められることもあります。

中には事前審査申込書を軽い気持ちで書いたため、結果的に嘘を書いてしまうこともあるかもしれませんが、その場合はすぐに嘘であることを申告しましょう。審査はやり直しになりますが、後ほど虚偽が発覚するよりは傷が浅く済みます。

いつかバレてしまうかもしれない、と思いながら長期にわたる住宅ローンを組むのはよくありません。住まいはとても大きな買い物です。まずは自分の状況をご自身で整理して、安心した気持ちで住宅ローンを組むことが何より大切です。

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勤続年数が短くても審査が通りやすい4つの転職タイプとは

以下の4つの転職タイプは、勤続年数自体が短くても、「年収の安定性」を証明するプラス要因となるため、審査が通りやすい傾向にあります。

  • 同業界へのスキルアップ転職
  • グループ会社・関連会社への転職
  • 士業への転職
  • 財務内容が良好な会社への転職

勤続年数が短い場合、金融機関から転職内容を詳しく記載した「職歴書」の提出を求められることがあります。有利な転職の場合は積極的にアピールしましょう。

同業界への年収アップ転職

専門分野のスキル・これまでの経験が活かされる転職は好印象です。

住宅ローン審査では、転職先の業界・業種に一貫性があるかどうかもチェックされます。専門分野のスキルやこれまでの経験が活かされる場合は、年収が上がる可能性も高く、安定性があると判断されます。

同業界の転職の場合は、住宅ローン審査で好印象を持たれやすいため、プラスの情報として伝えるようにしましょう。

グループ会社・関連会社への転職

グループ会社や関連会社に転職した場合は、金融機関によっては転職と判断しない可能性もあります。

この場合の転職は、安定性を評価され前職の勤続年数を合算してくれる可能性があるため、金融機関に相談してみるのも有効です。

ただし、規模が小さいグループ会社に転職した場合は年収が下がる可能性もあるため、住宅ローン審査での印象は悪くなる場合があるので留意しておきましょう。

士業への転職

士業と呼ばれる以下のような職業へ転職する場合は、住宅ローン審査に通りやすい傾向があります。

  • 弁護士
  • 税理士
  • 公認会計士

なぜなら、専門的スキルがあり、安定した収入が見込めるからです。

ただし、それは正社員として転職している場合に限ります。独立という形で個人事業主として士業を行う場合は、その他の個人事業主と同じく3年以上黒字であることが条件となります。

財務内容が良好な会社への転職

転職した現在の勤務先が以下のような場合、審査が通過しやすいです。

  • 大手会社
  • 業績が良好

住宅ローン審査では、転職先の評価も重要な融資基準となります。なぜなら、本審査では勤務先の事業内容や財務内容も調査されるからです。

審査にマイナス影響のある3つの転職履歴とは

以下のような転職履歴は、審査にマイナスの印象を与える場合があります。

  • 転職回数が多い
  • 今までの業種に関連性がなくどれも短期間
  • 無職期間が長い

金融機関はあくまで将来の収入の安定性をみているため、現在の転職内容がプラスであれば過去の転職歴をそこまで重要視しないことも多いですが、勤続年数が短いほど、職歴の連続性を確認する金融機関があることを覚えておきましょう。

【雇用形態別】住宅ローンを申し込む時の注意点

勤続年数が短いときの住宅ローン審査は、雇用形態によって見られ方が変わります。

ここでは、正社員・契約社員・個人事業主それぞれのケースで、どのような点に注意すべきかを解説します

【正社員】転職後の直近3ヶ月分の給与明細の提出が重要

勤続年数が短い場合、直近3ヶ月分の給与明細が提出できる状況であれば、メガバンクでは三井住友銀行やみずほ銀行、ネット銀行ではauじぶん銀行、PayPay銀行、楽天銀行などの金融機関へ申し込みが可能です。

ソニー銀行は勤続年数の制限はありませんが、年収400万円以上という条件があるため、勤続年数が3ヶ月未満でも転職後の見込み年収が400万円以上ある人は申し込みの候補として考えておいてもよいでしょう。

勤続年数が1年を超えれば、大半の金融機関に申し込みができるようになります。

ただし、銀行の審査受け入れ条件は変更となる可能性があるため、ホームページで最新の情報を確認しましょう。

【契約社員】契約社員は1年以上が安全圏

契約社員の方で勤続年数が1年未満の方は、年収の安定性があるかを判断するために、勤続年数以外の項目も含めて厳しく審査される傾向があります。

そのため、より確実に審査を進めるためには、勤続年数が1年以上になるまで待ち、金融機関の選択肢を広げた状態で比較検討することをおすすめします。

ただ、auじぶん銀行やイオン銀行、住信SBIネット銀行などは勤続年数1年未満、年収200万円以下でも申し込むことができるため、事前審査を受ける前に個別で相談してみるのもよいでしょう。

銀行の審査受け入れ条件は変更となる可能性があるため、ホームページで最新の情報を確認しましょう。

【個人事業主】勤続年数や雇用形態に制限がないフラット35

フラット35は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携している住宅ローンで、雇用形態・勤続年数・年収の制限がありません。

そのため、開業して間もない個人事業主の方、フリーランスの方、アルバイトの方でも住宅ローンを申し込めます。

申し込みの間口は広いですが、最長35年の全期間固定金利のため金利は高めとなり、頭金を物件価格の10%以上用意しないと、金利がさらに高くなるといったデメリットもあります。

また購入する物件は、住宅金融支援機構が定めた構造や耐震性などにおける技術基準に適合している物件という条件があるため、物件選びの際は注意が必要です。

【全体】不動産の仲介担当者に相談

自分のケースで審査が通りやすい金融機関については、不動産会社の仲介担当者に相談してみるのもよいでしょう。

仲介担当者は、十人十色の個別事情とどの金融機関と相性がよいかを経験値として蓄積しています。不動産会社によって、提携している金融機関が異なるというデメリットはありますが、「自分の場合に適した金融機関」を提案してくれるはずです。

上記の金融機関の比較表を参考にしつつ相談してみましょう。

住宅ローンの勤続年数に関するよくある質問

勤続年数は住宅ローンの審査に影響を及ぼしますか?

勤続年数が短くても申し込みはできますが、もし短い場合には、金融機関は長期的な返済能力があるかを勤続年数以外の要因も含めて総合的に判断することになります。

勤続年数1年未満の審査で重要視される項目は?

正社員の方の場合、勤続年数が1年未満の審査では、以下の項目が重視される傾向にあります。

  • 今回の転職内容(転職理由や転職先の業界、年収の変化など)
  • 過去の転職履歴(今までの転職回数、職種の関連性など)

大半の金融機関が申し込み条件にしている「勤続年数1年」を超えていれば、上記2つはそこまで大きく影響しませんが、1年未満の方は注意が必要です。

金融機関は審査の際に「収入の安定性」を勤続年数を含む複数の項目で判断します。つまり、「勤続年数は短いけど、キャリアアップの転職で年収も上がっているため問題ない」など、総合的かつ柔軟に判断するということです。

勤続年数が短い人が住宅ローンの審査を通すためにできることは?

勤続年数が短い人が住宅ローンの審査を通すために、できることは主に以下の4つです。

  • 今までの勤続年数を加算できないか相談する
  • 貯蓄額や年収の安定をアピールする
  • 勤続年数以外の要件を確認しておく
  • 勤続年数を申し込みの条件としていない金融機関を探す

詳細はこちらをご覧ください。

転籍・出向した場合の勤続年数はどうなりますか?

転籍を転職と同様に扱う金融機関もあります。つまり、転籍直後は勤続年数が短いと判断される可能性があります。また、出向している場合は勤続年数に影響はないですが、出向中は住宅ローンを申し込めない金融機関もあります。

転籍・出向した場合の勤続年数の扱いや、住宅ローンに申し込めるかは金融機関によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

住宅ローンを借りるために勤続年数や年収を偽装したらバレますか?

勤続年数や年収の偽装はバレる可能性が高いです。勤続年数の偽造がバレる要因としては、以下のようなものがあります。

  • 源泉徴収票の退職日
  • 社会保険証の資格取得年月日
  • 信用情報機関の記録

源泉徴収票や社会保険証は、住宅ローン審査の際に提出が求められることがあります。また、提出された個人情報をもとに、信用情報機関の記録が調べられることもあります。勤続年数の偽装はバレる可能性が高く、バレると審査に落ちてしまうため、偽装しないようにしましょう。

個人事業主の場合は勤続年数をどのようにカウントしますか?

個人事業主の場合には、勤続年数の代わりに営業年数が見られます。ただし、確定申告をしていない場合には、営業していることや利益を証明できるものがないため、住宅ローンの利用は難しいです。また、赤字がある場合も収入の安定性が疑われるため、住宅ローンの審査が厳しくなりやすいです。

個人事業主で住宅ローンを利用する場合には、直近3期分の書類の提出が求められるため、3期連続で黒字になってから、住宅ローンを申し込むとよいでしょう。

まとめ

ここまで、勤続年数が短い場合でも住宅ローンが申し込める金融機関の選択肢や、重視される審査項目や審査をスムーズに通すための方法やダンドリについて説明してきました。

一般的な目安としては「勤続年数1年以上」が安心ですが、一部の金融機関では正社員3ヶ月以上・契約社員1年以上から申し込めるケースもあります。

無理に「今すぐ申し込む」のではなく、自分たちがどのタイミングで家を買いたいのかを踏まえて、「今申し込むか」「勤続1年以上になるまで待つか」を検討していきましょう。

また、勤続年数が短い場合は、気軽に複数の金融機関に事前審査を申し込むことは避け、厳選した上で2〜3社程度に絞って申し込みすべきでしょう。

申し込む金融機関に関しては、審査の通りやすさについての個別事情に詳しい仲介担当者に相談してみるとよいです。

正社員で勤続年数1年未満の審査は「転職内容」「過去の転職歴」が重視されるため自分の属性を把握しておくべきです。

住宅ローンの審査でプラスになる要素として、以下の4つがあります。

  • 同業界へのスキルアップ転職
  • グループ会社・関連会社への転職
  • 士業への転職
  • 財務内容が良好な会社への転職

一方で、住宅ローンの審査でマイナスになり得る要素として、以下の3つがあります。

  • 転職回数が多い
  • 今までの業種に関連性がなくどれも短期間
  • 無職期間が長い

勤続年数が短いという理由だけで、住宅ローンの審査が不利になるということはありません。現在の転職内容や年収の安定性などご自身の状況を把握した上で、万全の体制で審査に臨むことができれば、審査は通過できます。

逆に不安を感じる要素が残る場合は、思い切って数ヶ月購入を遅らせることで、より安心した状況で住宅ローンを組むことができるでしょう。

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この記事の制作体制
  • Chika Otsuki

    ゼロリノベの編集者。大学時代にデンマークへの留学を通して、北欧の人々の住まいに対する美意識の高さに感化される。暮らしにおける「住」の重要性を伝えたいと住宅雑誌の編集を経験。より自分らしく、自由に生きられる選択肢の一つとしてリノ...

  • 宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

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