床暖房リフォームは後付けOK?種類は?費用は?よくある疑問を建築士が解決
「家に帰ると床が冷たい」
「暖房から舞うホコリがアレルギー持ちにはツラい」
「エアコンの暖房で空気が乾燥するのが気になる」
部屋全体を暖め快適にしてくれる暖房器具ですが、このような点が気になる方におすすめしたいのが『床暖房』です。
新築時に施工するイメージのある床暖房ですが、後付けはできるのでしょうか。それに種類はどれくらいあるのか?費用は?
リフォームをするにあたって気になる疑問は、どんどん膨らみますよね。
そこで今回は、床暖房のリフォームでよくある疑問に対して、ゼロリノベの建築士・西村一宏氏が回答します!
さらにおすすめのメーカー製品までを紹介するので、床暖房のリフォームを検討しているなら、ぜひこちらのQ&Aを参考にしてみてください。
一級建築士
西村 一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
【デザイン受賞多数】
ゼロリノベのリノベーション施工事例
マンションや戸建て、リノベーション費用、テーマ(北欧、モダン、ナチュラルなど)やこだわり(壁面収納、ホームシアターなど)など、詳細な条件で事例を検索できますので、ぜひ見てみてください!
\200以上の事例を掲載!/
床暖房とは|暖房のスタンダードとして普及が広まる設備
床の構造内に熱源を設置し、それによって床や部屋を暖めてくれるのが床暖房。エアコンや石油ストーブといった直接的な温風や熱を感じるのとは違い、じんわりとした暖かさで包み込んでくれるのが特徴です。
新築住宅では、1990年ごろから普及し始めたオール電化の導入住宅が増え続け、2030年には5軒に1軒がオール電化住宅になるとも言われています。
省エネや、経済的にも優れている床暖房は『暖房のスタンダード』として、今後は更なる広がりをみせると予想できます。
床暖房の設置率は近畿圏に次いで、首都圏が高くなっています。近年の新築マンションにおいては、床暖房が標準仕様の物件が増えているようですね!既存住宅においても、床暖房のリフォームは必須になっていくのかもしれません。
床暖房リフォームのよくある質問に答えます!
床暖房は寒冷地や北欧・欧米で使用されているイメージが強いですが、近年では日本国内でも、普及率はどんどん上昇しています。とはいえ、床暖房のくらしを想像すればするほど、疑問は膨らむばかり…。
そこで、ここでは床暖房のリフォームのよくある質問をまとめました。
質問に答えてくれるのは、YouTubeでもお馴染みのゼロリノベ建築士・西村さんです!
①床暖房の種類
床の構造に熱源を設置して暖める床暖房ですが、一体どれくらいの種類があるのでしょうか。
床暖房は大きく分けて2種類、電気式と温水式です。床下にパイプを設置し、そこから温水を循環させるのが温水式。電気式は床下の発熱線(や面状の発熱体)によって通電させて暖める方式で、オール電化のご家庭はこちらを選ばれることが多いようです。さらに稼働方式を細分化すると、温水式にはガス・ヒートポンプ・灯油の熱源があり、電気式には電熱線・蓄熱・PTCヒーター式があります。
方式 | ※温度制御 | メンテナンス | 耐久性 |
温水式 | △(細かくは制御不可) | △(定期的に必要) | △(ボイラーは7〜8年で要交換。 銅管部分の腐食の可能性あり) |
蓄熱式 | ○(放熱時間帯は不可) | ◎不要 | ◎高い |
電熱線式 | ◎ | ◎不要 | ◎(建物と同等) |
PTCヒーター式 | ◎ | ◎不要 | △(劣化の可能性あり) |
そんなに種類があるんですね!どうすれば最適な種類が分かるのでしょうか。
予算はもちろんですが、使用用途や箇所によって最適解は変わります。電気式はどちらかというと部分的スペースだったり、短い時間の使用に適しています。一方で温水式は広範囲にわたって長い時間の使用に適していますが、その分初期費用は大きくなります。
②どんな住宅でも後付けはできる?
床暖房のリフォーム、後付けは一戸建てでもマンションでもできますか?
基本的には、どんな住宅でも床暖房のリフォームでの後付けが可能です。ですがマンションは管理規約によって制限されている場合があるので、事前に確認が必要です。床暖房のリフォームでは、既存の床材の上に床暖房設備を張る『直張り』と、床そのものを『張り替え』する2パターンがあります。
③工事期間はどれくらい?
直張りと張り替え。床に施工することもあり、工事にはかなりの時間が掛かるのではないでしょうか…。
直張りは1〜2日、張り替えは3〜5日、温水式床暖房の設置なら〜1週間程度と、工事期間は意外と長くはないんですよ。とはいえ、工事中は居室が使用できないので、床暖房リフォームが完了するまでにどのスペースでどのように過ごすか、家具の一時置き場はどうするかを検討しておくと、工事がスムーズに始められます。
④費用相場は?
(※1)1日8時間連続使用、室温約20℃一定状態で30日運転、床温約25度~約30度の場合です。全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり27円(税込)として計算しています。
(※2)1日8時間連続使用、外気温約7度、室温約20℃一定状態、床温約30℃で30日運転した場合です。全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり27円(税込)として計算しています。
(※3)1日8時間連続使用、室温約20℃一定状態、床温約30℃で30日運転した場合です。ボイラー燃焼効率80%として、2018年9月の全国平均の灯油店頭価格から、灯油単価1リットルあたり94円(税込)として計算しています。
床暖房のリフォームで、最も気になるのは費用ですよね。
目安費用は電気式床暖房が一畳につき5〜8万円、温水式床暖房が一畳につき8〜12万円と、温水式の費用のほうが高いです。ですが、毎月の光熱費においては温水式のほうがコストが安く済みます。
とはいえ、部分的な床暖房リフォームであれば、短時間でのスポット使用になりますよね。ただ単に初期費用に捉われるのではなく、あたためたい範囲や使用時間を加味して費用を検討しましょう。
⑤床暖房リフォームのメリット・デメリットは?
これまでの質問の回答をふまえて、床暖房リフォームのメリット・デメリットをまとめました。最後に西村さん、床暖房をどんな方におすすめしたいですか?
【メリット】
- 暖房で室内を乾燥するのを防いでくれる
- 足元から暖めるため血行を促してくれる
- ホコリが舞いづらくアレルギー持ちにも適している
- 暖房器具として掃除が不要なので家事が減る
- ランニングコストがエアコンと比較して安く済む
【デメリット】
- エアコンの設置と比較すると費用が割高
- 低温やけどに注意が必要
- 故障の際の修理費用が掛かる
- 床暖房の種類によっては暖まるまでに時間が掛かる
エアコンの風が苦手な方、冷え性の方、家族に小さい子どもや介護・看護を要する方がいるなら特に、床暖房リフォームがおすすめです。じんわりと足元から暖めてくれる床暖房のあたたかさは、冬の寒さがあってものびのびと過ごせますよ。
【デザイン受賞多数】
ゼロリノベのリノベーション施工事例
マンションや戸建て、リノベーション費用、テーマ(北欧、モダン、ナチュラルなど)やこだわり(壁面収納、ホームシアターなど)など、詳細な条件で事例を検索できますので、ぜひ見てみてください!
\200以上の事例を掲載!/
床暖房のメーカー別おすすめ製品4選|リフォーム向け
ここでは、リフォーム向けの床暖房システムでおすすめの製品を4つ紹介します。
それぞれ異なる種類で特徴も様々ですので、あなたのライフスタイルに見合った製品探しにぜひ、活用してみてください。
【ダイキン】ホっとエコフロア
エアコンでおなじみのダイキンですが、床暖房のリフォームでは『ホっとエコフロア』として、外出先からスマホで操作ができる機能が付いています。帰宅すると暖かい家が出迎えてくれるのが嬉しいですよね。この連動により立ち上がりの消費電力量を約20%削減。約40分で快適温度になります。効率よく熱をつくる『ヒートポンプ式』で、あたたかさも経済性も満足できますよ。連動がしやすくなる点では、現在ダイキンのエアコンを使用中の方にもおすすめです。
【パナソニック】YOU(ゆー)温すい
床暖房リフォームにおすすめの“仕上げ材一体型”の『YOU(ゆー)温すい』。仕上げ材と温水パイプが一体の床暖房パネルで、施工がスムーズです。温めたいエリアだけに、温水パイプを埋め込んだパネルを配置できます。毎日使うキッチンや家族が集うリビングにおすすめで、木質床材は3商品・23色柄と、好みや雰囲気に合わせた豊富なラインナップが特徴です。
【リクシル】HOTひといき
足から暖かさを感じる「熱伝導」と床表面からの遠赤外線により暖かさを感じる「放射」を組み合わせた理想的な暖房方式を採用した、リクシルの電気式床暖房システム『HOTひといき』。電気式分離型の中でも、安全性が高く、省エネ性にも優れた『PTC面状発熱体』を採用しています。これにより発熱量を自動でコントロールするので省エネにもつながり、低温やけどが起きにくい安心感も。仕様は重い家具にも耐えられる小根太入りパネルで、耐久性にも優れているのが特徴です。
覚えておきたい「リフォーム」と「リノベーション」の違い
リフォームと似ているのが『リノベーション』。リフォームと比べると、その意味は異なります。リフォームは、修繕や設備変更を目的とした『原状回復』のための工事です。一方でリノベーションは、住まいの価値を上げるための『生活の質の向上』を目的とした工事のことをいいます。
床暖房の利用価値を上げる意味では、リフォームよりもリノベーションが適しているといえるのではないでしょうか。ただし、工事の規模としてはリノベーションのほうが大規模となり、費用も大きくなります。
工事の目的を加味して、床暖房をリフォームするかリノベーションするかを検討したいですね。
床暖房リフォームは後付けOK!設置箇所を考え賢くオトクに使おう
床暖房リフォームを検討している方に向けて、よくある質問と回答をまとめました。
- 電気式と温水式の2種類がある
- 床暖房はリフォームによって後付けが可能
- 工事期間は直張りが1〜2日、張り替えは3〜5日、温水式なら〜1週間程度
- 設置費用は電気式床暖房が一畳につき5〜8万円、温水式床暖房が一畳につき8〜12万円
- ランニングコストは温水式のほうが抑えられることが多い
例えば毎日使うキッチンやトイレ・洗面脱衣所、家族が集うリビングなど、費用を抑えるならスポットでの床暖房リフォームの設置も可能です♪
優先順位を考えながらリフォーム計画を立て、この冬は暖かく、快適な暮らしを手に入れてくださいね。
住まいでの暮らしを想像した上で、リフォームをゼロから考えるのは難しいですよね。ゼロリノベは「資金計画」「不動産仲介」「リノベ設計・工事」まで、住まいに関することを全てひとつの会社でサポートするワンストップのリノベーションを行っています。床暖房のリフォームを考え始めたら、生活の質を向上させてくれるリノベーションも視野に入れながら、まずは情報収集から始めてみましょう♪
LINE友だち登録募集中!
\ 情報収集に役立つコンテンツをお届け /
- リノベや住まいに関するお役立ち記事
- 人気リノベーション事例やお客様インタビュー
- 無料セミナーやリノベ体験会などのイベント情報
- 未公開物件のお知らせ