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リノベーションのデメリット-知らなきゃ危険な10項目と対処法

デメリットをメリットに変えた事例1

リノベーション物件での新しい暮らしを考えている時、デメリットばかりが気になることはよくあることです。

特に中古マンションを購入しリノベーションする人は、資産性のある大きな買い物で失敗は絶対に避けたいですよね。

ここではリノベーションにまつわる一見ネガティブに捉えられがちなデメリットに焦点を当て、それを安心に変える視点と対策をご提案します。

この記事の監修者

一級建築士
西村 一宏

東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。

目次

不安要因を取り除く

A子:
いっそこのまま賃貸暮らしを続けるべきなのかなぁ。

アドバイザー:
中古マンションを購入してリノベーションを計画されていましたが、何かトラブルがありましたか?

A子:
いえ、違うんです。いろいろなサイトを見てイメージがどんどん湧いていたのですが、いざ本格的な計画に移すとなったら、不安なことが次々浮かんできてしまって。

アドバイザー:
そうでしたか。でも当然のことだと思います。迷いや疑問点があれば、曖昧にせず、納得できる答えや方向性を導き出しておくことをお薦めします。

A子:
では、今日は思い切ってネガティブな質問をどんどんぶつけてもいいですか?

アドバイザー:
もちろんです。あえてデメリットにも向き合って、思考の変換や疑問解決のためのお手伝いをさせていただきます。

古いマンションのリノベーション

デメリットをメリットに変えた事例2

A子:
中古物件をいろいろ見ていますが、やっぱり古さが気になるんです。築30年とか40年のマンションは外見もかなり古いですよね。

アドバイザー:
新築マンションに比べるとここは確実に差異が出ますね。古いレトロなデザインをあえて選択する方もいらっしゃいますよ。今ではほとんど見られない贅沢な仕様の建物やデザインに出会えることもあるのが中古マンションの面白いところだと捉えることもできます。

A子:
古いと設備についても気になります。

アドバイザー:
そうですね。構造的な部分に関わる設備に関しての改善は難しいかもしれません。ただ今の見た目が新しくても、あと20年もすれば、その建物もただの中古マンションだということを意識するといいですよ。

共用部分に関しては、現在ない設備が住人のリクエストで整備される例もあります。改善に向けて住人の声に耳を傾けてくれる可能性があるか否かをリサーチするのも有効です。

築年数はデメリットか?

A子:
なかでも特に気になるのは、耐震性です。やはり地震の多い国ですから。

アドバイザー:
ここは見逃せない点ですね。中古マンション選びの時に、忘れずチェックしていただきたいのは、管理状況と修繕計画を知ることです。

A子:
メンテナンスへの意識があるかないかを確認するということですね。

アドバイザー:
はい。計画だけでなく、実際にどのスパンで工事が行われているのか、メンテナンスの頻度や内容などもチェックしましょう。

関連記事:【中古マンションの安全性】築年数と耐震基準だけではない3つの見極め方

配管はリノベーションされているか?

A子:
中古物件で見落としがちなこと、まだまだありそうな気がします。

アドバイザー:
排水管も気にしていただきたい点ですね。老朽化していても個々のリノベーションでは手が入れられない部分が存在するからです。

A子:
そう考えると、逆に外観がなんとなく古く感じなくても、中古物件の場合は特に管理と修繕の計画に注目する必要がありますね。

アドバイザー:
普段の管理はもちろん、10~12年周期で大規模修繕工事が行われているかどうかは目安になります。

関連記事:住んでみたら臭いが…中古マンション購入前に知っておきたい配管のこと

間取りや設備の自由

デメリットをメリットに変えた事例3

A子:
リノベーションの工事に関しても不安があるんです。素敵な事例をたくさんサイトなどで見ていますが、本当に希望通りに出来るのかなって。

アドバイザー:
例えばどういうご希望をお持ちですか。

A子:
キッチンやバスルームの位置にはこだわりたいのですが、そもそも希望の場所に設定出来るのでしょうか。

アドバイザー:
通常は可能です。ただし、パイプスペースの位置によって希望通りの場所にできない場合があります。

A子:
間取り変更はよくありますが、壁をなくして広々とした1LDKにしたいんです。

アドバイザー:
通常はイメージ通りにできます。しかし、構造上壊すことができない壁や柱があります。設計段階で出来る出来ないも含め確認し、希望に近い間取りを提案してもらいましょう。

二重払いのデメリット

A子:
中古物件を買ってリノベーションする場合、工事が完了するまでそこには住めませんよね。

アドバイザー:
たしかに、通常、物件は購入したら引き渡し時点から住めるのが普通ですが、リノベーションの場合は設計・施工完了まで住むことができません。

A子:
賃貸料と住宅ローンを二重で払わないとならないと考えるとかなり負担が生じます。

アドバイザー:
工事終了までの期間、住宅ローンを金利のみにしてもらうなどの対応策があります。リノベーション会社が銀行に交渉してくれる場合もありますので、そうした対応が出来るか否かも会社選びの際に確認してみてください。

一体型住宅ローンのすすめ

A子:
リフォーム(リノベーション)ローンは金利が高いのも気になります。

アドバイザー:
中古を買ってリノベーションする場合は、「一体型住宅ローン」の利用をおすすめします。住宅ローンとリフォームローンが一体となっており、まとめて借入れ出来るので手数料を節約できます。住宅ローン減税控除の対象にもなります。

関連記事:中古マンションの住宅ローン控除|事前に知りたい落とし穴【2022年版】

見積もり制リノベーションのデメリット

A子:
解体後の工事でリノベーションプランの見直しが必要になる場合がまれにあると聞きました。

アドバイザー:
建設当時の図面と異なっているなど、イレギュラー的に見直しが必要になることはあり得ます。

A子:
そうなると当初の予算より費用がかさんでしまうことがあるのでは?

アドバイザー:
着工後に追加費用がかかるのは、「見積もり制」の場合です。「定額制」でリノベーションを請け負うプランを設けている会社もあります。工事費用の明確さを売りにしている会社を選ぶとよいでしょう。

関連記事:【定額制リノベーション会社一覧】選ぶときの注意点とは?

リノベーション済み物件のデメリット

A子:
不動産会社がリノベーションを丸ごと手がけて、購入するだけという物件もありますよね。

アドバイザー:
はい、そうした物件も人気です。最大のメリットは住宅ローンのみで済むということでしょう。

A子:
そもそも自分でリノベーション出来ないということは、好みと完全に合致するということは少ないですよね。

アドバイザー:
リノベーション済み物件に住みながら部分的に再リノベーションしていくことは可能です。その場合は当然、別途リノベーション費用が必要となります。

A子:
見た目にはわからないけれど、配管や床下がリノベーションされていなければ再度修繕が必要になる場合がありますよね。

アドバイザー:
リノベーション済みの場合は「見えない箇所」は変えていないケースが多いです。これは事前にチェックすることで回避します。販売会社への確認はもちろん、修繕の履歴と今後の修繕計画があるか否かを確認しましょう。

関連記事:リノベーションの後悔6事例|知ってほしい中古物件リノベのポイント

リノベーション済み賃貸物件は?

A子:
リノベーション済みの賃貸物件もありますね。でも賃貸は気軽ですが、いつまでも家賃を払い続けるのは負担が大きく、将来的に心配です。

アドバイザー:
購入しない理由を考えてみましょう。引っ越しの可能性があるから……なら、家を売却したり賃貸に出す、単身赴任を選択することもできます。経済性のある物件であれば購入がおすすめです。

関連記事:賃貸か中古マンション購入か迷うあなたへ。計算するとわかる購入すべき理由

まとめ

リノベーションのデメリットと対策をあらかじめ理解しておき、後悔のないリノベーションにしましょう。最後にこの記事のおさらいです。

◎リノベーション検討時の注意点

  • 中古マンションを選ぶときは築年数よりも管理状況と修繕計画の確認が大切
  • 見えない部分の配管が大規模修繕やリノベーションで交換されているか確認する
  • 構造上動かせない柱や梁、壁、配管などリノベーションの制約になる箇所を確認する
  • 見積もり制のリノベーションは費用が膨らみやすいため、定額制プランがある会社がおすすめ
  • リノベーション済物件は配管などの見えない部分も修繕されているか、後からの工事が可能か、販売会社に確認する

修繕計画や、構造上の制約は自分で確認するのが難しい部分です。デメリットを回避するためには、リノベーションの知見のある仲介担当者や実績豊富な設計担当者に協力してもらいましょう。

ゼロリノベでは、物件探しからリノベーションの設計・施工までワンストップでサポートしています。受賞歴のある設計チームが丁寧にヒアリングし、理想の住まいづくりをお手伝いします。

毎週開催している無料オンラインセミナーでは、ブログでお伝えしきれない中古物件の探し方のコツや、無理のない住宅予算の考え方についてお話ししています。顔出しなし&ミュートで参加でき、セミナー後のセールスは一切ありません。ぜひお気軽にご参加ください。

編集後記

高野

デメリットになることも、あらかじめ知っておき注意点を明確にしておけば納得のいく住宅購入ができそうですね。実際にリノベーションをした方の体験談なども参考になるでしょう。ゼロリノベでご紹介している事例ページでは、施主様へのインタビューも掲載。これから中古×リノベを検討している方向けのアドバイスなど、リノベ経験者のリアルな声が見られます。ぜひこちらもご覧になってみてくださいね。

大月

リノベーションにおいて、大切な心構えがあります。それは「解体してみないとわからないことがある」ということです。今まで隠れていた部分に梁や柱が残っていて取り除けない、というケースは実は珍しくありません。そんな時は、プランナーに頼ってマイナスをプラスに変える素敵なアイデアをもらいましょう!

例えば、「白基調の家」の事例ではリビングのパイプスペースを空間に馴染ませたことで圧迫感を軽減しました。最初は気になっていたというお施主さまも、「今では大黒柱として愛着が沸いています」と話されていましたよ。

中古物件ならではの個性を活かすのも、リノベーションの楽しみ方の一つかなと思います。

楢崎

ゼロリノベでは面積によって基本料金が決まる価格プランを採用しています。このように総予算を見積りやすい価格設定の会社や定額制プランを利用すれば、無理のない予算で注文住宅のように、ゼロから自由な空間をつくりあげるリノベーションが可能になります。詳細が気になる方はぜひ無料セミナーに参加してみてはいかがでしょうか。

この記事の制作体制
  • 大月知香

    ゼロリノベの編集者。大学時代にデンマークへの留学を通して、北欧の人々の住まいに対する美意識の高さに感化される。暮らしにおける「住」の重要性を伝えたいと住宅雑誌の編集を経験。より自分らしく、自由に生きられる選択肢の一つとしてリノ...

  • 高野美沙紀

    本サイトの編集者。株式会社MEMOCOのライターとして、伝統工芸メディアや生活情報メディアでの記事制作のほかマネタイズ、インスタ投稿制作などを経験。自身では10年ほど前に注文住宅で新築戸建てを購入したが、予算にも間取りにも余白のある中...

  • 楢崎優司朗

    ゼロリノベのデザイナー。美術大学で空間デザインを専攻。在学中にデザイン会社を起業し、イベントやプロモーションの空間演出を手掛ける。卒業後はブランディングや企画制作に多く携わる中で、生活空間のデザインやリノベーションの持続可能性...

  • 西村 一宏

    リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。

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