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アイランドキッチン事例4選!実際の使い勝手は?10のメリット・デメリットをご紹介

アイランドキッチン事例1
この記事の監修者

一級建築士
西村 一宏

東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。

家族で過ごす時間が多い場所、LDK。なかでもキッチンは、使い勝手が良く、居心地の良さを追求したい場所です。

憧れの家づくりの鍵を握るキッチンで、近年特に人気が高いのがアイランドキッチン。暮らし方にも直結するアイランドキッチンの「メリットとデメリット」をリノベーション事例と共に紹介します。

目次

LDKの主役、アイランドキッチン

キッチンについて相談させてください。リノベーション計画の真っ最中ですが、キッチンに関しては私主導で決めることになっているのであれこれ悩んでます。

キッチンを含むLDKは家族で過ごす時間が最も長いので、家の主役と考える方がほとんどです。夢が膨らみますね。

そうなんです。憧れのキッチンイメージもあったんですけど、いざ決めるとなると迷いが出てきてしまったんです。

具体的にはどのような迷いが生じていますか?

憧れは断然、アイランドキッチンなんです。間取りにも大きく関わる部分なので、改めてメリット、デメリットを知っておいたほうがいいかなって思ってます。

そうですね。では、素敵な事例も見ながら、理想のアイランドキッチン、探していきましょう。アイランドキッチンに憧れる、一番の理由はなんですか?

アイランドキッチンのメリット

アイランドキッチン事例2

メリット1:料理や後片付けをしながらコミュニケーションが取れる

家族の様子を見ながら料理が出来るということですね。実家はキッチンが奥まったところにあって、料理を作っている母とは会話が出来なかった思い出がありました。

調理台やシンクを壁側に配したⅠ型のレイアウトタイプですね。アイランド型は、その名の通り島のような状態ですから、リビングダイニングにいる人と話をしたり、様子を見ながら調理が出来ます。

子どもが小さいうちは、リビング学習を想定しているので、その様子も見ながら食事の支度が出来るというのは理想です。

メリット2:家事動線に優れ、移動が楽

移動しやすい点もポイントです。短い時間で効率よく家事をしたいとなれば、家事動線は特に考慮したいですね。

それ、絶対大事です。食事の支度をしながら、洗濯回して、子どもたちの面倒を見て、なんて、一度にいくつものことをこなさなくてはいけないので。キッチンを中心に家事を進めることになるので、ぐるっと周りをまわれて動きやすいのはいいな。

冷蔵庫やパントリーの位置、その他の家事動線を踏まえたアイランドキッチンに出来ると良さそうですね。

メリット3:複数人で使えて家事参加しやすい

ご家族の家事参加についてもお考えですか?

夫は料理や後片付けもしてくれる人なので、休みの日は一緒にキッチンに立つというのも実は憧れです。今の住まいでは手狭なので。

素敵ですね。そうであれば、キッチン台設計の際には、お二人の使いやすい高さや幅をよく確認して決めることをおすすめします。

たしかに。使いやすくないと、続かないですもんね。子どもたちと一緒にキッチンで一緒にお菓子作りをしたり、お料理したりするのも夢です。夫と子どもたちがやっているのをリビングから見るのもいいなぁ(笑)。

夢が広がりますね。アイランドキッチンのメリットは、作業スペースを広くとれば複数人でも使いやすいという点にもあります。

お友達を呼んでホームパーティーとかイベントをするのもいいなぁ。「あ、グラスはそこから適当に出して!」みたいな感じで(笑)。

メリット4:フレキシブルな仕様設計にできる

アイランドキッチンのメリットには、仕様設計のフレキシブルさもあげられます。

収納とかですよね?ダイニング側に引き出しがあって、子どもたちが自分でランチョンマット敷いて準備してくれるのとか、夢だわぁ。

ははは。とても具体的な夢ですね。そうなんです、引き出しや飾り棚など、収納スペースを設けるなどキッチン台を造作する事例も多いですよ。間取りや使い勝手に合わせた仕様設計が可能な点が魅力です。

テーブルの位置もいろいろ試せそう。

メリット5:開放感に優れている

そうだ!私がアイランドキッチンに憧れる最大の理由、それはあの開放感です。仕切りがないっていうのは、コミュニケーション面もそうですけど、開放的なLDK空間が作れることなんです。

はい。その昔はキッチンは奥まったスペースにあることも多かったのですが、今はLDKが家の主役といっても過言ではありません。実際、キッチンに立った場所から見えるリビングや、窓の外の景色が大好きだとおっしゃる方は多いです。

ですよね。アイランドキッチン=(イコール)開放感だと思います。素敵な写真を見てはため息ついてきたのでわかります。

アイランドキッチンのデメリット

アイランドキッチン事例3

デメリット1:油はねや水はね、ニオイが気になる

こんなにテンション高く盛り上がってきてなんですが、心配なこともあるんです。具体的に聞いていってもいいですか。

もちろんです。心配や疑問を解決していきましょう。

油はねとか、水はね、大丈夫でしょうか。正直、私、家事の中でも掃除が苦手。開放的な分、汚れやすいという点が気になってます。

こまめにお掃除できることが最善策ではありますが、毎日のことですもんね。

水はねしにくにシンク、メンテナンスのしやすいコンロなど、お手入れがラクになるキッチン台を探すことができます。コンロ前にオイルガードを設けたり、キッチンまわりの床材をタイル仕様にするなど、さまざまなアイディアがあります。

同じ悩みを持っている人は多いということですかね。そうか、シンクや蛇口一つとっても向き不向きを選べるということか。

アイランドキッチンだと、ニオイが部屋中に充満してしまうのでは?という点も気になります。

そうですね、換気扇はパワーを重視したいですね。アイランドキッチンを想定した換気扇もたくさんありますよ。デザイン性に富んだものも日々開発・製造されています。

少し安心しました。

デメリット2:手元が丸見え、キレイを保つのが大変

次に気になっているのが、開放感ゆえの丸見え問題なんです。料理している様子が見えるのはまあしょうがないとしても、いや、それはむしろ見せながらやりますという感じなんですが、片付けが気になります。

たしかに、オープンであるということは、雑然としているとそれ自体も目立ってしまいますね。

私にキレイが保てるかなぁ。

キッチンで日常的に使うものは、デザインや色を厳選して、見せる収納を心がけるなど、発想の転換が有効かもしれません。

先ほど仕様設計がフレキシブルであることをメリットとしてあげましたが、片付けやすい仕組みをはじめから作ることで、ラクしてキレイに保つようにできるといいですね。

できる気がしてきました(笑)。

デメリット3:小さい子どもがいると危険

うちは子どもがまだ小さいので、動きやすいアイランドキッチンは理想的な反面、危険じゃないかなと気になってもいます。

そうですね、包丁を使っている時、火を使っていたりする時は、小さいお子さんがいるご家庭では心配です。これは、ハード面というより、ソフト面で対応するほかありません。

ですよね。私自身もうっかりしないように、アイランドキッチンにするなら、危険があるということを踏まえて使う、これに尽きるのかな。

デメリット4:そもそも広いスペースが必要

もう一つ気になっていることがあります。アイランドキッチンにするならやはり広いスペースが必要ですよね?

はい、開放感を感じられることがメリットであるからには、そこそこの広さは必要です。LDKには、ダイニングテーブルやソファを置く場合がほとんどですので、ほかの家具とのバランスも考えたいですね。

バランス、大事ですね。

リノベーション物件には、元々あった部屋の仕切りを外して、開放感のあるLDKを取り入れた間取りをプランニングする事例が多いようです。アイランドキッチンを想定し、設計段階から考えていくことで、クリアできる部分もあるのではないでしょうか。

そうですよね。ということは、やっぱりもう一つ気になることが。

デメリット5:積算すると高価格

価格のことですね。アイランドキッチンは、これまでにあげたメリットを実現し、デメリットを軽減するために、価格が上がることは否めません。オーダーメイドや本体以外の換気扇なども一般的なキッチンと比べて価格が上がる要素を含みます。

見た目、デザイン性という面も考えるといろいろ積み重ねって高くなりそうで、悩ましいです。

家づくりの行程では、理想と現実、メリットとデメリットを考え、なお且つ予算を踏まえて計画していくことは、どなたもされることです。あなたの理想、ご家族との暮らしにしっかりフォーカスすれば、必ずクリアできますよ。

勇気が湧くお言葉だけど、やっぱりちょっと臆してしまうような。

ではせっかくですから素敵なアイランドキッチンの事例を見ながら、理想をより具体的にしていくのはいかがですか?

賛成!ありがとうございます!!

理想の暮らしが詰まった事例4選

1.厳選されたものに囲まれたコンパクトだけどおしゃれなアイランドキッチン

アイランドキッチン事例4

ひゃーっ。なんてオシャレなの!照明や換気扇も雰囲気にぴったり。

面積48㎡の比較的コンパクトなスペースにご家族3人で暮らしていらっしゃいます。

コンロのところにはもしや、オイルガード?

そうですね。その前にキッチンツールを瓶に入れて立てかけているのもオシャレですね。

こういう使い方もありなんですね。壁側のオープン棚もカフェみたいで素敵。ものが厳選されている感じですね。

in the doughnut-hole.〈神奈川〉80㎡

2.段差をつけた眺めのいいアイランドキッチン

アイランドキッチン事例5

こちらはⅡ型のキッチンで、シンクと作業台をアイランド側に設けています。

これだと、コンロとその上の換気扇は壁側になるので、圧迫感は軽減されますね。

キッチン側を一段高くすることで、キッチンからの視線があがり、部屋全体を見渡せるそうです。

素敵なアイディアですね。住む人のこだわりと愛着が感じられる気がします。

in the doughnut-hole.〈神奈川〉80㎡

3.白を基調にした開放感にあふれたアイランドキッチン

アイランドキッチン事例6

こちらはとても開放感のあるキッチンですね。

うわぁ、これこそ夢に描いてきたアイランドキッチンだわ。

回遊性を重視してリノベーションしたキッチンで、ダイニングテーブルをサイドに配置しています。

冷蔵庫は奥に見えますね。白を基調にしていて明るく清潔感があるなぁ。子どもが遊んでいる様子も見やすそう。

in the doughnut-hole.〈神奈川〉80㎡

4.ホームパーティーがよく似合う、タイル使いが美しいアイランドキッチン

アイランドキッチン事例7

タイル使いがかっこいい。ドラマに出てきそうな素敵なLDKです。

ホームパーティーもよくされるそうですよ。南仏のビーチハウスのイメージとのことです。

こういうのセレクトするの、絶対楽しいですよね。カウンターがあるので手元は隠れますね。
やっぱり造作のキッチン、いいなぁ。

事例を見ると、あなたの希望や理想がより具体的なイメージとして浮かんできたのではないですか?

そうですね、何よりわくわくしてきました。わが家に合う、理想のキッチン、追求していきたいと思います。

in the doughnut-hole.〈神奈川〉80㎡

まとめ

アイランドキッチンのメリットとデメリットと共に、リノベーションで実現した素敵なLDKのキッチンをご紹介しました。

人気のアイランドキッチンは、毎日使う場所だからこそ、使い勝手の良さやデザイン性など、こだわりたいポイントが多くなるもの。

メリットと共に、デメリットにも目を向けることで、自分たちの暮らし方に合った間取りやキッチンを選ぶことができるでしょう。

編集後記

高野

私も住宅を購入した当時、モデルルームで見たアイランドキッチンに惹かれたのを覚えています。結局わが家では立地を優先したため十分なスペースがなく諦めたのですが、アイランドキッチンだったら子どもとのクッキングももっとしやすかったかなと思うことも。記事で紹介された.メリットデメリットを踏まえたうえで、自分たちに合うかよく考えて検討したいですね。そのほかのキッチンスタイルも見たい方は「キッチンリノベーションの事例5選! キッチンの種類と費用もあわせて解説!」の記事もご覧になってみてくださいね。

大月

アイランドキッチンだと汚れの飛び散ったり、カウンターが丸見えになるのがネックな場合は、ハイカウンターと呼ばれる目隠しの化粧板をつけるのがおすすめです。コンロの前にガラス窓を設けて、抜け感と汚れの飛散防止を両方叶えている事例もありますよ。

また、お客さまからは「綺麗な空間を保ちたいからよく掃除するようになった」「キッチンは丸見えだからこそ意識して片付けるようになった」という声もよくお聞きします。

楢崎

アイランドキッチンをリノベーションで取り入れることで、広々とした開放的な空間を作り出せるだけでなく、キッチン自体がインテリアの一部としておしゃれな空間を演出します。機能性とデザイン性の両方を兼ね備えており、個性やこだわりを感じる魅力的な選択だと思います。

この記事の制作体制
  • 大月知香

    ゼロリノベの編集者。大学時代にデンマークへの留学を通して、北欧の人々の住まいに対する美意識の高さに感化される。暮らしにおける「住」の重要性を伝えたいと住宅雑誌の編集を経験。より自分らしく、自由に生きられる選択肢の一つとしてリノ...

  • 高野美沙紀

    本サイトの編集者。株式会社MEMOCOのライターとして、伝統工芸メディアや生活情報メディアでの記事制作のほかマネタイズ、インスタ投稿制作などを経験。自身では10年ほど前に注文住宅で新築戸建てを購入したが、予算にも間取りにも余白のある中...

  • 楢崎優司朗

    ゼロリノベのデザイナー。美術大学で空間デザインを専攻。在学中にデザイン会社を起業し、イベントやプロモーションの空間演出を手掛ける。卒業後はブランディングや企画制作に多く携わる中で、生活空間のデザインやリノベーションの持続可能性...

  • 西村 一宏

    リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。

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