リノベーション費用を抑える6つのポイント!コスパ良く理想の家を作る方法

リノベーション費用を抑えるには、短期的な視点と長期的な視点のどちらを重視するかが重要です。部分リノベや表層リノベは初期費用を抑えやすく、スケルトンリノベは将来的な安心につながります。
この記事では、リノベーションの種類ごとの特徴をはじめ、リノベーション費用を抑えるポイントを解説します。

一級建築士
西村 一宏
ゼロリノベの取締役。一級建築士としての豊富な現場経験と元大学講師としての深い専門知識をもとに、設計施工の責任者を務める。リノベーション・オブ・ザ・イヤーなど建築関連アワードの受賞数は20以上。業界の既成観念に囚われない最適なアプローチで施主のニーズに応えている。
リノベ費用の決定版!リノベにかかるお金について総まとめした記事はこちらから
「短期視点」と「長期視点」で変わるリノベ費用の抑え方
リノベーションの費用を抑える方法は、「短期的視点」と「長期的な視点」のどちらを重視するかによって大きく異なります。リノベーションには主に3つの種類があり、それぞれコストや特徴が違うためです。
ここではリノベーションの種類ごとの特徴と費用対効果の違いについて詳しく解説します。
リノベーションの主な種類と特徴
- 部分リノベーション(短期的コスパは◎)
住まいの一部だけを新しい素材や設備に交換する方法。デザインや機能をピンポイントで改善でき、初期費用を抑えやすいのが特徴です。
- 表層リノベーション(短期的コスパは◎)
壁紙や床、キッチンや浴室など「見える部分」だけをまとめて改修する方法。全体の印象を大きく変えられますが、配管や断熱材などの「見えない部分」は手を加えません。
- スケルトンリノベーション(長期的に◎)
室内を一度スケルトン(骨組み)状態にし、配管や断熱材など見えない部分まで徹底的に改修する方法。費用はかかりますが、長期的な安心とコストパフォーマンスに優れています。
長期的なコスパ重視なら「スケルトンリノベーション」
長く快適に住み続けたい場合や、将来の修繕リスクを減らしたい場合は、スケルトンリノベーションがおすすめです。
この方法は、表面的な美しさだけでなく、配管や断熱材といった普段見えない部分まで一新します。
初期費用は高くなりますが、将来的な修繕や追加工事のリスクを大きく減らせるため、結果的にトータルコストを抑えられるケースが多いです。
とくに築年数が経過した物件では、見えない部分の老朽化が進んでいることも多いため、まとめて工事をしておくことで無駄な出費を防げます。

SUUMOやHOME’Sといった物件サイトで見かける「リノベ済み物件」の中には、表層リノベーションしか行っていないものが実は多いんです。見えない箇所の代表格が「配管」。マンション配管の寿命はステンレスの配管でない限り15年〜30年と言われており、住んでいたら修繕の時期がやってくるでしょう。
せっかく工事するなら、見えない部分も一括で対応した方が無駄なコストを抑えられるのは明らかです。
築浅物件なら「部分リノベーション・表層リノベーション」も選択肢
築浅物件の場合は、配管や断熱材などのインフラ部分がまだ新しいため、部分リノベ−ションや表層リノベ−ションでも十分にコストパフォーマンスを得られます。
必要な箇所だけを効率よく改修できるので、無駄な工事費をかけずに済みます。
ただし、築浅物件は物件価格が高めなことが多いので、リノベーション費用だけでなく、物件費も含めて全体の予算をしっかり確認しておきましょう。
リノベーション費用を抑える6つのポイント
リノベーションで理想の住まいを実現するには、費用を抑えつつ満足度を高める工夫が欠かせません。
「とにかく安く」を考える前に、どこにお金をかけ、どこでコストダウンできるかを見極めることが大切です。
1.優先順位を明確にする
限られた予算のなかで満足度を高めるには、リノベーションで「何を一番に叶えたいか」を最初に決めましょう。
たとえば「キッチン重視」「収納力アップ」「趣味空間の確保」など、家族の希望を洗い出し、優先順位をつけることで、不要な工事や過剰な設備投資を防げます。
また「全部やりたい」を避け、後回しできる部分は思い切って削ることも大切。
優先順位を明確にすると、業者との打ち合わせもスムーズになり、無駄な追加費用を抑えられます。
2.既存設備・間取りを活かす
リノベーション費用が大きく膨らむ原因の一つが、間取り変更や設備の総入れ替えです。
既存の間取りや配管、使える資材・設備を活かすことで、解体・工事費用を大幅に削減できます。
【具体例】
・キッチンや浴室の位置を変えない
・壁や床、収納など使える部分は再利用
・古い建具や素材をリペアして活用
間取り変更や水回りの移動は、数十万〜数百万円の差が出ることもあります。設計段階で「残せる部分」をプロと相談しましょう。
3.設備・材料のグレードを選ぶ
設備や内装材のグレードを見直すことで、費用を調整できます。
高級グレードにこだわりすぎず、必要十分な機能・デザインを選ぶことがコスパ向上のポイントです。
【具体例】
・床材や壁紙は部分的にグレードを下げる
・水回り設備はショールームで実物を確認し、必要な機能に絞る
リノベーション会社などのおすすめに流されず、自分たちに必要な仕様を見極めましょう。
4.DIYやセルフリノベーションの活用
一部の内装や塗装、棚の設置などはDIY対応することで工賃を抑えられます。DIYは材料費のみで済み、家族で楽しみながら進められるのも大きなメリット。ただし、電気・水道工事などは必ず専門業者に依頼し、安全や仕上がりを最優先しましょう。
分離発注には要注意!
工事ごとに専門業者へ直接発注する、「分離発注」という方法があります。これはコスト削減につながる場合がある一方で、工程管理や業者間の調整、トラブル対応など、多くの手間と責任が発注者自身にかかります。
「分離発注=コスト削減」と短絡的に考えるのは危険であり、十分な知識や時間がない場合は、一括発注やプロへの依頼を検討するのが無難です。
5.補助金・減税制度を活用する


リノベーションには、国や自治体の補助金・減税制度が活用できる場合があります。
省エネ改修、バリアフリー、耐震補強など、条件を満たせば数十万円単位の補助が受けられることも。
自治体ごとに制度や条件が異なるため、事前に公式サイトや業者に確認を。また、申請時期や手続きも要チェック。早めに準備するようにしましょう。
6.複数社から見積もりを取る
リノベーション費用は、会社によって大きく異なります。必ず複数社(3〜5社程度)から見積もりを取り、内容と金額を比較しましょう。
見積もりの比較は価格だけでなく、工事内容・保証・アフターサービスも要確認です。
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リノベーション費用を抑えるための依頼先選び
リノベーションの依頼先には、主に4種類に分けられます。それぞれの特徴とコスト傾向を見ていきましょう。
依頼先 | 特徴 | コスト傾向 | 向いている人 |
---|---|---|---|
リノベーショーン会社 | 設計・施工を一括で対応。ワンストップ型なら物件探しや資金計画もサポート。手間を省きコスト管理がしやすい。 | ワンストップ型は中間コストを抑えやすい。設計・施工のみ型は内容次第で幅がある。 | 予算管理や手間を減らしたい人、まとめて相談したい人 |
設計事務所 | デザイン性や自由度が高く、独自の空間提案が得意。施工は外部業者に委託が多い。 | 設計料が別途かかるため、総額は高めになりやすい。 | デザインや間取りに強いこだわりがある人 |
リフォーム会社 | 水回りや部分リフォームの実績が豊富。短納期・低コストで対応可能な場合が多い。 | 比較的ローコスト。部分的なリノベに向く。 | 設備更新や表層リフォームを希望する人 |
工務店 | 地域密着で柔軟な対応。戸建て・マンションの構造補強や性能向上も得意。 | 施工内容によるが、コストパフォーマンスが高い場合が多い。 | 構造や断熱など性能面も重視したい人 |
それぞれ強みが異なるため、どこに依頼すれば最も費用を抑えられるかは、希望するリノベーションの規模や内容によって変わります。
注目したいのは「ワンストップリノベーション会社」!
リノベーションの依頼先には、さまざまな選択肢がありますが、とくに注目を集めているのが「ワンストップリノベーション会社」です。
物件探しから設計・施工、アフターサービスまでを一括でサポートしてくれるため、費用や手間を抑えたい人にとって、有力な選択肢となっています。
ただし、ワンストップリノベーション会社にも、ほかの依頼先とは異なる特徴があります。ここでは、利用する際に知っておきたい、主なメリットと注意点を整理して紹介します。
ワンストップリノベ会社を利用するメリット
- 中間コストを抑えやすい
物件探しから設計・施工まで一括管理のため、複数業者に頼むより中間マージンが少なく、総費用を抑えやすい。
- 手間と時間が大幅に減る
窓口が一本化され、打ち合わせや手続きがスムーズ。進行管理やスケジュール調整も簡単。
- 予算オーバーのリスクが低い
物件費用とリノベ費用をまとめて管理できるため、全体予算の見通しが立てやすい。
- 物件選びの失敗が少ない
プロの視点でリノベ向き物件を選べるため、「買った後にリノベできない」などのトラブルを防ぎやすい。
ワンストップリノベ会社を利用するデメリット・注意点
- 会社ごとに費用や品質に差がある
自社施工か外部委託かでコストや仕上がりが変わるため、会社選びは慎重に。
- 物件やデザインの選択肢が限定されることもある
自社で扱う物件やデザインプランに限りがある会社もあるため、その際は希望通りにならないことも。
- 途中で会社変更がしづらい
一括契約のため、担当者との相性や提案内容に不満があっても他社に切り替えにくい。
リノベーション費用差が出る具体的なポイント
リノベーション費用は、工事内容や選ぶ素材によって大きく変動します。


とくに「間取り変更・水回り移動」と「壁・床・キッチン・浴室・造作」は、費用差が生まれやすい代表的なポイントです。
間取り変更・水回り移動
- 間取り変更
部屋の壁を取り払う、間仕切りを追加するなどの大規模な間取り変更は、1㎡あたり2万〜5万円程度が目安。
たとえば、50㎡のマンションで大幅な間取り変更をおこなうと、100万〜250万円ほどかかる場合があります。
なお、ゼロリノベでは、暮らしや予算に合わせて選べる3つの料金プランをご用意。明確な料金設定ですので、詳しくは下記をご覧ください。
- 水回り移動
キッチンや浴室、トイレなどの水回りを移動する場合、1箇所あたり30万〜100万円以上かかることが多く、移動距離や床面積が広いほど費用も増加します。とくにマンションでは配管の制約もあるため、事前確認が重要です。
壁・床・キッチン・浴室・造作
- 壁・床の仕上げ
壁紙(クロス)貼り替えは1㎡あたり1,000〜2,000円程度、無垢フローリングへの貼り替えは1㎡あたり1.5万〜2.5万円が目安。たとえば、20㎡のリビングなら、壁紙で2万〜4万円、フローリングで30万〜50万円程度となります。
- キッチン・浴室
システムキッチンの交換は、標準グレードで50万〜120万円が一般的ですが、メーカーやグレード、オーダーメイドの内容によっては200万円以上かかることも。こだわりたい人は、事前に価格帯をしっかり確認しましょう。
浴室のユニットバス交換は60万〜150万円が一般的。広めのキッチンや浴室では、面積が大きいほど費用も上がります。



リノベーションしたわが家のキッチンは、ゼロリノベの標準仕様。機能的には十分で、費用も手頃に抑えられたので満足です。
取手の部分だけ木材に変更したのですが、意外と見た目の変化がつきやすくておすすめですよ!
- 造作家具・オーダーメイド
造作家具の費用は、小規模な棚で数万円、大型収納やキッチン設備などを含むと、数十万円~数百万円程度まで幅があります。既製品に比べて設計料、職人の手間賃、材料費などが追加されるため、コストは高めです。



ゼロリノベは、安心予算に応じたリノベーションのプランニングが得意ですので、予算調整のための工夫やアイデアは積極的に担当のプランナーに聞いてみてください!困った時にはプロの知恵を借りるのが一番です。
ローン・資金計画で費用を抑える
リノベーション費用を抑えるためには、工事費そのものだけでなく、ローンや資金計画の立て方も重要なポイントです。
自分にあったローンを選び、無理のない資金計画を立てることが、リノベーション費用を賢く抑えるコツです。
ローンの種類と選び方
リノベーションで利用できるローンは、主に「住宅ローン」と「リフォームローン」の2種類があります。
- 住宅ローン
物件購入と同時にリノベーションをおこなう場合に利用でき、金利が低く借入期間も長め。リノベ費用をまとめて借りられる「一体型ローン」もあり、総返済額を抑えやすいのが特徴です。
- リフォームローン
すでに所有している住宅のリノベーションに利用できます。審査が比較的早い反面、金利は住宅ローンより高めで、借入期間も短くなる傾向があります。
ローン選びのポイント
- 物件購入+リノベの場合は、「住宅ローン一体型」がもっとも低金利でおすすめ。
- すでに住宅を所有している場合は、複数のリフォームローンを比較し、金利や手数料、返済期間をしっかり確認しましょう。
- 補助金や減税制度と組み合わせることで、さらに負担を軽減できる場合があります。
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リノベするなら知りたい7つの知識
リノベーションで、自分たちの理想を100%叶えるためには住まい手に寄り添う作り手の存在が不可欠。
頼れる最適なパートナーの見つけ方、大満足の自宅リノベを成功させるためのコツを伝授します。持ち家リノベを検討されている方はぜひご参加ください!
まとめ
リノベーション費用を抑えるには、優先順位を明確にし、不要な工事や過剰な設備投資を避けることが大切です。
複数社の見積もり比較や補助金・減税制度の活用も効果的。また、ワンストップ型リノベーション会社の利用や、物件購入費用も含めて総予算の管理を意識することで、満足度の高い住まいづくりにつながりますよ。




編集後記



費用を抑える5つの手段を見てきましたが、私が一番気になったのは部分的にセルフリノベーションして費用を抑えるという方法。少し大変ですが自分でやった分より愛着のわく空間になりそうですし、寝室や子ども部屋だけなど部屋を決めてやるのもよさそうです。セルフリノベーションの費用・日数・難易度をまとめたこちらの記事もぜひご覧になってみてください。



やりたいことを全部叶えようとすると費用がかさむのは当然。だからこそ、予算コントロールで重要なのかメリハリをつけたプランニングだと思います。要望に優先順位をつけることで、グレードを下げてもよい設備や将来の追加工事に委ねてもよい箇所が明確になりますよ。



人生で1番高い買い物とも言われる住宅購入。その後の人生を大きく左右する選択だからこそ無駄をできるだけ減らしコスパ良く理想の暮らしを叶えたいですよね。ポイントとなる部分を知っているか知らないかで大きな差が生まれます。おすすめのワンストップリノベーションについてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。