おしゃれなデザインリノベーション事例!費用相場やよくある失敗を紹介
せっかくリノベーションを計画するなら、「デザイン性が高く」「大胆な空間構成で」と考えている方も少なくないでしょう。
自由な発想を取り入れ、オリジナリティのある住空間にできるのがリノベーションの魅力でもあります。
とはいえ、流行の間取りやデザイン性を重視しすぎると、機能性が不足してしまい、かえって暮らしにくい家になってしまうことも少なくありません。
この記事では、デザイン重視で進めるリノベーションで気を付けたい以下の内容を紹介します。
- デザインリノベーションの費用相場
- デザインリノベーションのメリット/デメリット
- デザイン重視のリノベマンションのありがちな失敗
- デザインを決めるときのポイント
- デザインリノベーションに適した中古物件の特徴
- おすすめのデザインリノベーション事例
「これからリノベーションを計画する方」「どのようにデザインを取り入れるか悩んでいる方」はぜひ参考にしてみてください。
一級建築士
西村 一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
デザインリノベーションとは?
デザインリノベーションとは、リノベーションの中でも特に意匠性やデザインにこだわったものを指します。
本格的にデザイナーや建築士などに設計してもらい、こだわりのあるデザイン空間を実現します。
デザインリノベーションを実施する場合には、リノベーション会社にデザイナーが在籍しているか確認しましょう。
施工事例をみて感性に合うデザイン空間が多いところに依頼しましょう。
デザインリノベーションの費用相場
一戸建てでデザインリノベーションをした場合、「1650~3000万円」ほどの費用が目安です。
一般的に、リノベーションする場合に必要となる費用が「1500〜2500万円」ほどと予想されるため、150〜500万円ほどの追加費用がかかることを想定しておきましょう。
追加費用はかかりますが、プロと相談しながら設計することで、デザイン性の幅が広がります。
また、住宅の資産価値の向上にも期待できます。
費用相場は使用する材料や設置する設備、広さなどによって変化するため、見積もり時に適正価格を確認しておくことが大切です。
デザインリノベーションの3つのメリット
デザインリノベーションを検討するうえで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
今回はメリットとして、下記の3つを紹介します。
- 新築と比較してコストを抑えられる
- 自由にデザインを決められる
- 立地の選択肢が増える
それぞれ、詳しくみていきましょう。
3-1. 新築と比較してコストを抑えられる
理想を実現するデザイン性の高い新築住宅を立てる場合、高額な費用が必要となるでしょう。
ただし、まだ住宅を購入していない場合、中古住宅を購入してデザインリノベーションを行えば、新築を建てるよりコストを抑えて理想の住まいが手に入ります。
リノベーションを行うのであれば、中古住宅の内装のきれいさなどの状態は気にする必要はありません。
安く建物が手に入るため、リノベーションに多くコストを割けるようになり、工事の幅も広がります。
3-2. 自由にデザインを決められる
デザインリノベーションでは、自由にデザインを決められるため自分好みの、理想の住宅を実現できます。
デザインリノベーションでは、デザイナーに自分の要望や好みを伝えて設計してもらうことが可能です。
デザイナーが在籍しているリノベ会社や設計事務所の施工事例みて感性に合うデザイン空間が多いところに依頼しましょう。
3-3. 立地の選択肢が増える
新たに中古物件を購入してデザインリノベーションする場合、築年数や間取りなどの条件を考えなくても、それほど問題ではありません
むしろそれによって選択肢が広がるため、都心や職場に近い場所など、自分の求める立地の建物が探しやすくなります。
新築の場合、立地以外にも間取りなどさまざまな条件を考慮しなければならず、希望通りの場所が選びにくいこともあるでしょう。
しかし、リノベーション前提なら、間取りが気に入らなくても、あまり関係ないため、立地の選択肢を広げた物件探しが可能です。
デザインリノベーションの2つのデメリット
魅力の多いデザインリノベーションですが、デメリットも存在します。
メリットとデメリットの両方を理解したうえで、リノベーションを実施するか検討しましょう。
デザインリノベーションのデメリットは、以下の2つです。
- 耐震性や耐火性が問題になる可能性がある
- 建ぺい率や容積率を超えた工事はできない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
4-1. 耐震性や耐火性が問題になる可能性がある
デザインリノベーションをする場合、今住んでいる住宅か新たに購入する中古住宅をリノベーションする必要があります。
どちらを選んでも、新築物件と比較すると、築年数が経過します。
そのため、耐震性や耐火性が問題になることが考えられます。
耐震性や耐火性は目には見えない隠れた場所に潜む問題です。
気付きにくいことが多く、建物を解体し始めて初めて気付くこともよくあります。
4-2. 建ぺい率や容積率を超えた工事はできない
さまざまな物件を自分好みにできるデザインリノベーションですが、物件によってはリノベーションできない場合もあります。
建物をリノベーションする際、建ぺい率と容積率に注意しなければなりません。
これらは建築基準法で定められており、上限を超えた建物は建築できません。
建ぺい率とは、土地の面積に対する建物面積の割合のことです。
計算式は下記の通りです。
容積率とは土地の面積に対する建物の延べ面積(各階の床面積の合計)の割合です。
計算式は下記となっています。
これらは建築基準法で定められている基準であり、違反することはできません。
リノベーション時には注意しましょう。
デザイン重視のリノベーションにありがちな5つの失敗
デザインを重視したリノベーションでは、次のような失敗に注意が必要です。
よくある失敗例は、以下の5つです。
- 機能性が低い
- 部屋が足りない
- 収納が足りない
- コンセントの位置が悪い、数が足りない
- 日差しが強い(戸建て)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
5-1.機能性が低い
見た目を重視しすぎたことで、機能性が低い住空間となってしまう場合があります。
機能性には、「間取り」と「素材」、「見えない構造部分」の3つが挙げられます。
それぞれの内容については、以下をご覧ください。
素材の特徴やメリット・デメリットをきちんと理解せずに、デザイン優先で決めてしまうことで、当初のデザインイメージから大きくかけ離れてしまいます。
たとえば、床の材質を選ぶとき「色」を優先して選んだら、実は傷が付きやすく目立ちやすい材質だったケースも少なくありません。
仕上げ素材はデザインも重要ですが、機能面にも注目し両方のバランスの考慮が大切です。
見えない構造部分
見た目を重視したリノベーション工事にお金をかけたことで、「見えない構造部分」に手が回らなくなってしまうなどの失敗にも注意が必要です。
構造部分の劣化をそのままにすると、結果的に配管から水漏れが起きたり、断熱が行き届かなかったりと、快適に暮らせなくなります。
表面のデザインも大切ですが、リノベーションする際には、見えない部分の工事もあわせて実施しましょう。
5-2.部屋が足りない
間取りにデザイン性を求めすぎたことで、部屋が足りなかったというケースもあります。
あらかじめ、将来の家族構成の変化にも対応できるような計画を進めている場合はよいですが、単に広いリビングが欲しかったなどの要望を取り入れたことで、必要な子供部屋が足りなくなってしまったという問題も起こる可能性があります。
必要な部屋と要望の優先順位を整理し、将来のライフスタイルの変化にも対応できる計画を行いましょう。
5-3.収納が足りない
空間デザインを優先したことで、一部の収納を削ってしまい、後から収納力が不足することがあります。
収納力が不足することにより、物が溢れて片付きにくい家になります。
希望の間取りや導線、取り入れたい設備を優先すると、ついつい収納スペースは後回しにしてしまいがちですが、デザイン面にもこだわりたいならなおさら収納力の確保が必要です。
調度品が映えるような素敵な空間をつくるには、収納するものに合わせて分散させ、出し入れがしやすく効率のよい収納スペースを取り入れるのがおすすめです。
また、効率的な導線で機能的な収納を設ける方法として、ゼロリノベではファミリークローゼットを1箇所に集約する工事も実施します。
5-4.コンセントの位置が悪い、数が足りない
コンセントの位置は、使い勝手や家具のレイアウトに深く関わるため重要です。
なにも考えずコンセント計画を決めてしまうと、家具や家電の置き場所に制限がうまれます。
また、延長コードのコードが露出してしまうなど、見た目にも影響が発生するでしょう。
コンセントの数自体が足りないと、生活がスタートしてから不便を感じることも。
賃貸であればはじめから位置が固定されているため、延長コードを使う場合もありますが、リノベーションでは必要な場所に必要な数のコンセントを配置するのが基本です。
後から後悔しないようにレイアウトを含めてしっかりと検討しましょう。
5-5.日差しが強い(戸建ての場合)
日当たりのよい家にしたくて窓を大きくすることで、日差しが強すぎて夏場は温度が上昇、エアコンが効きにくくなってしまうことがあります。
日差しは南の方角からとは限りません。
朝は東の方角から朝日が入るため、寝室の場合、日差しが眩しすぎて早く目覚めてしまうという問題も起こり得ます。
日当たりや開放感を重視したい場合でも、住環境とのバランスの考慮が大切です。
リノベーションでデザインを決める際の2つのポイント
リノベーションでデザインを決めるときには、次のようなポイントに気を付けて計画しましょう。
- 流行を追いすぎない
- 好みのテイスト実現したいデザインに合わせてリノベーション会社を選ぶ
1つずつ順番に見ていきましょう。
6-1.流行を追いすぎない
必要以上に流行を追いすぎないことが、住まいに長く愛着を持ち続けられるためのポイントです。
もちろん、その時代ごとに一定の流行はありますが、自分の好みやライフスタイルとは合わない流行の間取り、デザインを取り入れても本当の意味で暮らしさを感じられないかもしれません。
そのため、自分の暮らし方に合う機能性とデザイン性の両立が大切です。
6-2.好みのテイスト実現したいデザインに合わせてリノベーション会社を選ぶ
自分が叶えたいと思うデザインが実現できる施工会社を選ぶことが大切です。
なぜなら、リノベーション会社ごとに得意とする住まいのテイストは異なっており、理想とする住まいのテイスト、デザインの施工事例があるかは施工会社を選ぶ際の判断基準になるからです。
イメージに近い施工事例が紹介されているか、マンション・戸建てなど、どのような種類の建物を得意としているかに注目し、参考にするのがおすすめです。
以下記事では、目的別に信頼性のあるリノベーション会社を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
デザインリノベーションに適した中古物件の2つの特徴
デザインリノベーションにはどのような中古物件が適しているのでしょうか。
中古物件の特徴は、以下の通りです。
- 壁構造よりもラーメン構造の方が自由度が高い
- リノベーション済みの物件は避ける
1つずつ順番にみていきましょう。
7-1. 壁構造よりもラーメン構造の方が自由度が高い
デザインリノベーションでは、間取りなどを自由に変更することが可能です。
しかし、建物の構造によっては、理想とする間取りなどに変更できない場合があります。
また、変更が可能であっても、工事内容に制限があり、費用が高くなることがあります。
例えば、壁構造の建物では、室内が凹凸なくすっきりしますが、建物を支える壁を取り払うことはできません。
そのため、リフォームの自由度は低くなってしまうことがあります。
一方ラーメン構造の建物の場合、垂直方向の柱と水平方向の梁で建物を支えているため、動かせない壁がありません。
そのため壁構造と比較して、リフォームの自由度は高くなっています。
7-2. リノベーション済みの物件は避ける
リノベーションがすでに実施されている中古物件を選ぶのは、できるだけ避けましょう。
中古物件として売り出されているものの多くは、購入後すぐに入居できるようにリノベーションが施されている物件が多くなっています。
しかし、リノベーション済みの物件にはその費用が販売価格に含まれています。
さらに、追加でリノベーションしたい場合、元の構造を把握しにくくなるため、リノベーションが難しくなります。
リノベーション前提で中古物件を探すなら、リノベーションされていない物件を選びましょう。
【厳選】おすすめのデザインリノベーションデザインの6選
ここからは、実際にリノベーションによって理想的な住空間デザインを実現した住まいをご紹介します。
ぜひデザインリノベーションの際の参考としてください。
8-1.北欧ヴィンテージのデザインリノベーション
【Before After】
白を基調としたシンプルな空間に、ヴィンテージ家具を配置することで、北欧風の空間を作り上げたデザインリノベーション事例です。
購入者の方はインテリアにこだわりがあるため、新築ではなく中古住宅を購入し、自分好みにデザインリノベーションしました。
リノベーション時には優先順位を決め、予算内に収まるような工夫がされています。
8-2.「収納が足りない」を解消するリノベーション事例ホテルライクなデザインリノベーション
【Before After】
シンプルな導線に加えて無駄のない、空間にノイズを生まれない美しい仕上がりとなっています。
既存の住宅では「住みたい」と思うものが見つからず、戸建てのメンテナンスに手間をかけたくないため、マンションのリノベーションを選択しました。
物件購入時には、職場までの通勤時間を考慮し、立地のよい場所を選択されました。
材料の色味や素材まで、細かな箇所までこだわりきったリノベーション事例の1つになります。
8-3.大容量のウォークインクロゼットを設けた事例インダストリアルなデザインリノベーション
【Before After】
猫や植物が好きなお施主様が、自分だけでなく、猫も快適に暮らすことが可能で、植物も置いて楽しめる空間の仕上がりにしたデザインリノベーション事例です。
以前コーポラティブハウスに住んでいたお施主様は、費用を抑えられる中古住宅を購入し、リノベーションによる家の中のクオリティアップを実現しています。
オンとオフを切り替えられるインナーテラスは、お施主様のお気に入りの空間となっています。
8-4.ギャラリーのようなデザインリノベーション
【Before After】
出典:【最優秀賞受賞】Renovation of the year「家具美術館な家」
インテリアが主役になるようにお気に入りの家具をゆったりと置ける、余白のある空間づくりを意識したデザインリノベーションの事例です。
デンマークで生活していた経験から、中古物件のリノベーションに踏み切りました。
壁構造の住宅を逆手に取り、それぞれの切り替わりのタイミングでは、ドアを設けず、壁で緩やかな空間を演出しています。
8-5.海外の邸宅のようなデザインリノベーション
【Before After】
出典:身近に音楽がある暮らし
床をパーケット張りにし、今まで大切に使ってきた家具を引き立てるシンプルな仕上がりにしたデザインリノベーション事例です。
また、エントランスを広く確保し、帰宅してすぐにリビングダイニングの開放感を味わえる構造となっています。
さらに、お施主様は築年数などの条件をあまり限定しなかったため、予算に合う部屋がスムーズに見つかったようです。
8-6.別荘のようなデザインリノベーション
【Before After】
出典:【社員宅】新宿区軽井沢
内装を工夫しつつも、外の景色や雰囲気を最大限に味わえるような空間に仕上がっているデザインリノベーション事例です。
家のどこからでも外の景色や緑が楽しめる設計となっており、クラシカルで落ち着いた雰囲気となっています。
壁で間切りを設けながらも、上部はガラス張りとなっており、どの部屋からでも外が見える設計になっています。
まとめ
本記事では、デザインリノベーションについて詳しく解説しました。
自分たちの好みやこだわりを取り入れられるのが、リノベーションの魅力です。
しかし、機能よりもデザイン優先にすると、生活導線が悪くなったり、収納が足りなくなったりする可能性があります。後から不便を感じることにもなりかねません。
機能性を確保しつつデザインにもこだわる、そんなリノベーションが理想的です。
とはいえ、どのようなリノベーションならバランスがよくまとまるのか自分たちで計画するのは難しいでしょう。
リノベーションで失敗しないためにも、計画段階から実績豊富なプロに相談するのが安心です。設計士と相談しながら、希望のデザインと設備を詰め込めるようなプランニングを考えられます。
デザイン性も使い勝手も自分好みの住まいをつくり上げられたら、お家で過ごす時間がもっと楽しくなりそうですね。
ゼロリノベでは、ご希望をお聞きしたうえで、最適な空間を無理のない予算で叶えるお手伝いをいたします。
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