中古マンション購入で確認すべき5つの注意点を解説!買って後悔しないためのチェックリスト付き

中古マンションの購入は人生のなかでも大きな買い物のひとつです。購入したあとで後悔しないためにも注意点をしっかり把握しておくことが大切。
本記事では、マンション購入を決断する前に確認すべき「資産計画」「築年数」「耐震性」「設備」「周辺環境」の5つの注意点を重点的に解説します。
ゼロリノベでは、宅建士と一級建築士監修のもと「失敗しない中古マンション選びの注意点」を209項目のチェックシートにまとめました。こちらのチェックシートもぜひご活用ください。

宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟
宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する「ゼロリノベ」を運営する株式会社grooveagentの代表取締役。
中古マンション購入で失敗しないための5つの注意点とは?
中古マンションの購入で失敗しないためには、正しい知識を持つことです。
中古マンションを選ぶ理由には、「希望のエリアに住める」「新築より手が届きやすい」など、さまざまな事情があります。
ただし、選び方を間違えると、あとから「こんなはずじゃなかった」と感じることも少なくありません。「年収が同じなら安心」「築浅だから大丈夫」といった思い込みは、冷静に見直すことが大切です。
そこで、以下5つの注意点を押さえ、知識不足による失敗を防ぎましょう。
- 資金計画
- 築年数
- 耐震性
- 設備
- 周辺環境
それぞれ、詳しく見ていきます。
中古マンション購入における資金計画の注意点
住宅購入でよくある失敗のひとつが、「無理なローンを組んでしまった」という資金面トラブルです。
物件ありきで考えるのではなく、まずは「自分たちが安全に返せる額」をもとに、予算の上限を明確にしておくことが大切。
購入後もゆとりある暮らしを続けるために、「住宅にかけられるお金」と「かけるべきではないお金」を見極めた資金計画を立てましょう。
また、物件の購入費用だけではなく、初期費用や維持費も含めて資金計画を立てることが重要。ローンの審査が通るか、住宅ローン控除の条件も確認しておきましょう。
物件探しの前にまずは「予算」の現状把握!自分たちのライフプランと住宅予算を明確に
資金計画では、年収に対して「いくら借りられるか」ではなく、「いくらなら無理なく返せるか」が重要です。図解のとおり、この2つには大きな差があります。

※ 手取り年収:40未満・配偶者有り
※ 借りられる額:金利1.2%(元利均等)・返済期間35年・返済比率30-35%
※ 無理なく返せる額:金利1.2%(元利均等)・返済期間35年・返済比率20%
返済比率が高いと、将来の出費や生活費に余裕がなくなる可能性も。予算はライフプランに合わせて設定しましょう。
不安がある人は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談して具体的なシミュレーションをおこなうのがおすすめ(ゼロリノベでは無料相談あり)。
適切な返済比率は個人によって異なるため、下記の記事もあわせてご覧ください。

住宅ローンが通りやすい状況であるかを確認する
下図の3要素「健康状態」「既存借入」「信用情報」は、住宅ローンの審査に大きく影響するため事前にチェックしておくことが大切。不利な条件を避けやすくなります。

健康面では、団体信用生命保険(団信)への加入がネックになるケースもあるため、持病のある人は各保険の加入条件を事前に確認しましょう。
信用情報は、申込者の「お金の扱い方」を見る指標です。クレジットカードや奨学金の遅延歴があると、信用が低下し審査に影響するため、日頃から返済管理を意識しましょう。
参考になる確認リンク一覧
- 団体信用生命保険の加入条件
例:フラット35の団体信用生命保険の契約概要について - クレジットカードなどの支払い履歴確認
日本信用情報機構(※有料) - 奨学金の返済履歴確認
日本学生支援機構スカラネットパーソナル

物件費以外の「諸費用」を把握しよう

物件購入時には、登記費用や仲介手数料、ローン手数料、火災保険、リノベーションなど、まとまった「初期費用」もかかります。これらは、現金での支払いが必要なケースも多いため、事前の資金計画に組み込んでおくことが大切。
また、中古マンションの場合、築年数によって修繕積立金が高く設定されていることもあるため、物件の管理費や積立金の内訳も確認しましょう。


高値で買って後悔しないよう、物件の相場を調べる

相場を知る際は、不動産サイトの掲載価格だけでなく、「実際の成約価格」にも注目しましょう。見かけの価格と取引価格に差があることも珍しくありません。
「REINS Market Information*」では、過去の売買実績を検索できるため、実用的な相場観の把握に役立ちます。
※「REINS Market Information」は、国土交通省の指定流通機構が運営する、不動産の取引価格データ公開サイトです。
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- 不動産会社の良し悪しが一発でわかる「ある行動」
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中古マンション購入における物件選びのポイント・注意点
中古マンションを選ぶ際は、以下の4つのポイントや注意点を意識することが大切です。
- 築年数
- 耐震性
- 設備
- 周辺環境
築年数:価値が下がりにくい長寿命物件は「築25年以上」
「築浅=安心」「築古=価値がない」といったイメージは根強いですが、実際には築年数だけで資産価値や安全性は判断できません。
むしろ、築25年以上の物件は価値が落ち着いている分、購入後の資産リスクが少なく、管理状態が良ければ長く住み続けられます。
ここでは、築年数と物件価値の関係、そして建物寿命を左右する「管理状態」について解説します。
物件価格は「築25年前後」で安定するため、経済的リスクが低い


参考:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)|東日本不動産流通機構(1頁)を元に作成
築25年程度の物件は、すでに価格の下落をひと通り経ており、将来的な値動きが読みやすいのが特長で、物件選びの判断材料としても活用できます。
また、売却時の価格変動も比較的小さいため、将来的に住み替える可能がある人にも安心といえるでしょう。
「築古=危険」は誤解!建物の寿命は「管理状態」で決まる

築年数が古いからといって、一概に「危険」とは言えません。実際には、これまでの修繕履歴や管理体制が重要な判断材料となります。
築10年以上の物件であれば、大規模修繕の有無や内容を確認できるため、今後の管理の質も見えるでしょう。
とはいえ、管理状態の見極めには専門的な知識が必要。築年数にとらわれず、管理に詳しい仲介担当者やリノベーション会社と一緒に確認するのが安心です。
安すぎるのは危険!管理費と修繕積立金の妥当性

金額の妥当性を見極めるには、単なる「高い・安い」だけで判断せず、修繕履歴や今後の計画との整合性を見ることが大切です。
たとえば直近で大規模修繕が済んでいれば、一時的に積立金が高く設定されている場合も。気になる場合は、仲介担当者に背景を確認してもらいましょう。
※国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果[概要編]P4, P5*」による管理費の平均額は 11,580 円、修繕積立金の平均額は 13,041円で合計24,621円です。これは築浅の安い金額設定をしている物件も含まれているため、築20年以降の物件の平均であればもう少し高くなることを想定しています。

耐震性:マンションの安全面は「耐震基準」だけじゃない!
マンションの安全性を考えたとき、「耐震性」が頭に浮かぶ人が多いでしょう。ここでは、マンション選びにおける耐震性と安全面についての考え方を紹介します。
「新耐震基準」か「旧耐震基準」か?

耐震性を気にすると、つい「新耐震基準」の有無をチェックしがちですが、それだけで安全性のすべてを判断するのは早計です。
築年数に関わらず、適切な管理や補強がされているかが、実際の安心感につながります。構造だけでなく、管理体制の中身にも目を向けて判断することが大切です。

建物以外の「暮らしの安心」も見逃さない

災害リスクや治安といった外部環境は、いくら建物が頑丈でも暮らしの質に直結します。周辺の雰囲気や夜間の明るさ、地域の治安情報など、数字に表れにくい点も現地で確認しておくとよいでしょう。
また、将来の災害時を見据えたうえで、生活継続性(停電時の対応など)についても視野に入れておくと安心です。
国土交通省が提供する「重ねるハザードマップ」では、住所を入力して災害種別を選ぶことで、マンションが建つ場所や土地で、どのような被害が予想されるのかを確認できるので調べておきましょう。
設備:求める条件とマッチするか「内覧」しよう
マンションの室内設備や共用設備など、設備が整っているかどうかは生活のしやすさに関係します。だからこそ、自分の求める設備の有無を、内覧して事前にチェックしましょう。
設備は「使えるか」だけでなく「更新のしやすさ」も確認!

設備の有無や種類だけでなく、導入されている設備の年式や状態を把握しておくと、修理や交換が必要になった際の費用感を予測できます。
とくにフルリノベーションを予定している場合、配管や排気の位置によって施工制限がかかる可能性もあるため、現状をよく見ておくことが後悔防止につながります。
共用設備は「使いやすさ」も要チェック!

実際に使う頻度や時間帯を想定して、その設備が本当に自分にとって便利かどうかを考える視点も大切です。
設備そのものの有無だけでなく、「場所が離れていないか」「混雑しないか」「セキュリティ面で不安がないか」といった使用環境もあわせてチェックしておきましょう。
「劣化のサイン」を見逃さない!

一見きれいに見えても、細かいひび割れや建具の不具合が隠れていることも。
築年数が経っている場合は、目立たない箇所ほど注意が必要です。天井や窓まわり、家具を置く予定の場所など、自分の暮らしに直結する視点で観察しておくと安心です。
周辺環境:生活のしやすさは「立地条件」も重要
生活するうえで、マンションの周辺環境が整っていることは生活のしやすさにつながるため、物件以外の部分も確認しておくことが大切です。
実際の通勤ルートや生活動線もシミュレーションを

朝の通勤時間帯や雨の日など、実際の生活をイメージしながら移動ルートを歩いてみると、周囲の道の雰囲気や人通り、街灯の有無など細かな使い勝手が見えてきます。
スマホの「経路検索アプリ」で、所要時間と乗換情報もあわせて確認しておくと安心です。
利便施設は「使う時間帯」や「距離感」で選ぶと◎

施設が近いだけでなく、自分の生活リズムに合った時間帯で使えるかも大事な視点です。
たとえば夜間営業のスーパーや、待ち時間が少ないクリニックなどは日常生活のストレス軽減にもつながります。施設の規模や混雑具合も事前にチェックしておくとよいでしょう。
マイナス要素は「感覚的な印象」も大切に

周囲の施設は地図やネット情報だけではわからない、「におい」や「音」の問題もあります。現地を訪れたときに、どこか落ち着かない・気になると感じたら、その直感も無視せず慎重に判断しましょう。
また、将来の開発計画や用途地域の確認も忘れずに!
中古マンション購入における契約や引き渡しの際の注意点
中古マンションの購入は、契約から入居後まで注意すべきポイントが多くあります。スムーズな新生活のために、契約時・引越し準備・入居後、それぞれで気をつけたい点を整理しておきましょう。
売買契約時の注意点|書類の見方とトラブル回避のための準備

売買契約の際、不動産会社の担当者(宅地建物取引士)から買主へ重要事項の説明が行われます。重要事項説明書は建物に関することと、契約に関することが記載されており、買主はその場で話を聞いてすべて理解する必要があります。
しかし、重要事項の内容については専門的な事柄が多いため、当日に説明を受けても正しく内容を理解することは困難といえるでしょう。
そのため、事前に重要事項説明書のコピーをもらう、またはメールなどで送ってもらい確認しておくとスムーズです。契約当日に慌てないためには、「付帯設備表」や「物件状況報告書」などの事前資料をじっくり読み込み、気になる箇所をメモしておくと安心です。
また、売主が個人か不動産会社かによってもトラブル時の対応期間が変わるため、書類上の文言だけでなく、実際の口頭説明のニュアンスもよく確認しましょう。疑問点は、その場で遠慮なく質問することが大切です。
重要事項説明書の詳細を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
修繕積立金の滞納金も確認する
中古マンションを購入した際、売主側の管理費や修繕積立金の滞納金がある場合、買主はそれを引き継ぐことになります。滞納金の有無や金額は「専有部分に係る滞納額」などの項目に記載されているので忘れずに確認しましょう。
また、マンションにおける住民全体の滞納額は「当該一棟の建物に係る滞納額」という箇所に記載されています。滞納金はほとんどのマンションで発生していますが、滞納額が高額な場合、大規模修繕に支障が出る可能性があるため注意が必要です。
入居前の注意点|段取りと手続きでスムーズな新生活スタートを

引越し準備は「同時進行」になりがちですが、管理会社とのやりとりや、工事の可否確認など、第三者が関わる事項は優先して対応を。
スムーズに進めるためには、タイムラインを作成し、いつ・誰に・何を連絡するのか可視化しておくと便利です。また、家具・家電のサイズと搬入経路の確認を忘れずに。
入居後の注意点|「住み始めてから」やるべきことの整理

住み始めた直後は、生活環境の整備で忙しくなりがちですが、防犯やトラブル回避のための初動が重要です。
近隣への挨拶では、管理人さんにもひとこと伝えておくと、万一の際に相談しやすくなります。
住所変更は、運転免許証や銀行、保険、クレジットカードなど忘れやすい項目が多いため、事前にチェックリストを用意しておくと手続き漏れを防げます。
買ってはいけない・慎重に検討すべき中古マンションの特徴
中古マンション購入における注意点を解説しましたが、買ってはいけない物件や慎重に検討すべき物件の特徴について以下にまとめたので参考にしてください。
- リノベーションに制約がある
- 管理費・修繕積立金の滞納者が多くいる
- 旧耐震基準で耐震補強が行われていない
- 大規模修繕が適切に行われていない
- 管理費負担が重くなるリスクが高い戸数の少ないマンション
- 長期的に雨漏りが発生している
中古マンションを納得して購入するには、必ず現地で内覧することが必須。また、建物の劣化などは専門的な知識がないと正確に見極められないため、専門家に依頼して確認してもらうと安心です。

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【 資料内容 】
- 中古マンション選びで重要な11の項目別に紹介
中古マンションの見極め方セミナー

【 セミナー内容 】
- 築35年の中古マンションを買っても大丈夫?
- 家の買いどき、外せないタイミングとは?
- 不動産会社の良し悪しが一発でわかる「ある行動」
- あなただけの掘り出し物件が見つかる魔法のシート
まとめ
中古マンション購入時には本記事でご紹介した「資産計画」「築年数」「耐震性」「設備」「周辺環境」の5つの注意点を重点的に確認することが大切です。
そのほかの項目については、下記の無料チェックシートをダウンロードしてご確認ください。網羅的に注意点を確認することで、失敗なく中古マンションの購入を進められるでしょう。
中古マンション購入に関するよくある質問
- 中古マンションを買うなら築何年がいいですか?
-
築25年以上の物件は価値が落ち着いている分、購入後の資産リスクが少なく、管理状態が良ければ長く住み続けられます。マンションの購入時期の見極め方はこちらを参考にしてください。
- 買ってはいけない中古マンションは?
-
買ってはいけない中古マンションの主な特徴は以下の点が挙げられます。
- 大規模修繕が適切に行われていない物件
- 管理費や修繕積立金の滞納者が多い物件
- 災害リスクや治安といった外部環境がよくない物件
- リノベーションの制約がある物件
築10年以上の物件であれば、大規模修繕の有無や内容を確認できます。判断に迷う場合は、管理に詳しい仲介担当者やリノベーション会社と一緒に物件を確認するのが安心です。買ってはいけない物件の特徴はこちらの記事も参考にしてください。
- 中古マンション購入の流れが知りたいです。
-
中古マンションの購入の流れは以下の通りです。
- 不動産購入計画
- 不動産会社選び
- 物件探し
- 内見(物件見学)
- 買付証明書の提出
- 不動産売買契約
- 決済・引き渡し
中古マンション購入や住宅ローンの流れを詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
- 中古マンションで人気のリノベーションは?
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LDKを広くとった間取りや空間をゆるやかにゾーニングしたリノベーションは人気があります。人気のリノベーション事例を知りたい方はこちらをご覧ください。
- 中古の団地を購入する際の注意点は?
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団地は間仕切り壁が建物を支える「壁式構造」で建てられているケースが多いです。そのため、壁を取り除いて自由な間取りをつくることが難しい場合があります。
劣化度合いや耐震性も確認が必要です。長期修繕計画の有無や、外壁・設備のメンテナンス履歴をしっかりチェックしましょう。また、団地内のコミュニティの質や相性を見極めることも大切です。
団地を購入してリノベーションをしたい方はこちらの記事を参考にしてください。
編集後記

私も2年前に中古住宅を購入し部分リノベしたのですが、後から意外と費用がかさんだのがインテリアや家電の買い替え費用。
エアコンなどは1台で十数万するものもあり、侮れません。インテリアや家電もトータルでこだわりたいという方は、住宅購入に動き出す前に価格帯を調べておき、きちんと家具家電予算もとっておくようにしましょう。



ゼロリノベでは無理のない返済計画での住宅購入を強くおすすめしています。年収ごとの無理なく返せる額の一覧はありますがあくまで目安であり、お金をどこにかけるかは世帯によって様々です。
ぜひ一度ご自身のライフプランと無理なく返せる額がどれくらいなのが、信頼できるお金のプロに相談してみてください。
物件探し・リノベーションなら「ゼロリノベ」
ゼロリノベは、資金計画や住宅ローン、物件探し、リノベーションの設計・施工まで全ての工程を対応する「ワンストップリノベーション会社」です。
物件探しでは、一級建築士監修のもと「建物の専門家」として、建物の劣化状況をはじめ、修繕履歴や修繕計画などを総合的に調査。利用者の方に、安心して長く住める中古物件探しをお手伝いいたします。
また、ゼロリノベでは、ここではお伝えしきれなかった賢い資金計画の考え方や物件の選び方などを、無料のオンラインセミナーでお届けしています。
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