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【新築マンションは買うな】!?「新築なのに?なぜ?」の疑問

「新築マンションは買うな」!?新築なのに?なぜ?

メリットしかないとも思われるような新築マンションを購入するのに、「新築マンションは買うな」と言われるのは何が問題なのでしょうか。新築なのに買うなと言われても戸惑うばかりでしょう。何を信じていいのかわからなくなってしまいそうですが、理由さえわかれば合点がいくかもしれません。

「新築マンションは買うな」にある背景を探り、言われる理由を購入する前に知っておくことが重要です。そこから検討しても遅くはありません。まずはメリット・デメリットから見ていきます。

目次

新築マンションのメリット・デメリットから見る「賛否両論」

新築マンションのメリット・デメリットから見る「賛否両論」

何事も“新しい”ことは、それだけで価値のあることが多いものです。マンションを購入しようと思う時、一度は新築を検討するのではないでしょうか。ただ、どんな事にもメリット・デメリットの両面があります。新築マンションも同様です。やはり新築は良いと絶賛される一方で、良くないとされる点も必ず存在し、見方によって評価が分かれるところとなるでしょう。

新築マンションの主なメリット・デメリットをそれぞれ10点挙げ、ポイントを見ていきます。

新築マンションの主なメリット10点

①誰も入居したことがない、建築後1年未満の建物

一番の大きな魅力となるメリットでしょう。誰も入ったことのない部屋、まっさらな最新の設備、内外装、全てが新しく、新生活にふさわしいスタートをきることができます。

②管理費や修繕費の負担上昇が少なめ

設備や内外装に傷みや故障がすぐ出ることは考えにくく、長期計画によるスケジュールが組まれ、急激に管理費や修繕費が上がることは通常ないため、負担は少なくなります。

③災害対策がしっかりしている

地震・浸水・火災など、いつ起こるかわからない災害時への対策がしっかりされています。内外装などの建材をはじめ、災害に対応可能な設備や備蓄が標準であることは安心材料です。

④最新の耐震性・耐久性・セキュリティが備わっている

新耐震基準の採用はもちろん、年々、建築技術は向上し、新しい素材・技術の開発が進んでいます。最新の技術が使用されていることは、暮らす上での大きな安心をもたらします。

⑤立地・利便性が良ければ資産性も高い

マンションを選ぶのは、利便性の高さが挙げられます。再開発の始まった駅前や商業施設や公共施設の近隣にあるほど、通勤・通学や買い物などに便利で、資産性が高くなります。

⑥共用施設が充実

居住者専用のラウンジ、キッズルーム、フィットネスジム、宅配ボックスなど、複数の共用施設がある場合、生活の質をアップさせ、満足度を高め、暮らしを豊かにしてくれます。

⑦間取りが選べる

複数の住戸が同時に販売されるため、違うタイプの部屋を内覧できる場合もあり、同じ広さだとしても、間取りや向き・階数などを選んで申し込むことが可能です。

⑧税制優遇措置が受けられる

新築というと、住宅ローン控除がすぐ浮かぶでしょう。住宅ローンを組んでいる場合で、条件が揃えば、中古の10年間より長い13年間という期間で優遇を受けることが可能です。

⑨同世代のコミュニティができやすい

これから始まるコミュニティとなるため、購入者の世帯が同じ年代同士である可能性はあり、環境が同じであると集まりやすく、交流しやすいことが考えられます。

⑩構造部や設備の保証が明確

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により、基本構造部分に瑕疵担保期間10年が義務化され、共用部のアフターサービスも3ヵ月~10年の間で個別に設定がされています。

新築マンションの主なデメリット10点

①新築プレミアムで価格が高い

新築プレミアムとは、新築のみに発生する広告費や人件費、デベロッパーの営業利益など、新築にプラスされた全体価格と中古になった価格の差額を指す言葉です。上乗せされた価格が住宅ローンの支払いに重くのしかかる場合もあります。

②資産価値の下落が大きい

1日でも入居した時点で、新築は中古扱いになります。中古になった下落率は年2%ほどですが、新築から中古へ移行した時点で10~30%ほど下落するといわれています。

③モデルルームでしか部屋を見学できない

建物が完成する前にモデルルームとしての部屋を内覧するため、実際の入居時に眺望や部屋の広さなど、持っていたイメージとの違いに違和感を抱き、不満につながる可能性があります。

④共用部で不要・不人気なものが多い

入居してみると、中には不要かもしれないと思える設備があるかもしれません。さほど使用しない設備だとしても、管理費や積み立て修繕費として徴収されます。

⑤希望エリア・立地で探せないことが多い

大規模な再開発があれば別ですが、人気のエリアや利便性の優れたエリアなどはすでに開発されていて、新しい土地スペースがない場合が多く、物件数は少ない傾向にあります。

⑥修繕積立基金や管理組合準備金としてまとまったお金が必要

修繕積立金や管理費が大半のマンションには必要ですが、新築にはまだ積み立てた費用がないため、入居時に20~50万円ほどの費用がかかる場合もあります。

⑦様々なトラブルが発生する可能性

運の良し悪しになってしまいますが、建物・設備の不具合問題、未形成のコミュニティゆえの住民トラブルなど、予期せぬことが起こる場合も考えられます。

⑧駐車場なしや駐車場不足がある

初めから駐車場がない場合や抽選でしか確保できない場合、1世帯の台数割り当てが決まっている場合などがあり、駐車場を借りる費用が発生することもあります。

⑨管理状態が始まりのため、体制が不確定

管理組合の結成や管理会社への委託、管理組合役員人選など、これからマンションを管理していく上での体制が求められますが、委託費用や人選の問題など、流れが整うまでには時間がかかります。

⑩部屋が狭い傾向

少しでも価格を抑えて購入しやすくするため、以前と比較すると、一部の物件を除いて部屋が狭くなる傾向にあります。

出典:不動産経済研究所データを元に再作成
※平均値:高い物件に影響される値  中央値:データの真中値でより実態に近い値

ここまで見るだけでは、絶対的に「新築マンションは買うな」と言えるほど、マイナス要素だけが際立っているわけではありません。
もし、新築マンションのメリットが1~2点しかなく、ほとんどがデメリットだとしたら、購入する方は稀かもしれませんが、メリットとデメリットが拮抗している状態です。メリット・デメリットのどちらをフォーカスしてとらえるかの視点により、購入する意識は変わってくるでしょう。

では、現状はどうなっているのかをデータで見ていきます。

【新築マンションは買うな】と言われても、実際には購入

たとえ、「新築マンションは買うな」と言われているとしても、検討する住宅種別データから見る限り、依然として新築人気であることは事実として表れています

97.1%もの方が新築マンションを契約し、最初から新築マンションしか検討していない方も38.3%という、新築マンション人気をうかがわせる結果です。

※データ引用・出典:2023年首都圏新築マンション契約者動向調査 (株式会社リクルート) P21 18. 検討住宅種別データより

日本では「新築」が良しとされる風潮

海外では中古物件が大事に扱われていることに比べ、日本では相変わらず新築物件が検討され続ける風潮は続いています。これだけ日本人に「新築信仰」とも言われる風潮が根づいている要因として考えられることは主に2つあります。

①長年、デベロッパーとゼネコンが築いてきたマンションの歴史

新築物件で街を開発していくデベロッパーと建物を建てるゼネコンが、スクラップ&ビルドで民間分譲マンションを半世紀以上も供給し続け、物件が大量に余っている状況であっても新築住宅が次々と建て続けられてきた経緯がまずあるでしょう。華やかなモデルルームで部屋の印象をアップさせるイメージづくりをしてきた戦略が垣間見えます。

②新築に優遇される数々の施策

一定の条件を満たせば、固定資産税の特例措置、住宅ローン控除、登録免許税や不動産取得税の軽減など、新築物件を手厚く優遇する措置が適用されます。一部には補助金制度も適用され、政府主導で新築への好待遇を勧めてきたことがあるでしょう。

今、【新築マンションは買うな】から「買えない」へ!?

今、「新築マンションは買うな」から「買えない」へ!?

新築マンションの購入者が多くいる一方で、あまりの価格上昇が起こっているため、購入しにくくなっている状況も生まれています。首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)では特に値上がりの天井が大変な価格になっており、購入可能な層、購入が難しい層に分かれてきているのが現状です。

値上がりし過ぎている新築マンション価格

首都圏の場合、現状の購入価格は「6000万円以上」が41%、「5000~6000万円未満」が23%、5000万円以上が全体の6割以上。平均購入価格は6033万円となっています。

これだけの価格帯マンションを購入できる世帯を例で見ると、既婚・共働き世帯になります。総年収1000万円以上の世帯では「6000万円以上」が68%を占め、平均7147万円という、天を仰ぎ見るような驚く価格がデータとして出ています。

データ引用・出典:2023年首都圏新築マンション契約者動向調査株式会社リクルート) P11~12 8. 購入価格データより

さらに、直近2024年8月の新築マンション戸当り平均価格は9,532万円と前年同月比の2,337万円(32.5%)アップ、㎡単価は31.9万円(27.8%)アップというデータもあり、ますます一般庶民とはかけ離れた価格になってしまったという印象ではないでしょうか。

2024年8月時点、首都圏での新築マンション供給件数728戸・契約件数462戸のうち(6000万円以上物件)はそれぞれ494戸・350戸となっています。供給件数が少なく、売れ残り在庫の積み上がりがない状況であるため、当分値下がりはしないと予想されます。

※参照:首都圏発表資料2024年8月|不動産経済研究所 首都圏 新築分譲マンション市場動向 2024年8月より

新築マンションが値上がりしている理由

①住宅ローンの低金利設定

バブルが崩壊後の1999年2月以降から、日銀のゼロ金利政策により、ほぼ低金利水準が続いている状態です。変動金利においては一時的に数年上がったものの、横ばいとなっています。

2024年10月現在で見る限りでは、日銀が17年ぶりに利上げをしたものの、依然として低水準であることに違いなく、しばらくは様子見の状態です。新築マンション購入者にとってはまだ追い風といえるでしょう。

参照:住宅ローンの金利推移(変動・固定)は? 最新の動向や金利タイプの選び方も解説【2024年10月】|ダイヤモンド不動産研究所

②人件費・建築費の高騰

昨今はウッドショックやアイアンショックがありました。さらにはロシア軍のウクライナ侵攻、円安などもあり、日本経済にとっては大打撃になる状況が続いています。あらゆるものが高騰している今、建築資材の値上がりも例外ではありません。

少子高齢化や人材確保・育成問題などの影響を受けている建設現場の人材不足も重なり、結果、新築マンションの価格へ転嫁されることが起きています。

実際、年収の何倍で新築マンションを買っている?

首都圏でいうと、先の「値上がりし過ぎている新築マンション価格」の項目で述べた通り、平均7147万円という価格帯マンションを購入できる世帯として、既婚・共働き世帯が挙げられます。総年収1000万円以上の世帯が主になっていますが、全国で見ると年収の平均はどのくらいなのでしょうか。

令和5年のデータでは、平均給与は男性569万円・女性316万円、正社員530万円・正社員(正職員)以外202万円となっています。首都圏で新築マンションを買っている世帯との差は約2倍あるといえます。

出典:令和5年分民間給与実態統計調査|国税庁 P7 民間給与実態統計調査結果の概要より

新築マンションを買えそうな実感は?

新築マンション価格÷年収=年収倍率ですが、年収倍率とは、購入者の年収と物件購入価格の比率です。例えば、物件が6000万円だとすると、年収1000万円では年収倍率は6倍となります。年収600万円では10倍となるわけです。

2023年度では、全国で見ると新築マンションの年収倍率は7.2倍となっています。

出典:2023年度フラット35利用者調査|住宅金融支援機構 年収倍率(融資区分別)の推移(2013~2023年度)P12

これだけの住宅ローンの借入額は支払える?

新築マンションの住宅ローン借入総額は「5000万円以上」が52%、平均5235万円。年収1000万円以上の共働き世帯を見ると、「5000万円以上」が84%、平均6369万円となっています。

出典:2023年首都圏新築マンション契約者動向調査(株式会社リクルート) P16 13. ローン借入額データより

5,000万円の住宅ローンを組めることが可能な方の年収は、約700万円~1000万円になります。俗にいわれる、住宅ローンは「年収の何倍まで借りられるか(年収倍率)」です。目安は5~7倍といわれています。

ただし、該当年収であっても、年齢や他の借入状況などとの総合的な判断で住宅ローン審査が通らない場合があり、実際に住宅ローンの審査が通るまでは楽観できません。

たとえ、住宅ローン審査が通ったとしてもその先に長い支払いがあります。住宅ローンは最大借入額を心配するのではなく、“無理のない住宅ローンの借入額で、無理のない支払い”をしていけるかどうかの一点です。ここが住宅ローンで最も重要視しなければならないポイントになります。人によっては一生かかわることです。最後まで支払続ける覚悟はあるでしょうか。

参照:住宅ローン5000万円を組むために必要な年収|月々の返済額も紹介 | コラム | auじぶん銀行
さらに詳細な借入額・返済額については、以下で「年収別ローンの早見表」をご覧ください。

新築マンションの住宅ローンを組む方法は?

住宅ローンの契約形態データ全体から見ると、「単独名義」が65%、「世帯主と配偶者のペアローン」が33.9%という組み方でほぼ埋まっていますが、首都圏のような高価格帯マンションを購入できる世帯として登場する既婚・共働き世帯をクローズアップして見ると、「世帯主と配偶者のペアローン」が53.8%で、「単独名義」を上回っています。

総年収1000万円以上の既婚・共働き世帯ともなれば、「世帯主と配偶者のペアローン」は76.5%にも上っています。

※データ引用・出典:2023年首都圏新築マンション契約者動向調査(株式会社リクルート) P17 14. ローン契約形態データより

高価格帯マンションを買えるとしても、果たして、ペアローンは大丈夫なのでしょうか。

再度の繰り返しになりますが、住宅ローンで最も重要視しなければならないことは、住宅ローンは最大借入額を心配するのではなく、“無理のない住宅ローンの借入額で、無理のない支払い”をしていけることになります。慎重に検討することをおすすめします。

ペアローンについて、あるいは他のローンの組み方についての詳細はぜひ、以下をご覧ください。

では、中古マンションなら買っても大丈夫?

では、中古マンションなら買っても大丈夫?

「新築マンションは買うな」と言うなら、中古マンションなら買っても大丈夫なのでしょうか。大丈夫か大丈夫ではないかといえば、答えは「物件次第」といえるでしょう。中古マンションにもメリット・デメリットのそれぞれが存在します。

新築が買いにくい現状となっている今、中古マンションに目が向くことは必然ですが、ここでも新築マンションと同じように慎重に検討していくことをおすすめします。

中古マンションについては、豊富なリノベーション事例や売買実績を持ち、様々なお役立ち記事を掲載している【ゼロリノベ】のHPをぜひ、ご覧ください。もちろん、どんなお問い合わせでも受け付けています。セールスなしですので、お気軽にどうぞ。

大月

中古マンションは古いし汚い!耐震性は大丈夫なの?と不安が先行して警戒してしまう方も多いはずです。ゼロリノベでは「長く安心して住める」ことを大前提として建物調査を実施しています。さらにリノベーションは一度スケルトン状態と呼ばれる、躯体のみを残したゼロの状態にリセットしてから自分好みの空間に仕上げていくので、新築特有の「面白みがない」「なんだか既視感がある」間取りにピンと来ない方にはぜひおすすめです!リノベーション事例については、こちらを参考にしてみてくださいね。

【新築マンションは買うなの結論=否定ではなく、忠告

【新築マンションは買うな】の結論=否定ではなく、忠告

新築マンションのデメリットを心配するからこその「新築マンションは買うな」です。こう言われるのは、特に首都圏では「買えない」現象が起きていることも一因だと考えられます。新築マンションはデメリットだけでなく、素晴らしいメリットもあり、新築を強く希望する方に買うこと自体を否定するものではないのです。

デメリットよりメリットに魅力を感じる方、どうしても新築にこだわりたい方など、購入の動機はそれぞれです。よく検討した結果であれば、新築マンションを買うことを誰も否定することはできないでしょう。

新築マンションを買ったばかりに、人生がマイナスになったと後悔しないようにと願った「新築マンションは買うな」。優しい忠告だととらえ、改めて新築マンションを見直してみると良いでしょう。

実際の新築マンションの竣工後の内覧会は、実際の物件を確かめられる最後のチャンスです。以下で内覧のポイントをしっかり把握し、どうか後悔のない契約をしてください。

まとめ

新築マンションに飛びつくのではなく、なぜ、「新築マンションは買うな」と言われるのかをメリット・デメリットでじっくり検討しながら、立ち止まって考えてみることが大事になります。新しさばかりに目を向けるのではなく、デメリットも十分に消化しましょう。

現実問題としては、長い期間支払続ける住宅ローンが待ち構えています。物件選びと同時に考えなければなりません。新築マンションの購入が人生を大きく左右することになるからです。

住まいについてのご相談はいつでも、どんなことでも受け付けている「ゼロリノベ」。新築マンション・中古マンションのご相談はどうぞこちらへ。

この記事が皆様の幸せな選択の一助となり、最良で最善な決断となることを願います。

この記事の執筆
  • 熊田貴行

    本サイトの品質管理責任者。ヤフーを退職後、海外で飲食とホテル事業で起業。海外の事業を売却後、日本でメディア事業会社を立ち上げて10年目。これまでの自社メディア運営で得たノウハウを軸に、企業のオウンドメディア運営を中心にWEBマーケテ...

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