マンションの修繕費・修繕積立金とは?中古購入前に必ず確認したい相場とチェックポイント

マンションの修繕費(修繕積立金)いくらなら安心で、どこまで上がる可能性があるのか不安に感じていませんか。
本記事では、最新の平均相場やガイドライン、長期修繕計画の見方、購入前にチェックすべきポイントを「中古マンション+リノベ検討者向け」にわかりやすく整理しました。
修繕積立金が安すぎる物件のリスクや、管理が行き届いたマンションの見極め方も解説しているので、これから中古マンションを購入してリノベを検討している方は、物件選びの前にぜひ最後まで目を通してみてください。

ファイナンシャルプランナー
小日向 邦夫
一般社団法人 住宅購入支援協会 代表理事。住宅ローンの専門家。
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マンションの修繕費・修繕積立金とは?

マンションを買うとき、多くの人がまず気にするのは価格や間取りですが、長く安心して住むためには「修繕費・修繕積立金」を正しく理解しておくことが欠かせません。
特に中古マンションを買ってリノベーションを検討している人にとって、将来の修繕費用がどのように積み立てられているかは、物件選びの重要な判断材料になります。
修繕費・修繕積立金の基本的な役割
マンションの修繕費とは、建物や設備が古くなったときに直したり取り替えたりするための費用です。外壁の補修や防水工事、エレベーターや給排水管の交換など、共用部分の工事にまとまったお金が必要になります。
こうした大きな出費に備えるため、毎月少しずつ住民から集めてプールしておくお金が修繕積立金です。日々の清掃や管理人の人件費などに使われる「管理費」とは目的が異なり、「将来の工事のために計画的に貯めておく長期の貯金」とイメージするとよいでしょう。
なぜ「20年後・30年後」を見据えて確認すべきか
修繕積立金は、入居してすぐの数年だけでなく、築20年・30年と時間が経ったときに本領を発揮します。築年数が進むほど大規模な工事が増え、1回あたりの工事費も高額になっていくからです。
もし十分な積立ができていないと、将来の大規模修繕のタイミングで「一時金の徴収」や「マンション全体での借入」に頼る状況になり、住民一人ひとりの負担が一気に重くなる可能性があります。
中古マンション+リノベを検討する人は、「いまの金額が安いかどうか」だけでなく、「20年後・30年後に向けて無理のない計画になっているか」という長期目線で修繕積立金をチェックすることが大切です。
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マンション管理費との違いと、リノベ検討者が見るポイント
マンションの毎月の支払いには「管理費」と「修繕積立金」が並んで記載されますが、何となく眺めているだけでは、その違いも重要度も見過ごしがちです。
特に中古マンションを買ってリノベーションしたい人にとっては、「いまの管理状態」と「将来の修繕計画」の両方を見極める材料になるため、この2つの性質をはっきり分けて理解しておくことが大切です。
管理費と修繕積立金の違い
マンションの毎月の支払いに並んでいる「管理費」と「修繕積立金」は、名前が似ているため混同されがちですが、役割も使われ方も異なります。
中古マンションを購入してリノベを検討する人にとっては、「いまの暮らしを支えるお金」と「将来の大規模修繕に備えるお金」を分けて考えることが大切です。
まずは、それぞれの性質をコンパクトに整理しておきましょう。
| 管理費 | 修繕積立金 | |
|---|---|---|
| 概要 | 共用部の日常的な維持管理に使う費用 | 共用部の大規模修繕や設備更新に備えて積み立てる費用 |
| 支払うタイミング | 毎月支払う | 毎月(または定期的に)支払う |
| 使われるタイミング | 清掃や管理人業務などに随時使われる | 大規模修繕工事などが発生したときにまとめて使われる |
管理費は、共用部の電気代・水道代、清掃やごみ処理、管理人や警備会社への委託費など、マンションを日々運営するためのランニングコストをまかなうお金です。
一方で修繕積立金は、外壁や屋上防水、給排水管の更新、エレベーターの交換など、10〜15年単位で行う大きな工事のために、長期的に貯めておく費用と考えるとイメージしやすいでしょう。
金額の相場感や適正かどうかの判断については、このあと3章で最新データをもとに詳しく解説していきます。
管理状態の良し悪しが、リノベーションのしやすさに与える影響
同じ築年数のマンションでも、管理状態が良いかどうかで「リノベのしやすさ」や将来の安心感は大きく変わります。 管理費の水準だけでなく、共用部の清掃状況・掲示板の情報更新・エントランスや駐輪場の使われ方などを見れば、住民の意識や管理組合の機能ぶりがある程度わかります。
管理が行き届いたマンションは、設備トラブルが起きても対応がスムーズで、長期修繕計画の見直しも行われやすく、リノベ後も安心して暮らしやすい傾向があります。
反対に、共用部の劣化やゴミ放置が目立つ物件は、修繕積立金の不足や管理組合の機能不全が疑われ、せっかく室内をきれいにリノベしても建物全体の価値が下がりやすい点に注意が必要です。
マンション修繕積立金の相場・適正額の考え方

修繕積立金は「高い or 安い」という単純な比較ではなく、「そのマンションの規模・築年数・設備に対して適正かどうか」で見ていく必要があります。 ここでは、最新の平均額とガイドラインを押さえた上で、「自分が検討している物件の金額が妥当かどうか」をざっくり判断できるように説明します。
最新調査から見る平均額と相場感
まずは「全体として、いまどれくらいが平均なのか」を把握しておきましょう。
国土交通省「令和5年度マンション総合調査」によると、月/一戸あたりの修繕積立金の平均額は13,054円で、平成30年度の11,243円から約1,800円(約13%)増加。駐車場使用料などの充当分も含めた場合の平均額は13,378円とされており、ここ25年ほどで約1.8倍まで上昇していることがわかります。
つまり「月1万円ちょっと」が全体のざっくり平均ですが、近年は資材高騰や人件費上昇の影響で、じわじわと水準が上がり続けています。管理費と合わせると、月2万円台前半〜中盤くらいになるケースがもっとも多いという調査もあり、「今後さらに少しずつ上がる前提」で家計を考えておくのが現実的です。
出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査」令和6年6月21日公表
新築マンションを検討している人向けの注意点
新築マンションの場合、入居当初の修繕積立金は「一見安く見える」ように設定されていることが少なくありません。 しかし、これは販売時の負担感を抑えるためであり、築10〜15年あたりでガイドライン水準まで段階的に引き上げる前提になっているケースが多いです。
購入時に「思ったより安いからラッキー」と考えてしまうと、将来の大幅な値上げで家計が圧迫される可能性があります。 新築を検討している人は、現在の金額だけでなく「長期修繕計画でいつどれくらい上がる想定なのか」を必ず確認し、将来の負担まで含めてローン返済計画を組み立てることが大切です。
戸数・規模・築年数別のざっくり目安
修繕積立金は、戸数や建物規模・設備内容・築年数によって必要額が変わります。 たとえば、国土交通省のガイドラインや各社の試算をもとにすると、専有面積50〜70㎡程度の一般的なファミリータイプで、月1万〜2万円前後が「おおよその目安」とされています。
また、規模別に見ると、戸数が少ない小規模マンションでは一戸あたりの負担が高くなりやすく、100戸以上の大規模マンションではスケールメリットで抑えやすい傾向があります。
さらに築10年を超えたあたりからは、最初の大規模修繕に向けて金額を引き上げるケースが増えるため、「築浅なのに極端に高い・古いのに安すぎる」場合は、理由を確認するようにしましょう。
「安すぎる」「高すぎる」を見極めるチェックポイント
最後に、検討しているマンションの修繕積立金が「安すぎる/高すぎる」かを判断するための視点を整理します。
- 国交省の平均(月約13,000円)と比べて極端に安い
→「なぜこの金額でやっていけているのか」を確認。長期修繕計画の有無、将来の大幅値上げ予定、一時金前提になっていないかなどをチェック。
- 国交省ガイドライン(50〜70㎡で月1〜2万円前後)から大きく外れている
→ 面積あたりの単価や、戸数・設備(エレベーター複数台、大規模共用施設など)を踏まえて妥当かどうかを検討する。
- 築年数と金額のバランス
→ 築浅なのに高い場合は、「当初から適正額に近づけている」ストイックな運営の可能性があります。 一方、築20年以上なのに著しく安い場合は、過去の値上げが追いついておらず、将来の一時金や借入リスクを疑った方が安全です。
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長期修繕計画と積立方式のチェック方法
修繕積立金が「適正かどうか」を判断するには、金額そのものだけでなく、その金額がどんな計画とルールに基づいて決まっているかを見ることが大切です。 この章では、重要事項説明書や長期修繕計画書を開いたときに、最低限どこを確認すればよいかを押さえていきます。
長期修繕計画書で最低限チェックすべき項目
中古マンションを検討する際は、まず「長期修繕計画書が作成されているかどうか」を確認するところから始めましょう。 目安としては、少なくとも今後20〜30年程度の計画があり、いつ・どの共用部分を・いくらくらいの費用で修繕する想定なのかが示されていると安心です。
その上で、最低限チェックしたいポイントは次のとおりです。
- 計画期間:何年先までの修繕が見込まれているか(例:30年程度が標準的)
- 工事項目と時期:外壁・屋上防水・給排水管・エレベーターなどの大きな工事が、いつ頃予定されているか
- 工事費の見積額:一戸あたりに換算した場合、おおよそいくら必要とされているか
- 積立金の見通し:現在の積立残高と、計画通りに積み立てた場合に将来不足が出ないか
国土交通省の調査では、「長期修繕計画に基づいて修繕積立金を設定している」と回答した管理組合は7割強にとどまり、残りは近隣の水準を参考にした分譲時の設定のまま…などの理由でした。
計画そのものがない、もしくは工事費の見積額と積立金のペースが明らかに合っていない場合は、将来の一時金徴収や借入リスクが高まるため、慎重に検討した方がよいでしょう。
均等積立方式・段階増額方式とは
修繕積立金の設定方法には、大きく分けて「均等積立方式」と「段階増額方式」の2種類があります。 どちらの方式かによって、今後の負担の増え方が大きく変わるため、購入前に必ず確認しておきたいポイントです。
| 均等積立方式 | 段階増額方式 | |
|---|---|---|
| 概要 | 計画期間を通じて毎月ほぼ同じ額を積み立てる方式 | 一定期間ごとに段階的に積立額を増やしていく方式 |
| メリット | 支払い額が安定し、将来の負担を見通しやすい | 入居当初の負担を抑えやすく、販売時の印象が良い |
| デメリット | 新築〜築浅期は「やや高め」に感じやすい | 後半に負担が重くなりやすく、急な値上げを招きやすい |
国土交通省は本来、長期的な負担を平準化できる「均等積立方式」を推奨していますが、実際には販売時の印象を重視して段階増額方式を採用しているマンションもまだ多く存在します。
中古マンション+リノベを検討する場合、「今の金額が安いのは、過去からの段階増額がまだ途中だからではないか?」という視点を持っておくと、将来の負担を読み違えにくくなります。
将来の値上げリスクを読み解くコツ
将来の値上げリスクを見極めるには、「今の金額」だけでなく、「計画上どのタイミングでいくら必要になる想定なのか」をセットで見ることが重要です。
特に段階増額方式のマンションでは、10年ごと・大規模修繕の前後などに大きな増額が予定されているケースが多いため、長期修繕計画書や管理会社の説明で確認しておきましょう。
チェックのコツとしては、次のような点が挙げられます。
- 長期修繕計画に「修繕積立金改定」の記載があるか(いつ・どの程度上げる想定か)
- 現在の積立残高と今後の積立予定額を合計しても、大規模修繕の見積額に足りていない年がないか
- 過去にすでに何度も一時金徴収や借入をしていないか(管理組合の総会議事録などで確認)
こうした情報を踏まえると、「今は適正に見えるが、数年後に一気に値上がりする予定のマンション」と、「今からやや高めに積み立てて、将来の値上げ幅を抑えているマンション」を見分けやすくなります。
中古+リノベを前提とするなら、リノベ後も無理なく暮らし続けられるよう、ローン返済と修繕積立金の“将来の合計額”まで含めて検討するのがおすすめです。
購入前に必ず確認したい「修繕積立金」チェックリスト
ここまでの内容を踏まえて、「このマンションの修繕積立金は大丈夫そうか?」を購入前に判断するためのチェックポイントを紹介。
ここでは専門家でなくても目を通せる範囲に絞っているので、不動産会社やリノベーション会社などと一緒に、実際の書類を見ながら確認していくイメージで使ってください。
重要事項説明書・長期修繕計画書のどこを見るか
中古マンション購入時には、「重要事項説明書」と「長期修繕計画書(あれば)」をセットで確認することが大切。 難しそうに感じるかもしれませんが、まずは次のポイントだけ押さえれば十分です。
- 修繕積立金の現在の月額
→ 重要事項説明書の「管理費等」の欄に記載されています。
- 過去・将来の改定予定
→ 「修繕積立金改定のお知らせ」や「総会議事録」で、過去の値上げ履歴や今後の増額予定が書かれていないかをチェック。
- 長期修繕計画の有無と計画期間
→ 作成されているか、何年分の計画があるか(20〜30年程度あると安心)。
- 大規模修繕の予定時期と工事項目
→ 外壁・屋上防水・給排水管・エレベーターなど、大きな工事がいつ頃予定されているかを確認。
書類の細かな数字まですべて理解しようとする必要はなく、「計画があるか」「大きな工事の時期と費用感が書かれているか」の2点だけでもチェックしておくと、リスクの高い物件を避けやすくなります。
修繕積立金の残高・滞納状況・借入の有無
「今どれだけ積み立てられているか」「ちゃんと集金できているか」を確認します。 これは主に、管理組合の決算書や管理会社からの資料で把握できます。
- 修繕積立金の残高
→ 大規模修繕の予定時期が近いのに残高が少ない場合は、将来の一時金徴収や借入の可能性が高くなります。
- 滞納額・滞納戸数
→ 修繕積立金や管理費の滞納が多いマンションは、そもそも資金が計画通りに集まらず、修繕が遅れたり内容が縮小されたりするリスクがあります。
- 借入の有無(残高)
→ すでに大規模修繕で借入をしている場合、返済のために今後の積立額が高めに設定されることがあります。
不動産会社に「このマンションの修繕積立金の残高や滞納状況、借入があるかどうかを教えてください」とストレートに聞いてしまって大丈夫です。
数値が完璧に読めなくても、「残高がほとんどない」「滞納が多い」「借入が大きい」といったキーワードが出てきた場合は、一度立ち止まって検討し直すサインと考えましょう。
「この条件がそろっていたら要注意」なパターン
最後に、「検討を急がず、一度立ち止まった方がよい」典型的なパターンをいくつか挙げます。 すべてがダメというわけではありませんが、複数当てはまる場合は、リノベ費用や将来の負担も含めて慎重に判断した方が安心です。
- 修繕積立金が相場(専有面積50〜70㎡で月1〜2万円前後)より極端に安いが理由がない
- 長期修繕計画が存在しない、または計画期間が短く大規模修繕の予定が記載されていない
- 修繕積立金の残高が少なく、近い将来に大規模修繕が予定されているのに、一時金や借入の話が具体化していない
- 管理費・修繕積立金の滞納額が大きい、滞納戸数が多い、過去に回収トラブルがあった
- 共用部の劣化やゴミ放置が目立つなど、日常の管理状態が明らかに良くないのに、「修繕費がほとんどかかっていない」と説明される
こうしたチェックポイントを押さえておくと、「安いからお得そう」という印象だけで決めてしまうリスクを減らせます。
リノベ視点で考える:どのマンションを選ぶべきか
ここまで見てきた修繕積立金の知識を、実際の「物件選び」にどう活かすかを整理していきます。価格や間取りだけでなく、修繕積立金と管理状態をセットで見ることで、「リノベした後も安心して暮らせるマンションかどうか」がグッと判断しやすくなります。
修繕積立金が安いマンションを選ぶリスク
毎月の支出を抑えたい人ほど、「修繕積立金が安いマンション」は魅力的に見えますが、ここにはいくつかのリスクが潜んでいます。とくに、国交省の平均(月約1.3万円)やガイドラインの目安(1㎡あたり約200円)と比べて極端に安い場合は、理由を必ず確認したいところです。
修繕積立金が安すぎるマンションでは、次のような事態が起こりやすくなります。
- 大規模修繕の前後で資金が足りず、一時金徴収や借入が必要になる
- 必要な工事の範囲を削ったり、時期を先送りしたりして、建物の劣化が進む
- 結果として資産価値が下がり、将来の売却時に価格面で不利になる
リノベで室内をどれだけきれいにしても、外壁や共用部の修繕が十分に行われなければ、マンション全体としての印象や評価は上がりません。
「毎月の出費が安くてラッキー」ではなく、「なぜこの金額でやっていけているのか?」という視点から、長期修繕計画や積立金の残高をチェックすることが大切です。
「やや高いが管理が良いマンション」のメリット
一方で、「平均よりやや高めだけれど、管理が行き届いているマンション」は、リノベとの相性が良いケースが多くあります。 共用部がきれいに保たれ、長期修繕計画もしっかり作られている物件は、将来の大規模修繕も計画的に実施されやすく、建物全体の価値が維持されやすいからです。
具体的には、次のようなメリットが期待できます。
- 外観・共用部の印象が良くなり、リノベした室内との一体感が出る
- 給排水管やエレベーターなどの設備更新が計画的に行われ、トラブルが起きにくい
- 将来売却する際も、「管理が良いマンション」として評価されやすい
「中古+リノベ」で長く暮らすことを前提にするなら、「目先の支払いが安い物件」よりも、「やや高めでも、長期的に安心できる運営がされている物件」を選んだ方が、トータルの満足度は高くなりやすいです。
物件を見学するときは、価格表だけでなく修繕積立金の水準と管理状態をセットでチェックする癖をつけておくとよいでしょう。
修繕積立金が上がる主な理由と将来の負担イメージ

「なぜこんなに値上げされるのか?」という不安を減らすには、修繕積立金が上がる仕組みと背景を理解しておくことが重要です。 特に物価高騰が続く今は、昔の感覚のまま「このくらいで十分だろう」と考えると、将来の不足リスクを見落としやすくなります。
新築時にやすく設定されている理由
新築マンションの修繕積立金は、販売時の印象をよくするために、あえて低めに設定されているケースが少なくありません。 大規模修繕が本格的に必要になるのは築10〜15年以降のため、「しばらくは大きな工事がない=当初は少なめでも回る」という前提で、入居初期の負担を抑える設計になっているのです。
その代わり、多くの新築マンションでは「段階増額方式」が採用されており、築年数の経過に合わせて少しずつ、あるいは大きく積立額を引き上げていくことが前提になっています。
国土交通省も、初期額と最終額のバランスに上限・下限を設ける仕組みを検討しており、購入時の安さだけを見て判断すると、10年後・20年後に想定外の負担増に直面する可能性がある点には注意が必要です。
ガイドライン改定・物価高騰による相場上昇
修繕積立金が全国的に増額傾向にある大きな理由が、「ガイドラインの改定」と「建築コストの高騰」です。 国土交通省は2020年代に入って「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を見直し、目安額を従来より約5割引き上げていますが、その背景には多くのマンションで積立不足が問題化している現状があります。
さらに、建築資材や人件費の高騰も、工事費そのものを押し上げています。 外壁塗装や防水工事に必要な塗料・防水材・足場、給排水設備の配管材料などが軒並み値上がりしており、建築費指数もここ数年で大きく上昇。 その結果、「昔の水準のままでは、必要な修繕がまかなえない」マンションが増えており、管理組合としても積立金の見直し(=値上げ)を避けにくい状況です。
築年数が進むほど工事費が増えやすい構造
修繕積立金が上がるもう一つの理由は、築年数が進むほど「必要な工事の規模・内容」が重くなる構造にあります。築10年頃までは比較的軽い補修が中心ですが、20〜30年にかけて外壁補修・屋上防水の全面やり替え、給排水管の更新、エレベーターのリニューアルなど、大きな工事が立て続けに必要になります。
しかも、建物の劣化が進んでからまとめて工事を行うほど、足場設置や補修範囲が広がり工事費はかさみがち。そのため、築年数が進んだマンションでは、「直近の大規模修繕で資金をほとんど使い切り、次の工事に向けて早めに積立額を増やしていく」というパターンです。
修繕積立金が払えない・不足している場合の対処法

修繕積立金はマンションの資産価値と直結する重要なお金ですが、「払えない」「足りない」という状況がゼロになることはありません。 ここでは、個人として支払いが苦しくなったとき、そしてマンション全体で不足してしまったときの代表的な選択肢を紹介します。
個人として払えないときに取れる選択肢
家計が厳しくなり管理費や修繕積立金の支払いが難しくなった場合、 そのまま放置すると滞納が膨らみ、最悪の場合は差し押さえや競売につながる可能性もあるため、早めの対応が欠かせません。
取れる主な選択肢は次のとおりです。
- 管理会社・管理組合に早めに相談する
→ 一時的な遅延であれば、分割払いや支払いスケジュールの調整に応じてもらえるケースがあります。
- 家計の固定費を見直す
→ 通信費や保険料の見直し、車の維持費削減など、他の固定費を削ることで支払余力を捻出できる場合があります。
- 住宅ローンや借入の条件を見直す
→ 借り換えや返済期間の延長などにより、月々の返済額を抑えられれば、その分を管理費・修繕積立金に回すという考え方もあります。
- どうしても支払いが難しい場合は、売却やリースバックも検討
→ 滞納が長引く前に、負担の軽い物件へ住み替えたり、自宅を売却して賃貸として住み続けるリースバックを利用する選択肢もあります。
「少し厳しいけれど、何とかなるだろう」と先送りせず、支払いが難しくなりそうだと感じた段階で、金融機関や不動産会社、専門家へ相談することが損失を最小限に抑えるポイントです。
大規模修繕時に不足していた場合のパターン
マンション全体として修繕積立金が不足している場合、管理組合は主に次のような選択肢から対応を検討します。
- 一時金を徴収する
→ 不足分を各区分所有者から一括で負担してもらう方法です。工事費をスムーズにまかなえる一方、住民の負担が大きく、反対意見が出やすいというデメリットがあります。
- 金融機関から借入れを行う(修繕ローン)
→ 不足額をまとめて借り入れ、毎月の修繕積立金から返済していく方法です。一時金よりも合意を得やすい一方、利息負担が発生し、今後の積立額も高めに設定される傾向があります。
- 大規模修繕計画の見直し・工事内容の調整
→ 工事の実施時期をずらしたり、優先度の高い工事から順に行うなど、計画自体を見直す方法です。ただし、先送りが続くと劣化が進んで結果的に費用が増えるリスクもあるため、専門家の助言を受けながら慎重に判断する必要があります。
どの方法にもメリット・デメリットがあるため、「なぜその方法を選ぶのか」「今後の積立金はどう変わるのか」を、総会資料や説明会でしっかり確認しておくことが大切です。
住み替え・リノベーション・ローン見直しなどライフプランの選択肢
修繕積立金の負担が重く感じ始めたときは、「このマンションにこのまま住み続ける前提」で考えるだけでなく、ライフプラン全体から選択肢を整理してみるのも一つの方法です。
例えば、次のような方向性が考えられます。
- 住み替えを検討する
→ 修繕積立金や管理費の水準が家計に合わないと感じた場合は、負担の小さいマンションや戸建てへの住み替えを検討するのも一つの手です。築年数や立地を見直すことで、総コストを抑えられるケースもあります。
- リノベーションの範囲や予算を調整する
→ リノベ費用を少し抑え、将来の修繕積立金の増額分に備えて資金を確保しておくという考え方もあります。無理のない範囲で「いまやること」と「将来のために残すお金」のバランスを取ることが重要です。
- 住宅ローンや他の借入を見直す
→ ローンの借り換えや返済条件変更で月々の返済負担を軽くできれば、その分を管理費・修繕積立金に振り向ける余地が生まれます。ファイナンシャルプランナーに相談しながら、老後資金とのバランスも含めて考えると安心です。
修繕積立金は、「いまだけでなく、10年後・20年後の負担も含めて付き合っていくお金」です。 中古マンション+リノベを検討する段階で、将来の増額や不足リスクも視野に入れながら、自分たちのライフプランと無理なく両立できるかどうかを考えることが、後悔しない物件選びにつながります。
マンションの修繕費・修繕積立金に関するQ&A
まとめ
マンションの修繕費・修繕積立金は、「安ければお得」ではなく、将来の大規模修繕をきちんとまかなうための“必要コスト”であることを押さえておくことが大切です。 読み方を知っておくと、「安すぎて危ない物件」と「やや高いが管理が良い安心な物件」を見分けやすくなります。
とはいえ、個別の物件ごとに妥当かどうかを判断するのは簡単ではありません。ゼロリノベでは、「安心して買える中古マンションかどうか」をプロが解説する無料オンラインセミナーを開催しています。 中古マンション+リノベを前提に、予算の決め方や物件の見極め方を学びたい方は、ぜひセミナーもチェックしてみてください。
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編集後記
薮私の場合、マンションの大規模修繕完了後に修繕積立金、管理費ともに若干値上がりしました。昨今の建材費や人件費の高騰影響などもあるかと思います。資金計画に余裕をもっておくと、こうした出費増の時にも安心ですね。



ゼロリノベで物件を購入される場合はまず、安心予算を明確にすることから始まります。その予算の中で物件にかける金額を決めますが、必ず修繕積立金や管理費を踏まえた相談をおうちナビゲーターにしてください。過去の経験から金額の妥当性をアドバイスしてくれるでしょう。







