家が高すぎて買えない?住宅価格高騰の理由と今後の見通し・現実的な対策

「家が高すぎて買えない」と感じる人は少なくありません。
主な理由は、住宅価格の上昇、金利上昇、年収と希望条件のズレの3つです。
そのうえで対策としては、新築にこだわらないこと、資金計画を見直すこと、エリアを広げることが現実的です。
ここ数年で住宅価格は大きく上昇し、年収だけでは手が届かないと感じる人が増えています。特に新築マンションや都心の一戸建ては、以前と比べて明らかにハードルが高くなりました。
では、なぜここまで住宅価格は上がったのでしょうか。そして、この状況はいつまで続くのか。さらに、「買えないまま」で終わらないためにはどうすればいいのでしょうか。
この記事では、住宅価格高騰の理由、今後の見通し、そして現実的な対策まで整理して解説します。
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家が高すぎるのはなぜ?住宅価格高騰の理由
住宅価格がここまで上がっている背景には、いくつかの要因があります。
まず大きいのは、建築費の上昇です。木材や鉄鋼などの資材価格が高騰し、人手不足による人件費の上昇も重なり、住宅の供給コスト自体が上がっています。
さらに、円安の影響や都市部への需要集中も価格を押し上げています。首都圏では新築マンションの平均価格が1億円に迫る、あるいは超えるエリアもあります。
2025年以降は金利上昇局面にも入り、住宅購入のハードルは「物件価格」と「返済総額」の両面で上がっています。
また、都心のマンションだけでなく、郊外の戸建てや地方都市の物件まで値上がり傾向が広がっています。
「子育てしやすい環境で」「駐車場付きの戸建てがいい」といった希望が、金額の面でなかなか叶わなくなっているのが現実です。
ここ1年の新築・中古マンション/一戸建ての市場価格一覧と推移の最新情報はこちらからご覧いただけますので参考にしてください。

住宅価格は今後どうなる?高騰はいつまで続く?
今後の住宅価格については、「エリアによって二極化が進む」と考えられています。
都心・駅近は高止まりの可能性
利便性の高いエリアは需要が強く、大きく下がる可能性は低いと見られています。資産性を重視する層の需要も継続しています。
郊外・地方は価格調整の可能性
一方で、人口減少や空き家増加の影響により、郊外や地方では価格が下がる可能性があります。空き家は全国で増加しており、中古住宅の流通は今後さらに増えていく見込みです。
人口減少と空き家増加で今後は家が少し買いやすくなる?
総務省の国勢調査関連資料によると、日本の人口は減少傾向にあり、2040年には現在より1,000万人以上少なくなると見込まれています。
また、国土交通省「令和5年 住宅・土地統計調査」では、全国の空き家数が約900万戸、空き家率が13.8%と過去最高を記録しており、今後さらに増加すると思われます。
さらに、空家特措法の改正により、管理不全な空き家は固定資産税の住宅用地特例が外れる可能性があり、空き家を持ち続けるコストへの意識も高まっています。
これらの状況を踏まえると、今後は中古住宅の流通が増えることが予想されます。特に郊外や地方では、築年数の古い物件を中心に価格調整が進むかもしれません。
そのため、新築や築浅にこだわらなければ、今後は中古住宅を中心に選びやすくなる可能性があります。
都心や駅近物件などは高騰が続く可能性も
一方で、都心や駅近といった利便性の高いエリアでは依然として住宅需要が根強く、価格が高止まりする傾向が続く可能性があります。そのため、住宅購入をこれから検討する際は、地域特性や市場動向を冷静に見極めたうえで判断することが重要です。
こうしたエリアの物件は価格が下がりにくい特性があるため、将来的な資産価値を重視する方にとっては選択肢となり得ます。
しかし一方で、無理なローン設定や返済計画を立ててしまうと、家計全体に大きな負担を与えかねません。購入を検討する際には、金利上昇リスクやライフプランの変化(教育資金や老後資金など)を十分に織り込んだ資金計画を立てることが重要です。
建築費高騰と人手不足という業界の構造的な課題
住宅価格の上昇には、資材費や人件費の増加も大きく影響しています。コロナ禍以降、木材や鉄鋼などの建築資材の価格は高騰を続けており、建築コスト全体を押し上げています。
加えて、国土交通省の「建設労働需給調査」によれば、建設業界では深刻な技能労働者不足が続いています。特に若年層の担い手不足が顕著で、この人手不足が今後も解消されなければ、住宅供給コストの高止まりにもつながりかねません。
家が買えない人の共通点【見落としがちなポイント】
「家が買えない」と感じる理由は、単に価格の問題だけではありません。
実際には、次のような共通点があります。
・年収に対して物件価格が高すぎる
・新築や駅近など条件を下げられない
・資金計画を立てずに判断している
このように、条件と現実のバランスが合っていないケースも多く見られます。
つまり、「買えない」のではなく、「買い方や選び方が最適化されていない」可能性もあるのです。
そのため、まずは自分がどの条件なら買えるのかを整理することが重要です。
住宅価格以外にもある!家が買えない理由
家を買えない理由は、「住宅ローン審査に通らない」「収入や雇用の不安定さ」といった住宅価格以外にもあります。
住宅ローン審査に通らない|「借りられないから、買えない」人たち
「金利が低いからチャンス」と言われることもありますが、住宅ローン金利は上昇局面にあり、借りられる人でも返済負担は以前より重くなっています。
そのため、住宅ローンを組むためには金融機関の審査をクリアする必要がありますが、この審査は年々厳しくなっています。
特に影響を受けているのが、自営業やフリーランス、副業をメインにしている人たちです。
収入が不安定と判断され、審査に通らなかったり、希望額よりかなり少ない金額しか借りられなかったりすることもあります。また、勤務年数が短かったり、転職して間もなかったりすると、それだけでもマイナス評価につながるケースがあります。
収入や雇用の不安定さ|「この先、ずっと返せる自信がない」
住宅ローンは数千万円単位のお金を30年以上かけて返済していく長期契約です。つまり、家を買うということは、長期にわたって安定した収入を見込めるかどうかが前提になります。
しかし、たとえ正社員で働いていても、業績不振によるボーナスカットや早期退職勧奨、企業のリストラなど、将来の安定的な収入が保証されているとは言い切れません。フリーランスや非正規雇用で働いている人にとっては、なおさら不安が大きくなるでしょう。
以西「教育費や老後資金、親の介護費用など、他にもお金がかかるから住宅ローンは重荷だ」と感じる人も少なくありません。家を買ったことで家計のやりくりが苦しくなり、好きな旅行にも行けない、子どもに習い事をさせてあげられない、というような生活になるのは避けたいという心理も大きく働いています。
年収別|いくらの家なら現実的に買える?
では、「自分はいくらまでなら現実的に家を買えるのか」を考えてみましょう。
一般的に、住宅ローンの借入額の目安は年収の5〜7倍程度と言われています。(借入期間35年前提の目安値です)
例えば、次のようなイメージになります。
・年収400万円 → 約2,000万〜2,800万円
・年収600万円 → 約3,000万〜4,200万円
ただし、これはあくまで目安であり、金利や他の支出(教育費・老後資金など)、頭金の有無によって「無理なく返せる金額」は大きく変わります。
「年収の何倍までなら安全か」や、具体的な返済シミュレーションについては、年収別の住宅ローン目安を解説した記事も参考にしてみてください。


家が買えない場合の対策は?
先述したとおり、理由はさまざまであれ「家が買えない」人にとってはその対策が気になるところです。
この章では家が買えない場合の対策を3つご紹介します。
収入が少ない場合の対策:フラット35の活用
住宅金融支援機構が提供する「フラット35」は、年収の制限が比較的緩やかで、かつ金利が固定です。そのため将来の収入増加が見込みにくい場合などに有力な選択肢となります。
2024年度の制度改正では、省エネ住宅などを対象とした金利優遇も強化されています。子育て世帯や若年夫婦世帯を対象に、子どもの人数等に応じて一定期間借入金利を引き下げる「子育てプラス」の制度も拡充されました。このような優遇制度を活用することで、総返済額を圧縮できる可能性もあるため、事前に細かいシミュレーションを行うことをおすすめします。
収入が少ない・不安定な場合の対策:ペアローンの活用
ペアローンとは、夫婦で2つの住宅ローンを組むことを言います。配偶者がパートでも一定の条件を満たせば合算できるケースも多く、借入可能額を大きくする助けになります。
ただしデメリットもあるため、起こりうるリスクを事前に把握しておくことが必要です。


ローン審査厳正化への対策:信用情報・クレジットスコアの改善
住宅ローン審査では、クレジットカードの支払い遅延歴、消費者金融からの借入残高、携帯端末の分割滞納などが信用情報に記録されていると、審査に落ちる可能性が高まります。(CICなどの信用情報機関に登録されている内容は5年間保管されます)
支払いの遅延を避け、不要な借入を減らすことで、徐々に信用情報は改善されます。半年〜1年かけて地道に「信用」を積み上げる姿勢が重要です。
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本当に「今」家を買うべきか?判断するためのポイント
今後の住宅価格の動向が把握できたところで次に気になるのは、家を買うタイミング。家を買いたい人も、本当に「今」買うべきなのか?が気になるところでしょう。
住宅購入を考えるうえで、誰もが一度は立ち止まるこの問いには、実際のところ明確な正解はありません。人生設計や家族構成、収入状況、そして住みたい地域によって最適なタイミングは異なると言えます。
そこで、ここからは「今買うべきかどうか?」を判断するふたつのポイントについて解説します。
持ち家と賃貸の長期的なコスト比較と価値観の見極め
資産にならない賃貸住宅で「家賃を払い続けるのはもったいない」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。しかし、実際には賃貸と持ち家にはそれぞれに異なるコスト構造とメリット・デメリットがあります。
・初期費用が持ち家に比べて少ない
・主な支出は毎月の家賃と管理費のみ
・入居時には敷金・礼金・仲介手数料が必要で、数年ごとに更新料がかかる場合がある
・修繕費などは貸し主が負担するため、臨時費用がかからない
・家賃を払い続けても資産にはならない
・家族構成やライフプランにあわせて住み替えがしやすい
・購入時に頭金や諸費用などの初期費用がかかる
・固定資産税や修繕費などの維持費が発生する
・マンションの場合は管理費や修繕積立金が必要
・転居や売却には手間とコストがかかる
・将来的にローンを完済すれば自身の資産になる
・リフォームなどが自由にできる
・「自分の家である」という安心感がある
比べてみると「どちらが得か」で考えると答えを出すのが難しいことがわかります。自分のライフスタイルや価値観に合っているのはどちらかを基準に考えることが大切です。
「家族が増える」「転勤の可能性がある」「資産として残したい」など、ご家庭ごとの目的によって最適な選択肢は変わります。


将来的に買うための準備とタイミングのジャッジ
今すぐに買うのが難しいと感じている人も、「いつかは持ち家を」と考えているなら、計画的な準備が不可欠です。
資金計画は年収の推移や貯蓄ペースを可視化し、「いつ(何年後)までにいくら用意する」という逆算式で準備が可能です。家を買うまでの一時期の間だけではなく、生涯のライフプランをファイナンシャルプランナーと計画立てておくことで安心感が高まりますよ。
また購入するタイミングは、ご家庭ごとのライフプランに大きく左右されます。結婚・出産・子どもの進学などのタイミングで住まいを変える人が多く、「買って落ち着きたい」というニーズが強くなります。
一方で、仕事の都合やライフイベントに応じて引っ越しが必要になる可能性があるなら、無理に家を買うよりもフレキシブルに動ける賃貸の方が向いている場合もあります。



子どもが産まれても家を買うことにこだわらず、子どもが小さい間は成長にあわせて住み替えができる賃貸住宅で過ごし、老後に夫婦で住める居心地のいい小さな家を買う、という選択肢もありますよ。




家が買えない人が「今」考えてみるべきこと
新築・中古のマンションと一戸建ての市場価格を比較してみると、やはり中古に比べて新築の物件は価格が高くなります。
特に首都圏・関西圏では新築マンションの価格が7,000万円〜1億円を超えるエリアも珍しくなく、「購入希望はあるが、金額的にどうしても無理」という声も多いのが事実です。
家が高すぎると感じている人でも、条件を工夫することで買える選択肢は見つかります。
ここでは、中古購入×リノベーションなどを組み合わせて、新築よりコストを抑えつつ理想の暮らしを実現している事例をいくつかご紹介します。
新築にこだわらず中古・リノベーションを活用する
このような場合の対策のひとつは、中古物件・リノベーションの活用を検討すること。築20〜30年の中古戸建てなら、場所によっては手頃な価格の物件も存在します。
「新築は高くて無理だけど、中古なら…」と考える人は多いものの、「古い=不便・ボロい」といったイメージでためらう方も少なくありません。ですが、今は中古住宅を自分好みにリフォーム・リノベーションすることで、“価格を抑えつつ理想の住まいを実現する”ということが可能です。
実際に筆者も中古住宅を購入し、リノベーションをして住むという選択をしました。その際の金利の選び方など、詳しくは以下の関連記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。


また、国や自治体の補助金制度を活用することで、リノベーション込みでも新築より大幅に安くなるケースもあります。住宅リノベーションに対する最新の支援制度についてはこちらでご確認できるので参考にしてください。


地方や郊外の物件にも目を向けてみる
その他、地方移住を検討したり郊外へ目を向けるのもいいでしょう。同じ予算でも都市中心部から離れることで、価格は2〜3割下がることもあります。
近年はテレワークの普及により職住分離が可能なライフスタイルも広がっているため、思い切って移住するというのもひとつの方法ですね。
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よくある質問|家が高すぎて買えないときの疑問
まとめ|「家を持つこと」が目的ではなく、「どう暮らすか」が本質
「家が買えない」という言葉に、どこか諦めや後ろ向きな響きを感じてしまう人も多いかもしれません。でも実は、そこには「より良い暮らしを模索しようとする前向きな問い」が隠れています。
社会が大きく変化するいま、「マイホーム=人生のゴール」とは言い切れない時代になっています。住宅を持つことは、あくまでも人生をより豊かにする手段のひとつであり、「どこで・誰と・どう暮らすか」の延長にある選択肢です。
資産形成や老後の安心感のために家を持つという考え方もあれば、あえて住宅に縛られずに自由に生きたいという価値観もあります。どちらも間違いではなく、「どんな暮らしがしたいか」を軸に、自分自身の答えを見つけていくことが重要です。
編集後記



今は“買う・買わない”より、“準備する”ことが重要
「今は買えない」と感じることは決して悪いことではありません。むしろ、焦らずに情報収集をし、ライフプランを立て、資金を準備する時間を確保できるチャンスです。
買えるかどうかではなく、“買うに値する人生設計ができているか”。その視点で準備を進めることが、後悔のない住まい選びにつながっていきますよ。









