1LDKリノベーションはこんな人向き!費用・相場・事例で解説
今の間取りを、1LDKにリノベーションしようか迷っていませんか。
実は、ここでご紹介する1LDKリノベーションの特徴を理解すれば、自分にその間取りが合っているか、リノベーションが必要かどうかがわかります。
この記事では、1LDKリノベーションが誰に向いているか、暮らす人数、メリットデメリット、事例や費用などについてお伝えしていきます。
そのためこの記事を読めば、自分にとって1LDKにリノベーションすることが合っているかどうかわかるでしょう。
ぜひこの記事を住まいづくりの参考にお役立てください。
おさらい:1LDKが指す間取りとは
1LDKとはリビング、ダイニング、キッチンに加え1部屋(通常寝室)を指します。そのため、人数としては、1〜2名程度で暮らすのがおすすめです。また、現在子供が小さく将来子供部屋が必要な場合は、55㎡〜65㎡程度の専有面積があると後々余裕をもって個室を追加することができるため、物件探しをする場合は広さについて確認をしておきましょう。
一級建築士
西村 一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
「1LDK」リノベーションは誰に向いている?
1LDKリノベーションは、オシャレにシンプルに、効率的に暮らしたい1〜2名暮らしの場合におすすめです。理由については各章で、
・メリットデメリット
・事例
・費用
の順にご説明します。
部屋をつなげるリフォームに向いている人
同じ1LDKにするにしてもリフォームの方が向いている人もいます。それは、費用をなるべく抑えたい方や、空間のデザイン性を重視しない方、水回り設備が今のままでも問題ない方などです。
これらに該当する場合は、空間全体にアプローチするリノベーションではなく、壁を壊して部屋をつなげる部分リフォームが費用を抑えられるためおすすめです。
詳しく知りたい方は、リフォームとリノベーションの違いについて説明しているこちらの記事をご確認ください。
次に、1LDKにリノベーションするメリットデメリットについてお伝えします。
「1LDK」リノベーションのメリットデメリット
1LDKリノベーションのメリットデメリットは、それぞれ下記の通りです。
・メリット
・部屋が細かく分かれていないので意思疎通しやすい
・掃除がしやすい
・空間を見渡せるので開放感がある
・デメリット
・プライベートは確保しにくい
・住まいが広すぎると冷暖房に時間がかかる
・物が多いと収納しきれない可能性がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1.1「LDK」リノベーションのメリット
・部屋が細かく分かれていないので意思疎通しやすい
・掃除がしやすい
・空間を見渡せるので開放感がある
部屋が細かく分かれていないので意思疎通しやすい
1LDKにリノベーションすることで会話の意思疎通がしやすくなります。2LDKや3LDKと比べ、部屋が細かく分かれていないことで、少し大きな声を出せば相手に声が届きます。
掃除がしやすい
掃除がしやすかったり、掃除の手間が省きやすいのも1LDKの特徴です。例えば、上図のように段差をなくした1LDKなら、お掃除ロボットが部屋の隅から隅まで掃除をしてくれるのでホテルライクな生活が可能になります。
掃除の手間を省き、効率的に暮らしたいなら1LDKの間取りを検討していみてはいかがでしょうか。
空間を見渡せるので開放感がある
1LDKは間取りがシンプルで空間を見渡せるため、開放感があります。2LDKや3LDKの間取りを1LDKにした場合、通常リビングとダイニングを広く確保することが可能なため、広さを感じやすいと言えます。
また、リノベーションで空間全体のテイストも整い、見渡したときの満足感も得られることでしょう。部屋数が多く窮屈に感じている場合は、1LDKの間取りが向いているかもしれません。
2-2.「1LDK」リノベーションのデメリット
・プライベートは確保しにくい
・住まいが広すぎると冷暖房に時間がかかる
・物が多いと収納しきれない可能性がある
プライベートは確保しにくい
1LDKは2名で暮らす場合、プライベートを確保しにくい間取りと言えます。リビングダイニングがメインで過ごす場所になり、残りは寝室となるためです。
もしプライベートを確保したいという場合は、寝室に机を置けるような作業スペースを確保した設計にすることをおすすめします。
住まいが広すぎると冷暖房に時間がかかる
1LDKは1つの空間が広くなるため、広すぎると部屋を温めたり冷やしたりするのに時間がかかります。リノベーションする場合は、今まで使っていたエアコンではなく、広くなる分大型のエアコンを設置することをおすすめします。
また、窓を二重サッシにするなど、外気の影響を受けにくくすることで、暑い寒いの振れ幅を狭くするなどの工夫を検討してみましょう。
物が多いと収納しきれない可能性がある
1LDKは物が多いと収納しきれない可能性があります。1LDKは通常寝室などに使用する1部屋しかないためです。服や物が多い場合は、別途ウォークインクローゼットなどの収納のための空間を用意することも検討しておきましょう。
「1LDK」にリノベーションした4つの事例
ここでは、もともとの間取りから1LDKの間取りにリノベーションした事例を広さ順にご紹介します。
39.1㎡キッチンを大移動したリノベーション
48.6㎡夫婦2人の1LDK+ウォークインクローゼットのリノベーション
58.8㎡で夫婦2人のカフェのようなリノベーション
68.3㎡夫婦+子供1人の大空間リノベーション
3-1.広さ39.1㎡キッチンを大移動したリノベーション事例
もともとは2Kの間取りの物件でした。こちらの事例の工夫点は、水回りを1つの空間にぎゅっとつめこんで、その分リビングダイニングを友人を招いてもくつろげるほどの広さを確保した点です。
お施主様の声
「友人を呼べる部屋というのが希望でした。空間を広く使い、コの字型のカウンターキッチンにして、人と話しながら、テレビを見ながら、作業ができるように設計していただきました。リビングの大きなソファ、朝日が差し込む窓のあるベッドルームも気に入っています。」
3-2.広さ48.6㎡夫婦2人の1LDK+ウォークインクローゼットのリノベーション事例
もともとは2LDKの間取りの物件でした。こちらの事例の工夫点は、思い切って浴室をシャワールームにしたことです。これにより、キッチン設備に費用を注げるようになり、空間の広さもリビングダイニングで確保することができました。
お施主様の声
「キッチンが広くなって、料理が段違いにしやすくなったので、お酒や料理をすぐ出して食べて飲んで、足りなくなったらすぐ取り出して、みたいに楽しんでます。」
3-3.広さ58.8㎡で夫婦2人のカフェのようなリノベーション事例
もともとは3LDKの間取りの物件でした。工夫点は、寝室とウォークインのスペースを最小限にして、キッチンやその他の空間を広く確保したことです。これにより、開放的で、でも料理にはこだわれる空間になりました。
お施主様の声
「ひとつの空間で音楽をずっと聴いていてもとぎれないし、夫婦どちらかが離れた場所にいても、緩やかに仕切られているだけだから、大きい声を出せば聞こえるから話せるし、とても住みやすいです。」
3-4.広さ68.3㎡夫婦+子供1人の大空間リノベーション事例
もともとは3LDKの物件でした。こちらの事例の工夫点は、リビングダイニングを最大限確保するために、寝室を最低限寝るだけの空間とし、床下にも収納をつけた点です。一般的な間取りでは見ることのできない大きな1LDKとなりました。なお、将来お子様が大きくなったら個室を作る予定です。
お施主様の声
「空間に、畳の部屋とか小部屋とか作ると狭くなるので、それがないようにしたいなっていうのはありました。小上がりみたいのも良いなとちょっと思っていたのですけど、そういうのを置いちゃうと将来の自由度が狭くなるし、将来への 自由度が確保できたのでイメージ通りだし満足しています。」
「1LDK」にしたリノベーション費用の面積別一覧表
*一般社団法人リノベーション協議会からピックアップした事例の費用相場
*各金額は平米毎の「費用上位4事例の平均〜費用下位4事例の平均」
実はリノベーションの費用は3LDK→1LDKなどのように、間取りの変更内容で決まるのではなく、専有面積(㎡)と工事規模(表層かスケルトンか)、入れる設備によって決まります。
そのためまずは、リノベーションを検討している物件の広さ(㎡)を確認することをおすすめします。
また今回は、一般社団法人リノベーション協議会に登録しているリノベーション会社の施工事例の中でも、1LDKにしたリノベーションの費用から相場を面積ごとに算出しました。
結果としては、50㎡の物件でも268万円で施工可能であり、こだわれば1,100万円以上の費用がかかることがわかりました。
大幅に費用が異なる表層リノベーションとスケルトンリノベーションの違いについては次章でお伝えします。
4-1.表層・スケルトンの違いと費用の増え方について
一般的にリノベーション費用は、面積と設備に比例して金額が上昇します。それに加えて、工事範囲によっても大きく変わります。
工事範囲の種別は2つあり、それが、表層リノベーションとスケルトンリノベーションです。
費用を抑えるならば、表層リノベーションがおすすめですが、物件が古い場合は、排水管からの漏水リスクもあるため、床下まで全て新品になるスケルトンリノベーションも検討しましょう。2つの違いは下記の通りです。
表層リノベーションはおしゃれなリフォームの意味合いが強い
表層リノベーションは、水回りの移動や床下配管などはいじらず、表面的にリノベーションをするため、おしゃれなリフォームというニュアンスで使われることの多い言葉です。費用としては、床下や大幅な間取り変更も少ないため、スケルトンリノベーションよりも費用が安く収まります。
スケルトンリノベーションは大規模工事をする王道リノベーション
スケルトンリノベーションは例えばマンションの場合、コンクリートの箱の状態にまで内装を解体、撤去し、全てを新品に入れ替え、間取りも自由に変更するリノベーションです。
これをスケルトンリノベーションやフルリノベーション、あるいはただリノベーションと言ったりもします。床下まで新品になり水回りのや間取りの大幅変更も可能で、費用は表層リノベーションよりも高くなります。
物件の築年数が20年前後以上であり、一度も排水管関係を取り替えていない場合は、漏水リスクが高まっているため、水回り設備の交換や間取りを変更するリノベーション時に同時に交換することをおすすめします。
あとで床下の排水管のみ変更しようとなると、せっかくキレイにはったフローリングを切断して床下の排水管を交換することになる場合もあります。
配管について詳しく知りたい方は、中古マンションの配管寿命について説明しているこちらの記事をご確認ください。
リノベーションの費用について詳しく知りたい方は、中古マンションのリノベーション費用について説明しているこちらの記事をご確認ください。
また、リノベーションの費用を抑える方法については、リノベーション費用を抑える方法について説明しているこちらの記事をご確認ください。
4-2.賃貸に出す物件のリノベーションはもっと安くすることが可能
賃貸に出す物件のリノベーションの場合、費用は算出に使用した事例よりも、もう少し抑えることが可能です。方法は2つです。
4-2-1.材料や設備を安いものから選ぶ
リノベーション費用を決めるポイントは大きく分けて4つあります。
床や壁、キッチン、お風呂などの設備、造作です。これらはリノベーションの工事費用の大きな部分を占めているため、選び方によって、費用を大きく下げることができます。
リノベーションの費用を抑える方法については、リノベーション費用を抑える方法について説明しているこちらの記事をご確認ください。
4-2-2.セルフリノベーションを行う
セルフリノベーションとは、業者や職人に頼らず、自分でリノベーションをすることを指します。
DIY好きの人が好んで室内全てを行う場合もありますが、リノベーションを部分的に自分で行い、費用を削減する場合にも行われます。初心者でも行える箇所はあり、場合によっては数十万円規模の減額も可能です。
より詳しくは、セルフリノベーションについて説明しているこちらの記事をご確認ください。
まとめ
リビングダイニングなどを広くゆったり確保できる1LDKリノベーションは、1~2人でオシャレにシンプルに効率的に暮らしたい方に向いています。部屋が細かく分かれていないため、声も届き、掃除がしやすく、空間も見渡せて開放感もあり、リノベーションをすることで空間の統一感もあるためです。
ただし、プライベートの確保や冷暖房、収納スペースの確保などが必要だと感じた場合は、1LDKの間取りにこだわらず、設計担当者に相談をしましょう。
費用については、表層リノベーションの方が安く収まりますが、物件で一度も床下の配管を交換していない場合は、漏水リスクが高まっているため、スケルトンリノベーションをおすすめします。
詳しくは、中古マンションの配管寿命について説明しているこちらの記事をご確認ください。
自分にあった間取りのリノベーションで理想の住まいを手に入れましょう。
関連:中古マンションのリノベーションについて詳しく説明している記事
関連:中古戸建てのリノベーションについて詳しく説明している記事
編集後記
以前3DKのアパートに暮らしていたのですが、私たち家族だけでなく隣人も、扉を外して押し入れにしまい2LDKまたは1LDKとして生活していました。ライフスタイルにもよりますが、空間はあまり区切りすぎない方が過ごしやすい気がしています。子どもがいる場合でも、「広さ68.3㎡夫婦+子供1人の大空間リノベーション事例」のように、将来個室を作れるようにしておくというのも賢い選択ですね。
「間取り成功のお手本!デンマーク風の作りこみ過ぎないリノベ事例」の記事も参考になります。ぜひご覧になってみてくださいね。
ゼロリノベでは、家族構成や広さに関わらず1LDKの間取りは非常に多くポピュラーです。一口に1LDKといっても空間の在り方はさまざま。施工事例から多種多様な住まいを覗いてみてください!
1LDKは機能性や実用性の高さから需要が高いため、ライフステージに合わせて将来的に売却を考えている人にもおすすめの選択です。資産価値を考えた上での選択としても魅力的だと感じます。