中古マンションは何年住める?築30年以降の物件の寿命やメリット・デメリットを解説
最初に結論をお伝えすると、マンションの物理的寿命は100年以上と考えられています。そのため、単純計算では「築30年のマンションには70年以上住める」ことになります。
ただし、全てのマンションで70年以上住めるというわけではありません。適切な修繕、メンテナンスをして管理状態を維持していることがポイントです。
この記事では、プロ目線で下記を解説していきます。
物件購入を検討される際にぜひお役立てください。
宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟
宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。
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マンションは何年住める?RC造マンションは100年以上
国土交通省がまとめた資料「RC造(コンクリート造)の寿命に係る既往の研究例」のなかで紹介されている資料によると、RC造のマンションの場合、約100年以上の耐久性があると考えられています。
鉄筋コンクリート造建物の物理的寿命を117年と推定
(飯塚裕「建物の維持管理」鹿島出版会)
上記の数値より、築50年のマンションを購入したとしても50年は住めると言えるでしょう。
>>関連記事:築50年マンションは買って大丈夫!不動産のプロ教える後悔しないための見分け方
1-1.築30年のマンションを30歳で買うと何年住めるか
日本人男性の平均寿命は、令和2年の厚生労働省の調査によると「81.64歳」なので、現在30歳の男性なら残りの寿命は約52年です。
仮に中古マンションの物理的寿命を100年とすると、築30年の中古マンションを購入した場合、残りの物理的寿命は約70年と言えるでしょう。
1-2. 築30年以上の中古マンションの物件数
欧米には100年以上前に建てられたマンションが活躍しているのに、どうして日本にはそういった長い寿命のマンションがないのだろうと疑問ですよね。
地震が多い国だからなのでしょうか?
実は地震が多いからではなく、日本でマンションを一般供給しはじめたのが「1963〜1964年」だからです。
つまり、まだ60年弱しか経過していないために「単純に」歴史あるマンションがないということです。よって築30年以上の中古マンションは、今後、時間の経過とともに増えてくるでしょう。
国土交通省の資料によると、2021年で築30年以上のマンションストックが249.1万戸に対し、5年後は331.6戸、10年後は425.4戸と今後は右肩上がりに増えていく見込みです。
参考:築後30,40,50年以上の分譲マンション数(2021年末現在/2022年6月28日更新)
築30年のマンションは「新耐震基準」
築30年以上のマンションを選ぶ際に気をつけたいのが耐震基準です。
1981年6月に新耐震基準(震度7の地震で倒壊しない)が始まりました。設計段階で新耐震基準に対応していることを考慮すると1981年6月前後に建築されたマンションは、新耐震基準の過渡期であり、個別に確認する必要があります。
現在で築30年のマンションは、「新耐震基準」であると考えて問題ないですが、旧耐震基準=危険な建物と考えるのは早計です。
これまでの修繕で耐震補強が行われていたり、新耐震基準に準じるような対応がされていたりしている可能性があるためです。
管理状態を維持しているマンションであれば安心して長く住める物件がたくさんあります。
詳しくは6章「長寿命マンション「2つの特徴」とは?」」で説明いたします。
1-2 .マンション寿命が長くなりつつある理由
近年、マンションの寿命は長くなりつつありますので、その理由を本章では紹介します。
- 技術の発展
- フローからストック型社会への転換
順に解説します。
理由(1)技術の発展
マンションの寿命が長くなっている理由として、技術の発展が考えられます。
具体的には、劣化していた箇所の鉄筋の張り替え、フレッシュコンクリートの注入や表面にポリマーセメントモルタルを塗布をして、築80年の鉄筋コンクリート造をリノベーションした結果、寿命は60年程度プラスされ、築140年まで伸長すると認定されたケースも出始めています。
上記のような技術の発展により、マンションの寿命が長くなりつつあるとわかります。
理由(2)フローからストック型社会への転換
マンションの寿命が長くなってきた理由として、日本社会がフローからストック型社会へと転換したことが挙げられます。
高度経済成長の時代は、新しい技術を盛り込みながら、スクラップ&ビルドと呼ばれる「壊しては建てる」を繰り返して、経済成長を促していた側面があります。
こういったことから当時は「住宅寿命は30年」と言われていました。
ところが、バブル崩壊でデフレ時代に入ると、簡単に建て替え・買い替えができなくなり、徐々に「新しいもの」から「今あるものを活かす」という価値観に変わりつつあります。
よって建物を壊すのではなく、新しい価値観と適切な管理や新たな技術で、建物の寿命は今後も延びていくと考えられるでしょう。
1-3.マンションの「耐用年数」と「寿命」の違い
前述した通り、マンションは100年以上の耐久性があると考えられているにも関わらず、「マンションの寿命は47年」としばしば言われます。
これは、「耐用年数」と実際のマンションの「耐久年数」とで混同しているからと考えられますので、本章では「耐用年数」と「耐久年数」の2つの言葉の定義を明確にしていきましょう。
耐用年数|会計的マンション寿命
マンションの耐用年数とは、ひと言でいえば、価値としての寿命と言えます。
税法上、会計上の話で、通常の維持補修を加えるという条件下で、減価償却資産が利用に耐えられる年数のことです。中古マンションの場合は、築47年です。
つまり「住める?住めない?」という物理的にコンクリートが維持される年数ではありません。
耐久年数|物理的マンション寿命
マンションの耐久年数とは、想定する通常の使用方法にて問題がなく使用できる期間のことです。
先ほども話した通り、国土交通省がまとめた資料「RC造(コンクリート造)の寿命に係る既往の研究例」のなかで紹介されている資料により、中古マンションの寿命は、十分に100年以上あると考えられています。
このように、インターネットの情報は「耐用年数」と「耐久年数」が入り混ざって話されているので混乱しています。
単純にマイホームという視点で見たときは「物理的にいつまで住める?」という耐久年数を意識しましょう。
中古マンションの建て替えが実現しにくい3つの理由
実際にマンション建替えが行われたのは、過去〜2022年4月1日時点でわずかに270件です。
参考:国土交通省|マンションに関する統計・データ等:マンション建替えの実施状況(2022年4月1日時点/2022年6月28日更新)(PDF)
つまり、建替えを希望しても実現しない場合がほとんどといえます。。これには下記の3つの要因があげられます。
- 区分所有者及び議決権の各5分の4以上の議決
- 余剰容積率がないと過大な費用を負担する
- 人気エリアの場合に限る
順に紹介します。
2-1.区分所有者及び議決権の各5分の4以上の議決が必要だから
マンション建て替えの合意形成はかなり難しいです。なぜなら5分の4以上の議決が必要だからです。
建物の老朽化が進むと住民も高齢者が多くなります。その場合、管理組合が機能していない・面倒なことをしたくない・建て替え費用を負担できない…など感情的なことや経済的なことも含め、様々な反対が起こります。
とくに「ここで一生を終える」という高齢者の意見が多いようです。そのため、5分の4以上の議決をとることは至難の技といえます。
2-2.余剰容積率がないと過大な費用を負担することになるから
マンションを建て替えるにしても持ち出しは嫌ですよね。そのため、これまでに行われた建て替えは、以前よりも大きな建物をつくり、増えた部分を売りに出して建築費用をまかなっていました。
ただ問題なのは容積率(その土地に建設できる建物の延べ床面積を定めたもの)です。
なぜなら容積率が余っていなければ、それ以上、延べ床面積を増やせないからです。つまり、売りに出すための部分をつくれないため建築費用をまかなえません。
1960〜1970年くらいまでの建物は敷地を余裕を持って使用していたため、容積率が余っている場合もありますが、それ以降の建物は容積率いっぱいでつくっている場合が多いです。
こうなると建て替えの際に多額の持ち出しが必要になります。よって余剰容積率がないマンションは、合意形成が難しい傾向にあります。
2-3.買い手が見つかりやすいのは人気エリアに限るから
余剰容積率があり、持ち出しすることなく建て替えられたとしても安心はできません。
なぜなら、増えた部分が売れなければ建て替え費用を回収できないからです。莫大な債務だけが残ります。
つまり、「以前よりも大きな建物をつくり、増えた部分を売りに出して建築費用をまかなう」方法は、売りに出したとき買い手が見つかりやすい「人気エリア」に限られるということです。
同潤会アパートの古いものは、ろくなメンテナンスもされてこなかったにもかかわらず、七〇数年にわたって住み継がれてきた。メンテナンスをしてこなかった寒冷地マンションならいざ知らず、戦後マンションで、老朽化して建替えなければならないものは、老朽化と補修費用の過分性をめぐって最高裁まで争われた建物を含めて、一棟もないと私は考える。
「マンションはいつまで住めるか (2004年) 著・藤木良明」より
つまり、ほとんどの建て替えケースは、建物の寿命というより「建て替えた方が利益になる」という経済的メリットがあったために合意形成がとれたと言えます。
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建て替えせずに寿命を迎えたマンションのリスク
安心性のあるマンションに住んでいれば現世代は関わらないことかもしれません。しかし、相続していった次の世代にはどんな負担がかかるのでしょうか?
相続したマンションは最後、次のいずれかになる可能性があります。
- 建替
- 更地後に売却して残ったお金を分配
- 企業などに売却して企業が別の用途として再利用
- 放置
上記はいずれも住人の経済的メリットがなければ合意形成は難しいため、放置が多くなると言われています。いわゆる「空き家」です。
これは戸建の場合も同様で、需要のあるエリアでなければ買い手は見つかりにくく、空き家として放置されます。
マンションの場合、放置したとしても管理・修繕積立金がかかると言われていますが、現実的には建物の終末になると「メンテナンスすることもなくなるだろう」と予想されます。
とはいえ、戸建てもマンションも固定資産税はかかるので維持費用は少なからず必要です。ただし行政も傍観しているわけではありません。空き家は国レベルの問題なので、相続放棄や寄付などの法整備が議論・検討されています。
いずれにせよ、リスクを小さくするためには「需要のあるエリアの建物を選ぶ」ことがポイントです。
>>関連記事:首都圏の有名ヴィンテージマンション25選|その魅力とデメリットを物件のプロが解説
築30年のマンションを選ぶ5つのメリット
築30年のマンションを選ぶメリットを5つ紹介します。
- 価格が安い
- 価格の下落が起きづらい
- 管理状態の把握がしやすい
- 新耐震基準で建てられている可能性が高い
- 税制改革で住宅ローン控除が受けやすい
4-1.メリット(1)価格が安い
築30年以上のマンションを選ぶ1つ目のメリットは、価格が安いことです。新築のマンションに比べて、築30年のマンションは価格が抑えられていることが多いです。
これは、建物の年数が経過するにつれて需要が下がるからです。予算の制約がある方にとっては魅力的な選択肢となるでしょう。
4-2.メリット(2)価格の下落が起きづらい
築年数30年のマンションを買う2つ目のメリットとして、価格の下落が起きづらいことが挙げられます。
築30年のマンションは既に一定の年数が経過しているため、価格の下落が起きにくい傾向があります。
これは、築30年以上のマンションは需要が安定しているということを意味しますので、将来的な資産価値の減少を心配する必要が少なくなるでしょう。
>>関連記事:中古マンションの値下がりは築25年が目安!購入時期の見極め方を解説
4-3.メリット(3)管理状態の把握がしやすい
管理状態の把握がしやすいことも築年数30年以上のマンションを買う際のメリットといえます。
築30年以上のマンションは、長い間にわたって管理されてきた結果、管理状態が明確になっています。
例えば、共用部の設備や修繕積立金の状況といった情報は、入居前に詳細に把握できます。これにより、将来的な修繕費用の見積もりや管理組合の信頼性を判断できるでしょう。
4-4.メリット(4)新耐震基準で建てられている可能性が高い
4つ目の築年数30年以上のマンションを買うメリットは、新耐震基準で建てられている可能性が高いことです。
築30年以上のマンションは、建築基準法の改正により新耐震基準を満たすように修繕されている場合が多いです。
これにより、地震などの自然災害に対する安全性が高まります。また、新耐震基準を満たすために行われた工事は、建物の耐久性を向上させる効果もあります。
4-5.メリット(5)税制改正で住宅ローン控除が受けやすい
築30年以上のマンション購入は税制面でのメリットが加わりました。
2021年末までは、住宅ローン控除の要件が「築年数25年以内」でしたが、2022年の税制改正で「築年数の制限が撤廃」されたからです。
住宅ローン控除 | 入居した年(2022年・2023年) | 1年間の控除額 | 最大控除額 | |
借入限度額 |
・認定住宅(長期優良住宅・低炭素住宅) | 3,000万円 | 21万円 | 210万円 |
その他一般中古住宅 | 2,000万円 | 14万円 | 140万円 | |
控除率 | 0.7% | |||
控除期間 | 10年間 | |||
所得要件 | 2,000万円以下 | |||
床面積要件 | 50㎡ |
住宅ローン控除の税制改正により、一般的な中古住宅の場合は10年間で最大140万円の控除が受けられます。
築年数が30年以降の中古マンションを買う3つのデメリット
前章では築年数30年以降の中古マンションを購入するメリットを紹介しましたが、本章ではデメリットを3つ紹介します。
- 大規模修繕が必要な場合がある
- 管理費や修繕積立金が値上がりする場合がある
- リフォーム費用が高くなる場合がある
順に紹介します。
5-1.大規模修繕が必要な場合がある
築30年以上のマンションは大規模修繕が必要な場合があることが1つ目のデメリットです。
築年数が30年以上経過している中古マンションは、建物の老朽化が進んでいる可能性があるからです。
具体的には、外壁や屋根の補修、給排水設備の更新といった、高額な費用がかかる修繕工事が必要になる可能性があります。
これらの修繕費用は、購入時には予想できないため、予算に余裕を持って検討する必要があります。
5-2.管理費や修繕積立金が値上がりする場合がある
築年数が30年以上経過している中古マンションは、管理費や修繕積立金が値上がりする場合があるのもデメリットとして挙げられます。
1つ目のデメリットでも触れましたが、マンションは築年数が経過していると、共用部分の設備や施設の老朽化が進んでいることが多いです。
特に、大規模修繕の際に修繕積立金が適切に積立されていないと、追加徴収や修繕積立金が急増する場合があります。
これにより、住宅費負担が増える可能性があるため、将来の負担を考慮して購入を検討する必要があります。
5-3.リフォーム費用が高くなる場合がある
築年数が30年以上経過している中古マンションは入居後にリフォームが必要となる場合があります。
例えば、キッチンやバスルームの交換、床や壁のリフォームなど、費用のかかる改修工事が必要になります。
これらのリフォーム費用は、購入時には予想できないため、予算に余裕を持って検討する必要があります。
>>関連記事:【2024年最新】リノベーション会社のおすすめ27選!各社の特徴と選び方のポイントを解説 #リノベーション会社
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長寿命マンション「2つの特徴」とは?
ここまで話してきたことを踏まえると「寿命100年を越すようなマンションを選ぶ」ことがポイントです。
では、マンションは何を基準に選べばいいのでしょうか?実は、長寿命マンションには以下のような2つの特徴があります。
- 長期修繕計画を作成して運用している
- 環境に合わせた修繕計画がある
それぞれ紹介します。
6-1 .長期修繕計画を作成して運用している
長寿命マンションの特徴として、長期修繕計画を作成して運用していることが挙げられます。
管理・修繕で特に重要なのは、コンクリートの補修です。コンクリート(アルカリ性)は鉄筋や鉄骨が錆びて劣化しないように保護しています。
しかし、雨水などによってコンクリートの中性化が進んでしまうと内部の鉄筋部分が錆び(酸化)を引き起こします。そうなってしまったら建物の弱体化がはじまります。
このようなことがないように長期修繕計画を作成します。計画に沿って修繕することでマンションの耐久性は劇的に向上します。
一方で、計画的に修繕しないマンションの耐久性は劇的に下がります。
よって、長寿命のマンションを選びたい場合は、長期修繕計画を作成しているか、その計画は運用されているかを確認しましょう。
6-2. 環境に合わせた修繕計画がある
2つ目の長寿命マンションの特徴として、環境に合わせた修繕計画があることが挙げられます。
マンションの寿命は、環境も影響してきます。なぜなら環境によってコンクリートの修繕・管理の方法が変わるからです。
例えば、マンションが海の近くに位置しているなら、塩害対策が必要です。
また、日当たりや風通しも少なからず関係します。よって、その環境に合わせた修繕計画がなされているかを確認しましょう。
築30年以上のマンションで後悔しないための注意点
築30年以上のマンション選びで後悔しないためには、次のようなポイントに注意しましょう。
- 1960年〜1970年代に建築された中古マンションかチェックする
- 修繕積立金の積立状況をチェックする
- 空室状況をチェックする
- 資産価値を考慮するなら立地と値下がり時期に注意する
- 専有部分の配管工事は行われているか確認する
- 実際に中古マンションを購入した人の口コミをチェックする
順に紹介します。
7-1.1960年〜1970年代に建築された中古マンションかチェックする
築30年以上のマンションを選ぶ際に注意したいのは、1960~1970年代に建造されたマンションかどうかです。
この年代のマンションの中には、当初のころ修繕計画が作成されなかったため、しばらく何も直していなかった、という可能性もあります。
ただし、この年代のものが全部そうだったわけではないため、気に入ったマンションがあった場合は、必ず長期修繕計画の確認をしましょう。
7-2.修繕積立金の積立状況をチェックする
築30年以上のマンションを購入する際は、修繕積立金の積立状況をチェックするように注意してください。
修繕積立金とは、マンションの大規模修繕のために毎月管理組合から徴収されるお金です。
新築でも中古でも、マンション購入費とは別に所有している間は徴収されます。月に一戸あたり12,268円が平均額としての目安です。
修繕積立金の積立額が、長期修繕計画に足りていないマンションは34.8%に上ります。うち不足の割合が20%超のマンションは15.5%もあります。(参考:国土交通省「平成30年度 マンション総合調査」)
積立金に不足があると、計画した必要な時期に工事ができなかったり、大規模修繕工事の直前に修繕金を追加徴収されたりするおそれがあります。積立金はマンション戸数の空室率も関係してきます。
どのくらいの積立額が必要なのか、一般的には長期修繕計画に記載があるため、物件を仲介する担当者に確認してもらうと安心です。
7-3.空室状況をチェックする
築30年以上のマンションを購入する際は、空室状況をチェックするようにしましょう。
上述でも触れましたが、マンション全体の空室状況を確認することは修繕積立金の徴収割合を知る目安になります。空室率が高いと、計画通りに積立金が集まっていない可能性が高いです。
積立金の不足は、将来的に必要な修繕工事が実施できなかったり、大規模修繕の直前に追加徴収されることにもつながったりするため、過去に遡りある程度の空室状況を仲介担当者や管理会社に確認してもらいましょう。
7-4.資産価値を考慮するなら立地と値下がり時期に注意する
築30年以上のマンションを購入する際に、資産価値を考慮する場合は立地と値下がり時期に注意しましょう。
物件の資産価値を考慮する場合には、次の点に注意してください。
- 立地のよいマンションを選ぶ
- 値下がりが止まったマンションんを選ぶ
順に紹介します。
7-4-1.立地のよいマンションを選ぶ
将来的にも資産価値が下がりにくい物件を探すには、立地条件のよいマンションを選択肢に入れましょう。
駅近で利便性が高く立地条件がよければ、築年数が古くてもニーズが見込める可能性があります。将来的に売却や賃貸に出す可能性を考慮するなら立地条件のよいマンションがおすすめです。
7-4-2.値下がりが止まったマンションを選ぶ
中古マンションは築25年〜30年で値下がりが止まる傾向にあります。さらに、立地が良い物件は再び値上がりすることもあるため、資産価値としても期待できます。
築浅物件ほど購入価格は高い反面、売却時には値下がりしてしまう可能性があります。
購入時と売却時のマンション価格の差額を小さくしたいなら、値下がりが止まった築25年〜30年の中古マンションを選ぶのがおすすめです。
7-5.専有部分の配管工事は行われているか確認する
居住空間となる専有部分の配管工事が行われているかも、築30年以上のマンションを購入する時のチェックポイントです。
配管の素材によって交換目安時期は異なりますが、現在多く使用されている「硬質塩化ビニルライニング鋼管」の場合、15〜30年で劣化する可能性があります。
築後、リフォームで配管の工事をした履歴があるか、配管の素材は何を使っているかなど事前に確認できるとよいでしょう。
必要があれば壁紙や床板のリフォーム、リノベーションと併せて入居前に工事をすることが長く暮らす上ではおすすめです。
7-6.実際に中古マンションを購入した人の口コミをチェックする
築30年以上のマンションを購入する際は、実際に中古マンションを購入した人の口コミを確認しましょう。
購入する中古マンションを決める際に、上記のようなさまざまな判断を自分で行うことに不安を感じるでしょう。
そのため、実際に購入した人ならではの気づきや発見を、口コミによって追体験しておくと、後悔の少ないマンション購入ができやすいです。
建物だけではなく、住環境も含めて口コミなどをチェックするのもよいでしょう。ただし、口コミは個人の価値観の捉え方による部分もありますので、客観的に判断することも忘れないように注意してください。
マンションの住める年数に関するよくある質問
マンションの住める年数や築年数に関するよくある質問を紹介します。
- マンションって何年住めるの?
- 築20年のマンションを買って後悔することはある?
- 築30年のマンションって買っても後悔しない?
- 長く住めるマンションってどう見極めるの?
- 築40年・50年のマンションを買っても大丈夫?後悔しない?
順に答えますので、同じような疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてください。
8-1.マンションって何年住めるの?
RC造(コンクリート造)マンションは100年以上の耐久性が十分にあると言われています(国土交通省がまとめた資料より)。詳しくは「コンクリートの物理的寿命は100年以上」をご覧ください。
8-2.築20年のマンションを買って後悔することはある?
前述していますが、マンションの寿命は100年以上と言われているので、安心性・安全性においては築20年のマンションで後悔することはないといえます。
しかし、築20年のマンションにも下記のようなデメリットはあります。
- ローンの融資期間が短くなる可能性がある
- 将来売却しづらくなる可能性がある
上記のようなデメリットより、後悔することもあることも押さえておきましょう。
8-3.築30年のマンションって買っても後悔しない?
マンション寿命は100年以上と言われており、良質な管理が行われていれば築30年以上でも安心して住むことができます。詳しくは「コンクリートの物理的寿命は100年以上」、「長寿命マンション「2つの特徴」とは?」をご覧ください。
8-4.長く住めるマンションってどう見極めるの?
築年数が古くても長く住めるマンションを見極めるために以下のポイントを確認しましょう。
- 長期修繕計画を作成して運用している
- 環境に合わせた修繕計画がある
詳しくは「長寿命マンション「2つの特徴」とは?」をご覧ください。
8-5.築40年・50年のマンションを買っても大丈夫?後悔しない?
築40年や50年を超えているマンションを購入する場合、古さゆえのリスクを理解していれば後悔することはないといえます。
逆に下記のような古さゆえのリスクを知らない・把握していない場合は、後悔してしまうので注意してください。
- 耐震性能が低い
- 断熱性能が低い
- 各種設備のスペックが低い
- 管理不全の場合の費用がかかりすぎる
上記のようなリスクを把握した上で築40年・50年以上のマンションを買うようにしましょう。
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まとめ
この記事では、築30年のマンションにあとどれくらい住めるのか不安をお持ちの方が後悔しない物件選びをするために、下記を紹介しました。
- マンションの寿命は100年以上あること
- マンションの建て替えが実際には少ないこと
- 築30年以降のマンションのメリット・デメリット
- 長く住めるマンションの特徴
- 築30年以上のマンションで後悔しない注意点
築年数が経っていても、立地条件によっては資産価値が続く可能性も高く、将来的な売却・賃貸にも優位になることが考えられます。
ただし、物件の管理状況によっては寿命が想定よりも短くなってしまうリスクもありますので、修繕履歴を事前に確認することが大切です。
ぜひ本記事を参考に、築年数が30年以上経っている中古マンションの購入を検討してみてはいかがでしょうか。
しかし、物件の良し悪しを判断するためにはプロの目線が不可欠です。ゼロリノベでは、無料オンラインセミナーを毎週開催しており、ブログでお伝えしきれない長寿命物件の選び方や、無理のない予算の考え方についてもお話しています。
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