リノベーションとは?リフォームとの違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説!
おしゃれなイメージで最近広まっているリノベーション。
しかし、どのようなものかイメージしにくいと思っていませんか。
リノベーションは、今までの建物に”新しい価値”を与えるため、その建物の中身全体を作り変えるプロジェクトのことを指します。
リフォームとリノベーションの違いは、以下の通りです。
- 今までの建物に”新しい価値”を与える=リノベーション
- 設備交換や原状回復のみ=リフォーム
新しい価値とは、中古の住まいに暮らしたい家族が、より暮らしやすくなるよう、設計専門職が新たに図面を起こし、家族に合わせて大幅に間取りを変更し、ライフスタイルにあったデザインに空間全体のテイストを調和させるものです。
これら一見分かりにくいですが、一級建築士として1,000物件以上に携わってきた経験から、リフォームとの違いや費用、リノベーションのメリットデメリット、流れ、注意点、会社の選び方まで全体像をまとめています。
この記事を読めば、リノベーションの全体像を把握し、自分に向いているかどうかがわかります。
今後の住まいのためにも、この記事を保存してご活用ください。
リノベーションとはどういう意味?リフォームとの違いをわかりやすく解説
リフォームとリノベーションの大きな違いは、「原状回復」か「新しい価値のためにつくり変えるのか」のどちらかです。
リフォームの場合、設備の交換や壁を壊すので、営業職が担当します。
一方リノベーションは設計専門職が担当し、どのような暮らしを目指すのかという視点からスタートします。
1-1.リノベーション|住まいに新しい価値を与える
リノベーションとは、住宅に限った意味で言うならば、今までの住まいに新しい価値を与えるために、その住まい全体を作り変えるプロジェクトのことを指します。
価値というのは、住む人たちのこれからの暮らしの要望を叶えるような間取りやデザインに住まい全体を設計し直すことです。
リノベーション協議会では、「中古住宅に対して、機能・価値の再生のための改修、その家での暮らし全体に対処した、包括的な改修を行うこと。」と定義されています。
1-1-1. 大きく分かれる2種類のリノベーション
上記の言葉の意味とは別に、リノベーションは2種類に分類されます。
- 中古物件の購入or今の家を、リノベーション”する”もの
- リノベーション済み物件の購入
物件の完成、引渡しまでのプロセスが異なり、メリットデメリットも異なります。
今までの説明のものが中古物件の購入or今の家をリノベーション”する”場合です。
これから住む人の要望をリノベーション会社などの設計担当者がヒアリングし、オリジナルの間取り、デザインで作り上げます。
オーダーメイドのため、自分たちの好きな設備、デザイン、間取りで暮らしたい方に向いています。
リノベーション済み物件は、住む人は設計に関与しません。
また、「リノベーションマンション」や「リノベ済み物件」などと呼ばれ、不動産会社やリノベーション会社が中古物件を購入し、社内の設計担当者が「こんな間取りがいいはずだ」と設計・工事をして売り出しています。
オーダーメイドではないため、ある程度キレイであれば良いという方に向いています。
1-1-2.リノベーションの費用相場
リノベーションの費用相場を一般社団法人リノベーション協議会からピックアップした61社154事例を下記の表にまとめました。
表層リノベ (万円/税別) | スケルトンリノベーション (万円/税別) | ||||
40平方メートル | 業界相場 | 346~338 | 680~850 | ||
当社 | 220~380 | BASIC 820~900 | PLUS 94 | ||
50平方メートル | 業界相場 | 362~447 | 700~920 | ||
当社 | 255~385 | 920~1020 | 1070~ | ||
60平方メートル | 業界相場 | 379~450 | 704~1436 | ||
当社 | 268~398 | 1020~1140 | 1020~ | ||
70平方メートル | 業界相場 | 371~457 | 767~1504 | ||
当社 | 303~432 | 1120~1260 | 1330~ | ||
80平方メートル | 業界相場 | 399~595 | 880~1708 | ||
当社 | 316~446 | 1220~1380 | 1460~ |
表層のみの表層リノベーションと全体を作り変えるスケルトンリノベーションでは、費用が大きく異なります。
相場よりも大幅に安い場合、設備交換だけのリフォームが必要になるかもしれません。
費用が大幅にずれている場合はサービス内容を確認しましょう。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
1-2.リフォーム|新しかった状態や新築時の見た目に近づける
リフォームとは、老朽化した建物を新築時に戻す、近づけるためのプロジェクトのことです。
長期間人が住んでいると、外装の劣化や水回りを始めとした設備の劣化・損傷などは避けられません。
そこで、リフォームでは汚れていたり壊れていたりする部分を修繕し、新築に近い状態に回復させます。
具体的な作業内容としては、外装の塗りなおしや壁・床の張り替え、水回りの設備変更などが挙げられます。
1-3.リノベーションとリフォームには名称が多いので注意
リノベーションとリフォームは名称が多く、会社によって使用目的が異なります。
下記の表に、混同しやすい用語をまとめました。
混同しやすいリノベーション・リフォーム用語一覧 | ||
名称 | 意味 | |
全体工事 | ・リノベ―ション ・フルリノベーション ・スケルトンリノベーション | 床下を含め、住まい全体を作り変える (給排水管・電気・ガスなど) |
・フルリフォーム | 床下含む大規模な工事 ただし、リノベーションほどのデザイン性は期待できない | |
部分工事 | ・部分リノベーション | 一般的なリフォームと同じ意味合いで使われる |
・表層リフォーム ・表層リノベーション | 今ある間取りをベースに床下は触らず、表面を変更するリフォームやリノベーション |
リフォーム会社のなかには、集客のためにリノベーションとうたっているケースもあります。
デザイン性を重視するなら事例や実績を確認しましょう。
ゼロリノベで施工したリノベーション事例は以下の記事で紹介します。
また、リノベーションによる空間すべての解体撤去を、スケルトン工事、スケルトンリノベーションやフルリノベーションと呼ばれることもあります。
リノベーションは、言葉の意味も厳密に決まっておらず、会社によって示す意味が異なるため、依頼する場合は何をしてくれるのか、サービス内容を確認しましょう。
リノベーションはなぜ注目されている?3つの理由を紹介
昨今、リノベーションは大きな注目を集めています。実際に2006~2016年の10年間で新築マンションの販売件数は約半分となっており、中古マンションの成約件数は増加しています。
では、具体的にどのような理由で注目されているのでしょうか。
今回は、下記の3つの理由を紹介します。
- 住まい購入に使う費用を大きく下げられる
- ライフスタイルに合わせて間取りや性能を自由に選べる
- さまざまな社会問題の解決の糸口にもなる
それぞれ詳しくみていきましょう。
2-1.住まい購入に使う費用を大きく下げられる
リノベーションする際、中古住宅を購入する場合がほとんどです。
そのため、新築マンションを購入するより、費用が抑えられます。
具体的には新築で購入した場合と比較すると、差額が2,500万円になることがあります。
新築マンション・新築の戸建てと比較すると、中古物件を購入してリノベーションまでしても、半額程度で住まいを手に入れられるのはとても魅力的です。
2-2.ライフスタイルに合わせて間取りや性能を自由に選べる
新築のマンションや戸建てを購入すると、既製品にあわせた生活スタイルを確立するケースが多くみられます。
すでに間取りは決まっており、設備の性能も新しいものが搭載されています。
しかし、中古物件をリノベーションするとなると、自分のライフスタイルに合わせた間取りや設備を自由に選択できます。
自分に合った間取りやデザインが手に入り、なおかつ家は新品状態なため、快適な環境を実現可能でしょう。
2-3.さまざまな社会問題の解決の糸口にもなる
古くなった建物のリノベーションは、さまざまな社会問題の解決の糸口になります。
例えば、デザイン性を活かしたリノベーションによって、商店街を活性化できます。
老朽化した店舗が新しくなったり、空き店舗をリノベーションして新しい店舗を出したりして、活性化につなげます。
さらに、空き家問題の解決の糸口にもなるでしょう。
リノベーションが促進されれば、老朽化した空き家でも新築同様の状態まで回復でき、空き家も少なくなります。
リノベーションのメリット・デメリットとは
リノベーションには、魅力的なメリットと注意しなければならないデメリットが存在します。
実際にリノベーションするとなった際には、本内容のメリット・デメリットをしっかりと押さえておきましょう。
3-1.リノベーションをする2つのメリット
リノベーションのメリットに、以下の2つが挙げられます。
- デザインや間取りを自由にできる
- 床下などの配管まで新品にできる
それぞれ詳しく解説します。
3-1-1.デザインや間取りを自由にできる
リノベーションすると、間取りやデザインを自分たちのライフスタイルに合わせて自由に設計ができます。
具体的には、子どもを見守れる環境作りや書斎や防音室の設置、デザインは海外風の物まで自分好みの快適な環境を作り出せるでしょう。
新築の物件を購入した場合はすでに間取りやデザインが決まっているため、具体例のような自由度は生み出すことができません。
3-1-2.床下の配管まで新品にできる
リノベーションの場合、間取りやデザインなどの目に見える部分だけではなく、床下の目に見えない配下まで新品に交換できます。
床下に配置されている各種配管にも、もちろん寿命はあります。
そのため、リノベーションの工事を実施する際にあわせて確認し、見えない部分まで注意を払うべきでしょう。
3-2.リノベーションをする2つのデメリット
魅力の詰まったリノベーションですが、注意しなければならないデメリットも存在します。
今回は、下記のデメリットを紹介します。
- 住めるまでの期間が長い
- 解体工事後に追加費用がかかる場合がある
それぞれ詳しく解説します。
3-2-1.住めるまでの期間が長い
リノベーションは、ヒアリングから始まりプランニングや現地調査、設計や工事など多くの工程を必要とします。
そのため、リノベーションを決めて動き始めてから住み始めるまで、長い時間がかかります。
大規模なリノベーションだとゼロからの設計となるため、実際に住み始められるまで5〜6ヵ月ほどを想定しておきましょう。
3-2-2.解体工事後に追加費用がかかる場合がある
リノベーションする際には解体工事が必要ですが、その解体工事をした後になってわかることも多くあります。
目に見える部分は解体前でも劣化などを確認できますが、見えない部分は実際に解体してみなければわかりません。
解体後に確認できた内容によっては、想定外の費用がかかる場合も考えられます。
そのため、資金に少し余裕を持っておくべきです。
30~50万円を想定しておくと、安心してリノベーションできます。
リフォームのメリット・デメリットとは
リノベーションとよく比較されるリフォームですが、リフォームにもリフォームならではのメリットやデメリットが存在しています。
リノベーションとリフォームのメリット・デメリットを比較し、どちらが自分に適しているのかを判断できるようにしましょう。
4-1.リフォームの2つのメリット
物件をリフォームのメリットに、以下の2つが挙げられます。
- 工事期間が短い
- 完成した状態をイメージしやすい
それぞれ詳しく解説します。
4-1-1.工事期間が短い
リフォームはリノベーションとは違い、劣化していたり、汚れたりしている部分のみをマイナスからゼロの状態に戻すことを目的としています。
間取りを変更したりするわけではないため、工事の規模が小さく、短期間で工事が終了します。
短い工事だと、トイレ交換などであれば半日〜1日、ユニットバスの交換などであれば3〜4日、他の工事は長くても1ヵ月ほどの短期間で完了します。
4-1-2.完成した状態をイメージしやすい
リフォームは建物の構造自体を大きく変えることなく部分的な改修・工事だけになるため、完成後の状態をイメージしやすいといったメリットがあります。
完成後の状態をイメージできると、リフォームに失敗したり後悔したりが少なくなります。
部分的な工事のため、今の建物の雰囲気などが気に入っている場合でも、すべて壊さずに気に入った部分を残しつつ環境の改善が可能です。
4-2.リフォームの2つのデメリット
物件をリフォームする場合のデメリットに、以下の2つが挙げられます。
- 設計の自由度が高くない
- デザイン性に制限があり重視しにくい
それぞれ詳しく解説します。
4-2-1.設計の自由度が高くない
リフォームはリノベーションと違い部分的な改修・工事を実施するため、建物自体の構造を大きく変えることはありません。
そのため、設計の自由度はリノベーションと比較すると低くなってしまいます。
暮らしを快適にする動線設計や採光などはできないため、注意しておかなければなりません。
4-2-2.デザイン性に制限があり重視しにくい
リフォームは、建物の中の劣化した部分や汚れた部分などのみを工事します。
工事する部分と工事しない部分があるため、デザイン性に制限があり、家の統一感を生み出しにくくなっています。
統一感を出すためにデザインをあわせても、工事した新しい部分と古い部分の違いがどうしても目立ってしまうでしょう。
リノベーション済み物件のメリット・デメリットとは
リノベーション物件に住みたい場合、選択肢としてすでにリノベーションされた部屋に住むことも考えられます。
では、リノベーション済み物件に住むメリットとデメリットはどのようなことが挙げられるのでしょうか。
5-1.リノベーション済み物件のメリット
リノベーション済み物件のメリットは、すぐ住めることです。
通常3週間〜1ヵ月程度で契約が完了するため、家賃更新や入園、入学のタイミングが迫っているなどの場合は、リノベーション済み物件は間に合わせることが可能です。
費用も物件金額のまま現地で設備も確認できるため、デザインや間取りへのこだわりはそこまではないけれど、リフォームよりは雰囲気がいいほうが良いという方に向いています。
5-2.リノベーション済み物件のデメリット
リノベーション済み物件のデメリットは、テイストや間取りで自分好みの物件を見つけることが難しい点です。
コスト削減目的により、同じようなデザインや間取りが流通していること、リノベーション済み物件の数が中古市場全体から見るとそれほど多くありません。
また、配管が交換されておらず、住み始めてから漏水するかもしれない物件もあるため、注意が必要です。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
*2019/11/15日現在東京の中古マンションの物件数は27,265件、その内リフォーム済み・リノベーション済み物件は9,022件、およそ1/3がリノベーション・リフォーム済み物件
【4STEP】リノベーションの流れとは
中古物件を買ってからリノベーションする場合はSTEP1からのスタートです。
また、今持っている家をリノベーションする場合はステップ3からのスタートとなります。
細かく分かれているため、一見難しそうに思えますが、手順通り進めればそんなに難しいことはありません。
詳しい流れは、以下記事をご覧ください。
また、リノベーション会社の中には中古物件探しからサポートしてくれて手間を省いてくれる会社もあります。詳しくは9章でお伝えします。
6つのリノベーション事例を紹介!アイデア満載のリノベーション
ここまでリノベーションを解説してきましたが、実際にリノベーションした物件はどのような見た目になるのか、ゼロリノベの施工事例を用いて紹介します。
一口にリノベーションといっても完成後はさまざまなため、ぜひ参考にしてみてください。
7-1.事例① 家族の成長に合わせて間取りが変えられる住まい
こちらは、1980年9月にできた中古物件をリノベーションした事例です。
リノベーションによって間取りを変更し、将来に向けて個室の枠組みを設けました。
家族が成長したタイミングで、DIYで費用を抑えつつも個室を増設できるアイデアフルな事例となっています。
「Renovation of the year 2023 最優秀賞受賞(1500万円未満部門)」も受賞しており、デザイン、機能性ともに充実したリノベーション事例です。
7-2.事例② 愛猫とのハイセンスな暮らしを叶える住まい
こちらは、2001年11月にできた中古物件をリノベーションした事例です。
お施主様は猫を飼っており、窓枠に馴染むキャットウォークや洗面台に造作した猫トイレなど、おしゃれさと機能性を充実させました。
また、趣味の観葉植物を楽しむために、玄関に多肉植物スペースを造作しています。
自分の趣味を生活に取り入れつつ、快適さも増す、リノベーションの魅力が詰まった物件です。
7-3.事例③ お気に入りのインテリアが映える北欧テイストの住まい
こちらは、2003年10月にできた中古物件をリノベーションした事例です。
この物件の大きな特徴は、家具が映えるように、空間全体が白を基調として作り上げられていることです。
お施主様が大切にしているヴィンテージ家具が映えるようなリノベーションが実施されています。
また、キッチン本体は家具に馴染むような質感を重視し、木材を使用して造作しています。
自分の好みを取り入れた、デザインの統一感を重視したリノベーション事例です。
7-4.事例④ 遊び心あふれるデザインと機能性を叶えた新しいバリアフリー住宅
こちらは、1974年9月にできた中古物件をリノベーションした事例です。
この事例の特徴は、車いすユーザーのご依頼主様が使いやすいように工夫を詰めたことです。
水回りは車いすのままでも入れるようにデザインし、スロープは広いルーフバルコニーへの動線。反対側の通路には在宅ワーク用のデスクや収納を造作してスペースを無駄にしないように設計しています。
また、天井にはルーバーを通しており、リノベーションらしい遊び心もポイントの1つです。
「Renovation of the year 2023 ユニバーサル・デザイン賞」も受賞しており、ぜひ参考にしていただきたい事例となっています。
7-5.事例⑤ 空間に余白を残した戸建てリノベーション
こちらは、1971年12月にできた中古物件をリノベーションした事例です。
築50年の戸建てですが、リノベーションによってまるで新築のように生まれ変わっています。
本事例では、家族のライフスタイルの変化を見据え、あえて空間に余白を残しています。
この先の変化にも対応できるような設計です。
また、水回りに回遊性を持たせており、家事動線がスムーズになるように設計されています。
各部屋のつながりを重要視し、空間を広く利用できる間取りとなっています。
7-6.事例⑥ モノトーンを基調とした大人の上質リノベーション
こちらは、1997年2月にできた中古物件をリノベーションした事例です。
本事例の大きな特徴は、海外のカフェに着想を得てコンクリートブロックを使用した造作キッチンカウンターです。
色味や納まりなど、細部まで徹底して統一感を持たせ、シンプルで上質な空間を演出しています。
さらに、キッチンだけでなく部屋全体でシンプルさや美しさ、合理性を重視しており、ノイズのない繊細な間取りやデザインを実現しています。
後悔しないために!リノベーション設計・工事で注意するべきこと
実際にリノベーションのタイミングで注意すべきことがいくつかあります。
注意点は下記の表にまとめました。
リノベーション設計の時 | |||
設計担当者にはイメージや要望を具体的に伝える | 満足度・設計期間の短縮 | → | 画像保存・要望のリスト化 |
設計担当者には隠さず要望をすべて伝える | 満足度・設計期間の短縮 | → | 快適に暮らすための住まいづくりを意識 |
間取りは作りこむより余白を残す | 後々住みにくさを感じる可能性 | → | 設計担当に未来を想定して間取り作成を依頼 |
ショールームではアップグレードやオプションに注意 | リノベーション費用の圧迫 | → | 設計担当に設備予算上限を確認 |
予算オーバーは優先順位に沿って決める | 満足度 | → | (例)譲れないものは100%残し、他を思いきり削るなど |
リノベーション工事の時 | |||
近隣住民への挨拶 | 長期間工事でクレームも | → | 工事スタート前に上下左右斜め8戸へ挨拶 |
解体後のプラン変更 | 工事期間延長・追加費用 | → | 変更可能性の想定、40~50万円程度を確保 |
色・設備位置は現場で確認 | 想定外の完成物を避ける | → | 設計担当者に現地確認を依頼 |
現場に行くときは設計担当に相談 | 工事がストップする可能性 | → | 設計担当に事前連絡 |
引き渡し時は、稼働・汚れやキズがないかチェック | 住んでから追加費用工事の可能性 | → | 照明スイッチ、コンセント、インターホン、お風呂、ガスコンロなど |
上記の中でも、最初に予算の明確化がとても重要です。
というのも、リノベーションは、会社にもよりますが最後まで費用が確定しにくい側面を持っているからです。
特に、中古物件を購入してリノベーションを実施する場合、予算が不明確なまま進めることは大きなリスクです。
想定以上の高い買い物になると、月々のローン支払いが苦しくなり、最悪の場合自己破産もありえます。必ず最初に予算を明確にしておきましょう。
具体的なリスクや注意点の対処方法は、以下記事をご覧ください。
また、中古物件の購入とリノベーションを検討している場合は、以下記事の使っていい費用の目安をご覧ください。
リノベーションを請け負う会社の種類と選び方
リノベーション業務を請け負う会社は、下記の5つに分けられます。
会社種類 | リノベーション会社 (ワンストップ) | リノベーション会社 | 設計事務所 | 再販会社 | ハウスメーカーなどの大手 |
本業 | 不動産仲介 設計・工事 | 設計・工事 | 設計 | 不動産仲介再販 | 新築物件の企画・販売 |
費用 | △~○※1 | >○ | △ | ○ | × |
施工品質 | △~○※2 | △~○※3 | △~○※3 | △~○※3 | ○ |
デザイン性 | ○ | ○ | ○ | △ | △ |
特徴 | ・リノベ特化で仲介から1社で完結 ・外部委託型と内部完結型の2種類があり、費用と施工品質が大きく変わる、内部完結タイプがおすすめ | ・リノベに特化しており、会社によって事例のテイストはさまざま ・小さい会社が多く大手ほどの安心感はない | ・とがったデザイン性が期待できる ・アフターサービスの充実は期待できないことが多い | ・リノベーション済みのためすぐ住むことが可能 ・再販リフォーム材を使うこともありデザイン性は画一的なことが多い | ・大手という安心感 ・新築用の材料の使いまわしも多く、完成するテイストは新築寄りの可能性あり |
向いている人 | 物件探し+デザイン性のある空間の両方が欲しい | デザイン性のある空間が欲しい | この人に設計してほしい | 完成している物件にすぐ住みたい | 安心感と新築テイストが好き |
(✳︎1)外部に委託しない内部完結型の場合は費用が割安なことが多い
(✳︎2)品質管理を外部委託しているか自社管理しているかどうかによって施工品質は異なる。自社管理している会社の施工品質は比較的安定している
(✳︎3)設計と施工会社が異なるため連携が取りづらく品質管理が難しい。また品質は依頼する工務店に依存するため一定しない。
不動産仲介の有無や、リノベーションに求めるものによって選ぶべき会社は異なります。
デザイン性を求めるなら、リノベーション会社や設計事務所カテゴリから選ぶことをおすすめします。
逆に、デザイン性よりも、安心性や新築テイストが好みならサポート体制も整っている大手への依頼をおすすめします。
また、物件を探すところから1社で済ませたい場合は、不動産仲介業をおこなっているリノベーション会社(ワンストップ)に依頼することで、ローンなど書類手続きの手間を省けます。
リノベーションに関わらずすぐに物件に住み始めたい場合は、再販会社が扱うリノベーション済み物件から選びましょう。
ワンストップリノベーション会社の詳しい解説は、以下記事をご覧ください。
まとめ
本内容では、リフォームとの違いや費用、リノベーションのメリットデメリット、流れ、注意点、会社の選び方を紹介しました。
リノベーションは、今までの住まいに新しい価値を与えるために、その住まい全体を作り変えるプロジェクトです。リフォームと違い設計専門職が担当します。
リノベーションでどのようなことができるのかをもっと知りたい場合は、リノベーションの事例一覧をご確認ください。
また、リノベーションの費用を詳しく知りたい場合は、以下記事をご覧ください。
本内容を参考にしていただき、リノベーションを通して、自分たちだけの住まいを手に入れましょう。
ゼロリノベでは中古マンションの購入やリノベーションに関する無料セミナーを開催しています。
リノベーションに関する知識が欲しい場合には、ぜひお気軽に参加してみてください。