中古マンション購入で住宅ローンは組める?控除の使い方や審査が厳しくなる条件も解説
「中古マンションでも住宅ローンは組めるの?」
「新築と違って審査の条件が厳しかったりするのでは?」
マイホームの選択肢の一つとして中古マンション購入を検討している方は、こんな疑問をお持ちではないでしょうか?
結論から言うと、中古マンションでも住宅ローンは組めます!
実際に、不動産仲介とリノベーションを一貫してお手伝いしているゼロリノベのお客様も、さまざまな銀行で住宅ローンを組まれているので安心してください。
ただし、中古マンションで住宅ローンを組むときには注意点があります。物件の条件によっては、審査に通らなかったり、満額借りられなかったりすることもあります。
欲しいと思った物件が実は住宅ローンが通らない、なんて後悔をしてほしくありません。
そこで本記事では、元銀行員監修のもと、以下について解説します。
▼この記事で分かること
最後まで読めば、住宅ローンに関する理解が深まり、最適な住宅購入の選択へと繋げることができるでしょう。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
ファイナンシャルプランナー
茂木 禄人
株式会社Mapフィナンシャル において、独立系アドバイザーとして活動。詳細プロフィールはこちら
中古マンションも住宅ローンを組める
冒頭でもお伝えしましたが、新築と同様、中古マンションも住宅ローンを組むことができます。新築と手続き上の違いはなく、金利についても「中古マンションだから」という理由で高くなることもありません。
住宅ローンの金利について詳しくは、以下の記事をご確認ください。
1-1.リフォーム・リノベーション費用も借り入れできる
物件購入に伴いリフォームやリノベーションをする場合、銀行によってはかかる費用を住宅ローンに組み込むことが可能です。これは、中古マンションの購入者が年々増えていることが関係していると言えるでしょう。
リフォーム費用のみを借り入れる「リフォームローン」は一般的に金利が高くなりがちなので、比較的金利が低い住宅ローンでリノベーションの費用まで含めるほうがお得です。
また、ローンを一本化することができるため、手続きとしてもラクに済みます。
▼住宅ローンにリフォームやリノベーション費用も含めて借入できる銀行の例
・みずほ銀行
・三菱UFJ銀行
・中央労働金庫
・新生銀行
・フラット35
詳しく知りたい方は、以下の記事で解説しているのであわせてご確認ください。
また、中古マンションリノベーションについて興味がある方は、以下の記事もあわせてご確認ください。
中古マンションは築年数によって制限が付く
中古マンションの住宅ローンは、築年数により「返済期間」や「借入金額」に制限をつける銀行もあります。どんな制限があるのか、事前に確認しておきましょう。
2-1. 返済期間の制限
最長35年とされることが多い住宅ローンですが、中古マンションに関しては25年や15年など、返済期間を制限する銀行も一部とはいえあります。これは、新築と比較して残存期間が短くなっていることが理由と考えられます。
同じ金額を借りるのでも返済期間が短くなれば、月々の返済額は大きなものとなるため注意が必要です。
ただし、国土交通省によるとマンションの寿命は117年以上と言われています。そのため返済期間に制限を設ける銀行は一部に限られ、ほとんどの銀行は返済期間に制限を設けていません。銀行選びさえ注意すれば問題ないので、過度の心配は不要です。
中古マンションの寿命やおすすめの築年数については、以下の記事をご確認ください。
2-2. 借入金額の制限
築年数が大幅に経過していると、借入金額に制限を設ける銀行も中にはあります。これは、銀行がお金を回収できなくなるのではと懸念していることが理由です。
銀行は、住宅ローンの返済が滞ると、物件を差し押さえ競売にかけます。しかし築古の物件は高く売れない傾向があるため、多額を融資しているとお金を回収できないリスクが伴うのです。
ただしこれも一部の銀行であり、通常は問題なく住宅ローンを組むことが可能です。また、築古物件は総じて価格も安価なため、担保価値(物件に対する評価額)と大きなギャップが生じるケースはほとんどないでしょう。
フラット35は新耐震基準の中古マンションのみ融資可能
住宅金融支援機構のフラット35は、融資の条件として耐震評価基準が設けられています。具体的には、1981年6月1日以降の新耐震基準で建てられた中古マンションでない限り、適合証明書が発行されなければ融資の対象となりません。
しかし、これらはあくまでフラット35の要件です。条件から外れていても、民間金融機関の住宅ローンを利用すれば問題ないケースがほとんどです。フラット35の融資条件については、【フラット35】中古住宅の技術基準の概要をご確認ください。
住宅ローン審査が通りにくい中古マンションの特徴
銀行によっては、審査が厳しくなる、あるいは通らない条件を持つ中古マンションもあります。その条件は、下記の2つです。
- 既存不適格物件
- 借地権の物件
それぞれどのようなマンションなのかを解説します。
3-1. 既存不適格物件
既存不適格建築物とは、建てられたあとに建築基準法が改正されたりすることにより、新しく定められた基準に適合しなくなった建築物を指します。つまり、昔は問題なかったのに、今の法令だと問題とされてしまう物件です。
金融機関が住宅ローンの審査をおこなうときには、必ず建築基準法等の法令を満たしているかをチェックするため、審査が通るのは厳しくなります。
3-2. 借地権の物件
借地権(地上権)のマンションも、住宅ローンの審査に通るのは難しくなります。借地権(地上権)とは、文字通り土地を借りている状態を示します。
通常、マンションを購入すると、建物(専有部分)も土地も自分のものとなる「所有権」を得るのが一般的です。ただし、借地権の場合は、建物だけが持ち物となり土地は別の人のものです。そのため万一銀行が物件を差し押さえ、競売にかけたとしても、買い手がみつからない可能性があります。
結果的に、住宅ローンの審査が厳しくなったり、融資対象外とされたりする場合があるのです。物件の情報の「土地の権利」などの項目をチェックしましょう。
住宅ローンを組む際に必要となる費用
中古マンションの購入に際して住宅ローンを組む場合には、物件費用以外に諸費用がかかります。諸費用が全体でいくらかかるのかを把握したうえで、自己資金から用意するのか、住宅ローンの借入額に組み込んでしまうのかを検討しましょう。
中古マンションの場合、住宅ローンの諸費用は、物件価格の5%程度を見込んでおくとよいでしょう。なお「保証料・保証事務取扱手数料」や「団体信用生命保険料」を不要とする金融機関もあります。
▼住宅ローンを組む際に必要な主な諸費用
費用 | 内容 |
印紙税 | ・銀行と交わす契約書に対してかかる税金 ・税額は契約金額によって決まる |
登録免許税 | ・抵当権設定登記する際にかかる税金 ・借入金額×0.1%(2024年3月31日までの軽減措置。本則は借入金額×0.4%) |
司法書士報酬 | ・抵当権設定登記を司法書士に依頼した場合に必要 |
事務手数料 | ・住宅ローンを組む際に銀行に支払う手数料 |
保証料・保証事務取扱手数料 | ・万一住宅ローンを払えなくなった場合に備え、保証会社に支払う費用 |
団体信用生命保険料 | ・住宅ローンの返済中に死亡・高度障害者状態となった場合に借入金を相殺してもらうための保険料 |
火災保険料 | ・マンションや家財が火災や風水害などを受けた場合に補償を受けるための保険へ加入する費用 |
住宅ローン控除の適用条件
中古マンションも条件を満たせば住宅ローン控除(住宅ローン減税、住宅借入金等特別控除)が使えます。
※なお、今回ご紹介するのは、2024年1月現在の内容です。
5-1.最大控除額と適用期間
住宅ローン控除では、年末の住宅ローン残高の0.7%が所得税(控除しきれない場合は住民税)から控除されます。毎年の上限額は、中古住宅の場合14万円(認定住宅等は21万円)となり、10年間続くため、140万円(210万円)が最大の控除額となります。
5-2.築年数の条件
住宅ローン控除は、昭和57年1月1日以降に建築されたマンション(新耐震基準適合住宅)であれば、その他の条件を満たすことで適用されます。主な条件は以下のとおりです。
- 借入限度額が2,000万円まで
- 床面積50㎡以上で、そのうちの1/2以上が居住用
- 増改築等の終了後6か月以内に、中古住宅に入居していること
なお昭和56年12月31日以前に建てられたマンションであっても、耐震補強され新耐震基準に適合していることを証明できれば条件を満たします。
ただし、控除にこだわって無理な買い物をしてしまうのは本末転倒です。住宅ローン控除について詳しくは、以下の記事をあわせてご確認ください。
まとめ
中古マンションであっても、問題なく住宅ローンを組めることがほとんどです。
ただし一部の銀行では、物件の条件によって返済期間や借入金額に制限を設けたり、厳しい審査をおこなったりすることがあります。そのため住宅ローンで中古マンションを購入したいと考えている場合、物件の目利きがとても大切になります。
とはいえ、どんなマンションなら審査に通りやすいのか、また希望のリノベーションができるのか、自分で見極めるのは簡単ではありません。
そのようなときには、ぜひゼロリノベにご相談ください!ゼロリノベでは、不動産のプロが住宅ローンの審査に通りやすく、また理想の住まいを実現できる物件選びをお手伝いいたします。ファイナンシャルプランナー(FP)が一緒に予算を立てることから始められるので、「予算がオーバーした!」となることもありません。
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