リノベーションの流れが一目瞭然!4ステップでやるべきことを徹底解説
リノベーションでお洒落になるのはわかるけど、リノベ会社への依頼方法・依頼タイミング・やるべきこと…何だかよく分からずにモヤモヤしていませんか?
実は、この記事を5分ほど読んでいただくだけで、リノベーションの手順が明確になります。なぜなら、リノベーション会社として何千人と関わってきた経験から、物件探しから設計・工事までのステップをまとめて解説しているからです。
ここでは、4つのステップとともに、あなたがやるべきことも明確にしています。読み終えたあと、今後リノベーションの流れで迷うことはありません。そして、まず最初に何をすべきかがわかるようになります。
【A】中古物件を買ってリノベーションを検討している方
このまま進んでお読みください。
【B】自己所有物件をリノベーションを検討している方
「STEP3 リノベーション設計」からお読みください。
一級建築士
西村 一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
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【図解】リノベーションの全体像
(*上図の赤線について)
物件決済を終えると所有権が移転して不動産は自分のものになります。そうなると、住宅ローンがスタートします。よって、不動産売買契約後は、住宅ローン本審査やローン契約の手続きを進めつつ、設計の打ち合わせを始めましょう。なぜなら時間のロスを減らすことで、「現在の家賃」と「住宅ローン支払い」の二重払い期間が短縮されて負担が小さくなるからです。一方で、売買契約時までに依頼するリノベーション会社(施工会社)を決めておかないと、時間のロスが増えて二重払い期間も長くなり負担が大きくなります。
大きく分けると、リノベーションには4つのステップがあります。
- 欲しい物件が決まって不動産売買契約まで <1〜2週間>
- 住宅ローン本審査を通過してローン契約し、所有権が移転するまで <1ヶ月前後>
- リノベーション設計に <2.5〜3ヶ月>
- リノベーション工事に <2.5〜3ヶ月>
中古物件を買ってリノベーションする場合、何はともあれ物件探しです。しかし、そのまえに物件探しのパートナーになる不動産仲介会社を選ばなくてはなりません。
なぜなら、パートナーによって物件の買い方や建物を見極める力量が異なるからです。つまり、「物件選び」は「不動産仲介会社選び」といっても過言ではありません。
信頼できる不動産仲介パートナーと出会ったら、いよいよ物件探しがスタートします。
【STEP1】物件選び <1-2週間>
物件内見
不動産仲介できる会社に相談して、無理のない予算内で物件を探します。
ただし注意点があります。
やりがちなのは、物件検索サイトで気に入った物件があった場合、その物件ページの下にある問い合わせ先不動産仲介会社に連絡してしまうことです。これはやめましょう。
なぜなら、その不動産仲介会社が信頼できるかどうか分からないからです。もし信頼できない会社だったら、しっかりと物件調査をせず、何かと上手いことを言ってダメな物件を買わせてしまうケースもあります。
基本的にどの物件でも、どの不動産仲介会社でもご案内できます。よって、まずは「物件調査や予算管理をしっかりやってくれるような信頼できる不動産仲介パートナー」を見つけましょう。
そして、物件検索サイトの気に入った物件の情報をパートナーに送り、内見調整してもらってください。
次の順番で物件探しすることをお勧めします。
- パートナーとなる信頼できる不動産仲介会社を選ぶ
- 物件を探す(不動産会社からの提案&物件検索サイト情報など)
- 気に入った物件があったら物件情報をパートナー不動産仲介会社に送る
- パートナー不動産仲介会社に内見調整してもらう
- 現地でパートナーによる物件調査や環境などの確認を行う
期間
1週間~3ヶ月(希望物件が見つかって売買契約までは1-2週間)
あなたがやること
- 住宅予算の客観的な算出
- 不動産仲介会社を選ぶ
- 不動産買付証明書の提出(購入前に物件調査をするため)
<住宅予算>
住宅ローンを借りられる額が住宅予算ではありません。なぜなら「借りられる額」と「返せる額」は違うからです。
たとえば、年収600万円の人が、気になる物件(5,000万円)を見つけたとします。この人の「返せる額は3,428万円」です。
しかし、「欲しい!」感情を抑えられないがために、後付けで色々と理由をつけて、住宅ローンが下りる(借りられる額は5,999万円)からと購入する人はかなり多いです。
今は考えられないかもしれませんが、こういった買い方をすると後で必ず大きなしわ寄せが来ます。経済的な理由で、生活水準が落ちたり、老後破綻になったり、教育費が払えず奨学金として次の世代に先送りしたり…等々。
家を買うことはゴールではありません。買った家でどれだけ安心して暮らせるかが大切ですよね。そうならないためにも、まずはファイナンシャルプランナーなどの第三者機関に「客観的な我が家の返せる額」を算出してもらいましょう。
*「借りられる額」「返せる額」は世帯状況によって異なります。
<不動産仲介会社選び>
先ほどもお話したように「物件選び」は「不動産仲介会社選び」といっても過言ではありません。
では、中古物件のリノベーションを失敗しないために、どのような不動産仲介会社を選べば良いのでしょうか?
- 不動産仲介会社
- ワンストップリノベーション会社
ズバリ答えます。リノベーションを検討している人の物件探しは、不動産仲介の機能も抱える「ワンストップ・リノベーション会社」に依頼しましょう。
なぜなら、次の5つのメリットがあるからです。
- 物件契約後のスムーズな設計への引き継ぎで時間短縮
- 希望物件を買える可能性が高くなる
- 窓口が1つなので流れに迷わず安心
- 売買交渉・建物調査の両面のノウハウがある
- 内見時にリノベーション可能か判断できる
詳しくは本記事の後半にある「7 物件探しはリノベ会社に任せるべき5つの理由」をご覧ください。
<不動産買付証明書>
気に入った物件と出会ったら売主側に不動産買付証明書(買付申込書)を提出しましょう。なぜなら、売主側は冷やかしではなく買う意思がある方にだけ、詳細な物件情報を明らかにするからです。
よって、気に入った物件があったら買付申込書を出して、売主側に意思表示しましょう。そうすることで物件が安心かどうかの調査をすることができます。
不動産買付証明書には法的効力はありません。後にキャンセル可能です。
あなたが準備するもの
- 認印
- 内見用スリッパ
事前審査
事前審査は、住宅ローンに正式に申し込む前に、金融機関が最小限の情報で短期間に判断する審査です。
不動産売買契約後に、ローンを借りられなかったとなると買主も売主も困ってしまいます。こういった状況を避けるために「住宅ローン利用可能かどうか」を事前審査で前もって確認することができます。
つまり、買主が事前審査を通過して、はじめて売主との契約交渉のテーブルにつくことができます。
一方、現金で購入される方は、この過程は必要ありません。
期間
1日~1週間
あなたがやること
- 住宅ローン事前審査の申し込み
気に入った物件に対して不動産買付証明書を売主側に提出すると同時に、金融機関に対しても住宅ローン事前審査の申し込みをしましょう。なぜなら「この人は買える人だな」と証明されてはじめて、売主側は交渉の場につくからです。
事前審査をもたもたと進めてしまい、その間に他の誰かに物件を契約されてしまうケースも多いです。よって、欲しい物件に出会ったら、最短で事前審査に申し込みましょう。
パートナーの不動産仲介会社が、どこの金融機関に事前審査を出すべきか、どうやって申請すべきか、等のアドバイスしてくれます。そのサポートを受けて迅速に対応し、いちはやく売主との交渉権を手に入れましょう。
あなたが準備するもの
- 住宅ローン事前審査申込書
- 印鑑(認印でも可能)
- 本人確認資料(運転免許証・保険証など)
- 収入を証明する資料(源泉徴収票や確定申告書など)直近2-3年分
- 物件情報の資料
- 他に借り入れがある場合は、契約内容やローン残高がわかる書類
*依頼した不動産仲介会社がサポートしてくれます。
*あなたの状況によって提出資料は異なります。
不動産売買契約
売買契約とは売主が所有権や借地権などを買主に移転することを約束し、買主がその代金を支払うことを約束した書面での契約です。
通常、不動産売買契約は、「買主」「売主」「買主側の不動産仲介会社」「売主側の不動産仲介会社」が一堂に会し、売主側の不動産仲介会社の店舗で行います。
また、売主と会える少ない機会ですので、隣人の話などチラシには掲載されない生の情報をお聞きすると良いでしょう。売主もあとあと揉めるのが嫌なので正直に答えてくれる人がほとんどです。
期間
事前審査通過から1週間〜2週間後
あなたがやること
- 契約書の確認
- 手付金の準備(最終的に売買代金に充当されます:相場は物件金額の5-10%)
<契約書>
契約書は基本的に「売主側の不動産仲介会社」が作成します。それをパートナーである「買主側の不動産仲介会社」が不備がないか、常識的におかしくないか、を確認してくれます。もちろん、買主自身も目を通してチェックするようにしましょう。
<手付金>
契約時には物件金額の一部として手付金を売主に支払います。最終的に売買代金に充当されます。
これは、買主が自分都合で売買契約を解除する場合、支払った手付金の返還を放棄することを約束するものです。一方、売主が自分都合で売買契約を解除する場合、売主は受け取った手付金の倍額を買主へ返還することを約束するものです。
あなたが準備するもの
- 本人確認資料
- 印鑑(実印)
- 手付金(相場は物件金額の5-10%)
- 印紙(物件金額によって異なります)
*依頼した不動産仲介会社がサポートしてくれます。
*あなたの状況によって提出資料は異なります。
【STEP2】物件購入 <1ヶ月>
本審査
事前審査を通過して、不動産売買契約した後は、いよいよ住宅ローンの「本審査」となります。ここを通過して、ようやっと住宅ローンを借りる条件が整い、あとは金融機関と住宅ローン契約するだけになります。
本審査では複数の書類を提出する必要があり、事前審査よりも詳細な確認が行われるため、審査には約1週間〜2週間かかるのが一般的です。パートナーである不動産仲介会社が、申請するタイミングや準備すべき書類などのサポートをしてくれます。
期間
1週間〜2週間
あなたがやること
- 事実を正直に伝える
住宅ローンを利用するほとんどの場合、団体信用生命保険に加入します。健康でしたら問題ありません。しかし、健康に不安がある方は住宅ローンを利用できないケースもあります。
住宅ローンを通したいがために、持病があっても告知しなくていいという不動産会社もありますが、かならず事実を正直に伝えましょう。なぜなら、事実と異なる告知をしていたことが発覚すると契約を解除されてしまうからです。
また、審査に不利になると考え、または家族に借金を秘密にしていることを理由に、借り入れ事実を隠す申込者も稀にいます。
ここもやはり正直に事実を伝えましょう。金融機関は信用情報を確認すれば分かりますので、隠しても意味はありません。むしろ、より印象を悪くして本審査通過の確率を下げるだけです。他に借入があっても審査を通過するケースも多いですので、正直に伝えましょう。
これは本審査だけでなく、事前審査のときにも言えることです。
あなたが準備するもの
- ローン本審査申込書
- 団体信用生命保険申込書
- 告知書
- 印鑑(実印)
- 印鑑証明書
- 住民票
- 本人確認資料(運転免許証・保険証など)
- 健康保険証
- 源泉徴収票(原本・直近2年分)
- 収入金額記載の住民税課税証明書(直近2年分)
- 他に借り入れがある場合は、契約内容やローン残高がわかる書類
*依頼した不動産仲介会社・金融機関がサポートしてくれます。
*あなたの状況によって提出資料は異なります。
住宅ローン契約/決済・引き渡し
本審査を無事に通過したら、金融機関と住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を結びます。この契約の時点で住宅ローンの金利タイプや返済期間などが決定します。
その後、日を改めて最後のステップである「決済・引き渡し」です。買主・売主・不動産仲介会社・司法書士が立会いのもと金融機関にて決済を行います。
司法書士による必要書類の確認が完了した後、住宅ローン融資が実行され、晴れて所有権が売主から買主に移転します。
期間
1〜2時間(本審査通過から1週間〜1ヶ月後)
あなたがやること
- 諸費用の準備(相場は物件金額の8-10%)
<諸費用>
住宅ローン利用や不動産取得には諸費用がかかります。登録免許税、司法書士報酬、固定資産税、不動産取得税、融資手数料、保証料、火災保険料、仲介手数料…などです。トータルで物件金額の8-10%を目安とすると安心です。通常、現金で用意します。
現金がない場合は、諸費用を住宅ローンで賄うことも可能です。しかしその場合、借入金利が上がりますので慎重に検討しましょう。
あなたが準備するもの
- 本人確認資料
- 印鑑(実印)
- 通帳・届出印・キャッシュカード
- 住民票
- 印鑑証明書
- 諸費用(目安:物件金額の8-10%)
*契約する金融機関や不動産仲介会社がサポートしてくれます。
*あなたの状況によって提出資料は異なります。
【STEP3】リノベーション設計 <2.5-3ヶ月>
まずはリノベーション費用の支払い方法について確認しましょう。
物件購入+リノベーションの方
- 現金
- 一体型住宅ローン (物件代金+リノベ費用)
- 住宅ローン+リフォームローン
ほとんどの方が一体型住宅ローン(物件+リノベ費用)を利用します。なぜなら、リフォームローンに比べて低金利の住宅ローンに、リノベ費用も入れられるためです。つまり、金利が低くなるので総返済額が少なくなります。
自己所有物件をリノベーションされる方
- 現金
- 住宅ローン
- リフォームローン
住宅ローンは物件購入のためというイメージがありますが、増改築のための費用としても認めている金融機関は多くあります。先ほども話したとおり、低金利の住宅ローンを利用することで総返済額を小さくすることができます。とはいえ、個別状況により最適なローンは変わります。
また、工事費用を支払うタイミングは施工会社(リノベ会社や工務店)ごとに違いがあります。直前でバタバタしてトラブルにならないように、あらかじめ施工会社に支払いタイミングを確認しましょう。そして、そのタイミングから逆算して「いつまでに支払い方法を決めて手続きすべきか」を確認しましょう。
早い段階から準備しておくことをお勧めします。
ヒアリング/現場調査
設計士は施主にとってどんな空間が最適なのかを必死で考えます。そのときの大切な情報が初回打ち合わせで行われるヒアリングです。
ここで、施主が現在どんな生活スタイルなのか、将来どんな暮らしを望んでいるのか、趣味や大切にしていることは何か、家族構成や身長、時間の使い方…等々、あらゆることをヒアリングします。
また、設計士は今回対象となる物件の現場調査をします。設備関係の確認、採寸、写真撮影、竣工図の確認、管理人さんへのヒアリング、共用部の確認…等々を行い、リノベーション設計の準備を整えます。
期間
1〜2回(不動産売買契約後から1週間〜2週間以内にスタート)
売買契約を終えたら出来るだけはやく設計打ち合わせをスタートしましょう。なぜなら、売買契約後の1-2ヶ月後に行われる決済が完了して物件の引き渡しが行われると、住宅ローンが開始されるからです。
もしあなたが賃貸住まいなら、設計・工事が終わるまでの間、住宅ローンと家賃の二重払いが発生する場合があります。そのため、住宅ローンが開始される前にできるだけ設計を進めておくことで、「賃料」と「住宅ローン」の二重払い期間を短くすることができます。
なお、二重払いの負担を小さくするために「工事が終わるまでの間は住宅ローンの部分を金利だけにしてください」など、銀行と交渉できる場合もあります。そのあたりもしっかり対応してくれる不動産仲介会社をパートナーにしましょう。
ちなみに、室内をすべて解体して、0からつくり変えるスケルトンリノベーションの場合、「設計・工事」の期間は、合計で6ヶ月前後と想定しておくことをお勧めします。
各会社のホームページなどは、なるべく短い期間で見せたいので「工事期間」のみしか掲載していないケースがあります。
そのほか「設計・工事」の今までの最短期間を掲載しているケースもあります。最短で終わることはほとんどないので、設計と工事の合計で6ヶ月前後と考えておきましょう。
あなたがやること
- イメージ写真の共有
好きなテイストや好きな空間、アイデアの写真をストックして設計士に共有しましょう。なぜなら、言葉ではニュアンスを伝えられないことがあるからです。
視覚的に共有することで設計士との認識の違いをなくすことができます。リノベーション事例、Instagram、ピンタレスト、houzz、などはイメージ集めに最適です。
あなたが準備するもの
- イメージ写真
プラン提案
設計士はヒアリングをもとに初回プランの提案を行います。
家事動線をどうするか、趣味を満喫するにはどうするか、家族が最適な距離感を保つにはどうするか、窓からの眺めを借景するにはどのような配置がよいか…等々、ひとつひとつに意味があるように設計されています。
初回プランは2-3案ほど提案されることが多く、各案に対して施主(あなた)からフィードバックを受けます。その後、打ち合わせを重ねて徐々に最終的なプランへと洗練させていきます。
ここがリノベーションのひとつの醍醐味です。自分がどう生きていくのか、どう暮らしていくのか、将来のビジョンとともに空間が構成されていきますので、とてもワクワクドキドキする貴重な体験となります。
期間
初回ヒアリングから1〜2ヶ月
あなたがやること
- 無理かなと思わずに要望をすべて伝える
限られた予算の中で行うため「これをやったら予算オーバーかな」と考え、叶えたい気持ちを抑えてしまいがちです。しかし、プランを練り上げていく段階では要望をすべて伝えましょう。なぜなら、設計アイデアの大きなヒントになるからです。
もし予算オーバーしても、次の「見積もり調整」の段階でやりたいことの優先順位をつけて取捨選択したり、バランスをとったりします。見積もり調整を前提に、要望を伝えましょう。
あなたが準備するもの
- 特になし
見積もり
練り上げたプランが実際にいくらかかるのか費用を出す段階です。予算は限られているので、やりたいことをすべて詰め込むと予算オーバーしてしまいます。
そこで、やりたいことの優先順位をつけて、取捨選択をしたり、プランの方向性を保ったまま設備グレードを下げたり…等々、バランス調整して最終的に予算内に収まるように仕上げてプランを完成させます。
期間
1週間〜1ヶ月
あなたがやること
- やりたいことの優先順位を明確にする
「予算オーバーしてしまうけど、やりたいことをすべて叶えて最高の住まいをつくる」よりも「予算枠の中で最高の住まいをつくる」という観点でプラン調整していきましょう。
なぜなら、家を持つことがゴールではないからです。そこでどれだけ自由に暮らせるかが大切だとゼロリノベは考えています。
本来使って大丈夫な予算を大幅に超えて最高の住まいをつくっても、暮らし始めてから経済的に苦しい思いをしては本末転倒です。予算内で最高の住まいをつくるために、やりたいことの優先順位を明確にしましょう。
あなたが準備するもの
- 特になし
【STEP4】リノベーション工事 <2.5-3ヶ月>
工事契約/工事準備
実施プランと見積もりが完成してたら、リノベーション会社(または工務店)と工事請負契約書を締結します。そしていよいよ工事ですが、いきなり工事はできません。その前に、様々なところの許可・承認が必要となります。主に、管理組合申請と近隣承認です。
期間
1週間〜3週間
あなたがやること
- 場合によっては管理組合申請と近隣承認
基本的にはリノベーション会社(施工会社)が管理組合に工事申請の提出します。そのほか、工事内容の説明をしつつ近隣承認やご挨拶を行います。しかし、場合によっては施主(あなた)が出て行った方が印象がよく、スムーズに許可・承認を得られるケースもあります。
なぜなら、リノベーション会社は管理組合や近隣の方に「業者」としか見られていないので後回しにされることも少なくありません。一方で、施主の場合は、管理組合や近隣の方にとって近所になる人なので、よく話を聞いてくれます。
このように施主から話を通すと、スムーズにことが運びやすくなります。よって、工事の許可や承認が下りるのが遅いようでしたら、施工会社と相談しながら進めましょう。
あなたが準備するもの
- 特になし
工事
いよいよリノベーション工事です。設計士が作成したプランと工程表をもとに職人さんが力を合わせ、あなたがこれらから暮らしていく理想の住まいを作り上げていきます。
ここでのポイントは対応力です。実は、新築時の設計図(竣工図)と実際の空間が違うことがあります。たとえば、工事が始まり解体しみてたら竣工図と少し異なっているため、設計士と一緒に練り上げたプランの一部が実施できないこともあります。
もしそうなった際は、現場の状況に合わせ、応用力を効かせながら一部プラン変更することになります。場合によっては、実際の現場の状況を見て知恵を絞っていくので、より良いプランになることも多いです。
また、施主によっては「職人さんに差し入れした方がいいのか」と悩む人もいます。結論から言うと、差し入れしなくてもいいです。職人さんはプロフェッショナルですので、差し入れ有無で工事品質に差が出ることはありません。
ただ、どうしても差し入れしたい場合は、次のことに注意してください。それは、自己所有とはいえ、いきなり現場に行かないようにすることです。
なぜなら、現場は日によっては危険が多くなるからです。不意に現場に行くことで怪我をする恐れがあります。職人さんの腕が止まって工事に遅れがでるケースもあります。必ず、担当設計士や現場監督に連絡して許可を得てから現場に行きましょう。
期間
2ヶ月-2.5ヶ月
あなたがやること
- 現場で打ち合わせ
<現場打ち合わせ>
実際に現場を見ながら塗装の色や細かい箇所を決定してきます。
あなたが準備するもの
- 特になし
検査/引き渡し
工事が一通り完了したら、最後にリノベーション会社による検査、次に施主検査をチェック項目に沿いながら行います。問題が見つかれば是正工事を行って直します。問題がなければ「引き渡し」され、新生活のスタートです。
期間
1週間〜2週間
あなたがやること
- 施主検査
リノベーション会社とともにチェック項目に沿いながら検査します。
あなたが準備するもの
- 特になし
リノベーション完成後は最低2年間の保証を確保すべき
最低2年間の保証を確保しましょう。なぜなら暮らしはじめてから何か起きたときに対応できるようにするためです。
そのため、アフターサービスで失敗しないように、R1住宅の適合基準を満たしている会社/工事を選びましょう。なぜなら、第三者機関が定めている基準だからです。
その会社独自の基準だけだと何か起きても言い逃れしやすくなります。一方、第三者機関が定めている基準ですと、独自解釈ができないため言い逃れはできません。
リノベーション協議会が定めるR1住宅の適合基準は、重要なインフラについて、新規・既存に関わらず2年以上の保証を義務としています。さらにオプションを加えることで、部分によっては10年間保証されます。
物件探しはリノベ会社に任せるべき5つの理由
図の「売買契約」から「ヒアリング・現場調査」に伸びている赤線をご覧ください。この赤線がリノベーションをスムーズに行うためのポイントです。このポイントを含めた5つの理由から、物件探しはリノベーション会社に任せることをお勧めします。
理由1. 物件契約後のスムーズな設計への引き継ぎで時間短縮
不動産仲介の機能も抱え、設計・工事も一貫して行うワンストップリノベーション会社に依頼すると不動産売買契約後にすぐに設計打ち合わせがスタートします。
一方で、普通の不動産会社に依頼すると、売買契約後にリノベーション会社or設計事務所or工務店に依頼することになります。その分、設計・工事が伸びてしまって「現在の賃料」と「住宅ローン」の二重払い期間も伸びて負担が大きくなります。
理由2. 希望物件を買える可能性が高くなる
中古物件を買ってリノベーションする人のほとんどが利用する「一体型住宅ローン (物件代金とリノベ費用をまとめて融資) 」を使う場合、一般の不動産仲介会社から物件を購入すると欲しい物件が買えなくなる可能性があります。
なぜなら、ローンの手続きをしている金融機関ににリノベーション会社(施工会社)が提出しなければならない書類があるからです。
「不動産仲介会社」と「工事をする施工会社」が別々の場合、気に入った物件があっても、そこから施工会社を探したり、あらかじめ施工会社が決まっていても、不動産仲介会社と施工会社の連携が取れずに、提出書類の準備に時間がかかります。そうこうしているうちに、他の人に気に入った物件を契約されてしまうケースが多々あります。
一方、不動産仲介会社も社内で抱えているワンストップ・リノベーション会社は、連携がスムーズです。必要書類もすぐに準備できます。そのため、気に入った物件を買える可能性が高くなります。
理由3. 窓口が1つなので流れに迷わず安心
不動産会社でもあり、設計事務所でもあり、施工会社でもあるワンストップリノベーション会社は、窓口がひとつなので煩雑になることはありません。
一方で、普通の不動産会社に依頼すると、設計・工事と窓口がそれぞれ別にります。そうなると、あなたが司令塔となって各業者に情報伝達しなければなりませんので、時間と手間、そして連携ミスが起こりやすくなります。
理由4. 売買交渉・建物調査の両面のノウハウがある
普通の不動産会社は売買交渉や契約のプロであって建物のプロではありません。一方、ワンストップ・リノベーション会社は、不動産ノウハウに加え、建物ノウハウも蓄積されています。よって、もっとも重要な建物の安心性を調査することができます。
理由5. 内見時にリノベーション可能か判断できる
ワンストップリノベーション会社の不動産仲介スタッフは、リノベーションに知見があります。よって、内見時にその物件でやりたいリノベーションが可能かどうかも判断できます。
たとえば「この壁は抜けるかどうか」「天井を高くできるか」「水回りの位置は移動可能か」など、一般的な不動産スタッフでは分からないようなリノベーションについて判断ができます。
上記5つの理由から、物件探しは「ワンストップ・リノベーション会社」に依頼すると良いでしょう。彼らは不動産仲介のプロでもあります。
まとめ
何はともあれ戦友となるリノベ会社を探そう
物件探しからスタートする場合も、自己所有物件の設計からスタート場合も、まずやるべきことは、あなたに合ったリノベーション会社を探すことです。満足する住まいを手に入れられるか否かは、リノベ会社選びにかかっているといっても過言ではありません。
なぜなら、リノベーションは「共同プロジェクト」だからです。スポーツジムのトレーナーとの取り組み方と同様です。自分とトレーナーが互いに全力で動いて結果を出していきます。その過程で様々な課題が発生しますが、一緒に解決して幸せな住まいを作り上げていきます。
よって、住まいに対する考え方やセンスがあう会社、課題への対応力がある会社、逃げずにやり抜く会社を選びましょう。
ぜひ、あなたの人生をもっと豊かにするような、そんなリノベーション空間を作ってください。
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